株主総会招集通知は電子化可能?電子提供制度とは?詳しい内容を解説
「株主総会資料を郵送するのが大変」
「株主総会資料の電子提供制度ってどんなもの?」
「株主総会の招集通知は電子化できる?」
この記事では、こうした疑問や悩みに回答していきます。
すべての株式会社は、事業年度ごとに株主総会を開くよう会社法で義務付けられています。開催時期としては6月が多く、5月になると株主総会招集通知を受け取る株主が増えてくるでしょう。
以前は招集通知とともに、株主総会資料も郵送していました。ところが2023年に電子提供制度が始まってから、株主はウェブサイト上で資料を閲覧できるようになったのです。
そこで本記事では、電子提供制度の概要やメリット、それに伴う招集通知の取扱いについて解説します。
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2023年より株主総会資料の電子提供制度がスタート
2019年の会社法改正によって、新しく株主総会資料の電子提供制度が創設されました。これは企業が株主総会資料を自社のウェブサイトに掲載し、それを株主がインターネットを通じて閲覧するための制度。電子提供制度では、以下の資料がウェブ化されます。
株主総会参考書類
事業報告
計算書類
連結計算書類 など
2023年3月1日に開催される株主総会から、この制度が使われるようになりました。
上場会社をはじめ、公開会社には電子提供制度の導入が義務付けられています。非公開会社も電子提供措置の導入は可能ですが、義務化の対象ではありません。また非公開会社が制度を導入する際は、事前に定款を変更し、その旨を記しておく必要があります。
株主総会資料を電子提供するメリット
株主総会資料を電子提供するメリットは、主に以下の2点です。
企業側のコストや業務負担の削減
株主側の利便性向上
株主総会資料は、すべての株主へ届けなければなりません。そのため郵送時に株主の数が多いと、書面の印刷費や郵送費がかさむうえ、資料の準備や封入、宛名書きなどの業務が負担となってしまいます。その点電子提供を導入すれば、こうしたコストや業務負担の軽減につながります。
株主側の大きなメリットは、利便性が高まる点。スマホやパソコンからいつでも株主総会資料を閲覧できるようになりますし、資料の保管や処分に悩むこともなくなります。資料が届かなくて困るといったトラブルも減るでしょう。
株主総会資料を電子提供する際の注意点
電子提供の注意点は、サーバーダウン等の影響で「電子提供措置の中断」が発生するリスクがあること。株主総会資料の閲覧期間中に、正しい情報が見られない「中断」が発生した場合、株主総会決議の取り消し事由に該当する可能性があります。
ただし以下すべての条件に該当すれば、効力に影響を及ぼさないと判断されます。
中断にあたって企業に重大な過失がない、あるいは正当な事由がある
中断期間の合計が電子提供措置期間の1/10を超えていない
中断期間の合計が措置開始日から株主総会までの期間の1/10を超えていない
企業が中断後すぐに中断期間やその内容を公表した
中断を起こさないためにも、セキュリティ体制を整えておきましょう。
株主総会招集通知は電子提供制度でも書面交付が原則
電子提供制度を導入していても、議決権行使書と株主総会招集通知については書面交付が原則です。公開企業であれば株主総会の2週間前までに、投票制度を採用していない非公開企業であれば1週間前までに発送しなければなりません。
議決権行使書は、文字通り株主総会にて議決権を行使するための書類です。総会に出席する場合は持参し、出席できない場合は郵送やオンライン提出を行いましょう。
一方で株主総会招集通知書面には、次の内容を記載します。
株主総会の日時、場所
株主総会を開催する目的
議決権を行使する方法
株主総会資料へアクセスするためのURL
このほか、必要に応じて株主総会の補足資料等を添付するケースもあります。
株主総会招集通知書の電子化には株主の承諾が必要
株主総会招集通知を書面で交付する場合、電子提供制度の導入後も郵送業務が残ってしまいます。ペーパーレス化を進めたい企業は、株主総会招集通知の電子化を進めるとよいでしょう。
ただし公開会社、ならびに投票制度や取締役会を導入している非公開会社であれば、電子化を進める前に株主の承諾を得る必要があります。個別の承諾が得られた時点で、メールやウェブサイト等の電磁的方法で招集通知を出せるようになりますよ。もし承諾が得られなければ、従来どおり書面で通知してください。
一方で投票制度や取締役会がない非公開会社には、もともと書面での通知義務がありません。そのため特に手続きを踏まなくとも、電磁的方法で通知可能です。
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株主総会招集通知 電子化に関するQ&A
最後に、株主総会招集通知の電子化や電子提供制度に関してよくある質問に回答していきます。
Q1)株主がインターネットを使えない場合はどうする?
電子提供制度においては、インターネットでの資料取得が困難な株主を対象に書面交付請求が認められています。これは株主が書面交付請求書を提出することで、従来どおり株主総会資料の書面交付が受けられるというもの。必要な人は、株主総会の基準日までに書面交付請求手続きを済ませましょう。
書面交付請求は発行会社(株主名簿管理人)、あるいは証券会社で行います。証券会社によって手数料が異なるので、利用する人は事前に確認しておくと安心です。
また書面交付においては、事業報告に係わる監査報告をはじめ記載を省略できる項目もあります。
Q2)電子提供措置を行う期間はいつからいつまで?
株主総会資料の電子提供措置期間は、株主総会の3週間前か招集通知を発行する日のいずれか早いほうから始まります。措置期間が終了するのは、株主総会から3カ月を経過する日です。
なおこの期間で中断が発生した場合、「適切に電子提供措置が行われなかった」と判断される可能性があるため注意しましょう。
Q3)株主総会の招集通知テンプレートはダウンロードできる?
株主総会の招集通知を作成する際は、テンプレートを利用すると効率的です。招集通知のテンプレートを提供しているウェブサイトには、たとえば以下があります。
bizocean(ビズオーシャン)
マイ法務
[文書]テンプレートの無料ダウンロード など
なかには登録が必要なサイトもありますが、無料で利用できるためうまく活用するとよいですね。必要に応じて加筆・修正しながら、必要事項を抜け漏れなく伝えるようにしてください。
電子提供制度で株主総会を効率よく開催しよう
本記事では、改正会社法に基づく株主総会資料の電子提供制度の概要や、株主総会招集通知の電子化等について解説しました。
近年のペーパーレス化やデジタル化の進行に伴い、株主総会の手続きも変化しています。今回お伝えした電子提供制度や株主向けの電子交付制度は、企業側・株主側ともにメリットのある制度です。うまく活用していきましょう。
また株主総会に限らず、会社としてペーパーレス化や業務効率化を進めたければ、クラウド私書箱・メールメイトがおすすめです。メールメイトの主な機能は、紙の郵便物をデータ化した状態で管理できる点。電子メールと同じように扱えるため、郵便物管理の手間も大きく減らせますよ。ぜひお試しください。
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