介護離職の解決策を紹介|適切な情報提供・支援制度を活用しよう
「介護離職の解決策を探している」
「従業員の介護と仕事の両立を支援するには何が必要?」
「介護離職を防止するためにできることは?」
この記事は、上のようなお悩みを抱えている方に向けて書かれています。
本記事では、介護離職とは何か、介護離職増加の現状とその理由、そして3つの解決策をご紹介いたします。
労働者の介護離職を防止、サポートをしたい人事部の方は、ぜひ参考にしてください。
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介護を理由とする離職者は増加傾向
近年の社会問題の一つに、介護離職の増加が挙げられます。
日本では高齢者の人口が増えているため、それに伴って要介護者の増加が見られています。
厚生労働省も介護離職を防ぐため、そして仕事と介護の両立支援のために、さまざまな政策を進めています。
ただ、介護離職の問題は今後も続くと考えられています。
介護離職とはどんな問題で、現在どんな状態になっているのか知っておきましょう。
そもそも介護離職とは何か
介護離職とは、主に家族の介護を理由に離職することです。
家族が要介護状態になり、食事や排せつ面でもサポートをする場合、日中の介護も必要になるでしょう。
こうなると仕事と介護の両立が困難になるため、介護離職の決断をするケースも少なくありません。
令和3年に厚生労働省が行った雇用動向調査結果によると、女性の0.3%、男性の0.1%が介護離職をしています。
特に介護離職の割合が高いのは55〜59歳で、主に40〜50代に多い傾向です。
介護離職は介護者自身の負担を増やし、新たな問題を生むことがあるため、社会問題として注目されています。
参考:雇用動向調査結果の概要
データから見る介護離職の現状
就業構造基本調査によると、介護・看護のために離職した従業員は、2007年から2022年の間で14.5%から10.6%へと減少しています。
ただし2017年の9.9%までは減少を続けていたものの、2017年から2022年にかけて増加している点は見逃せません。
一方、厚生労働省の報告によると、介護を始めてから介護離職に至るまでの期間は、「1年以上」という回答が最も多くなっています。
引用:令和元年度仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業 報告書
そして介護離職してからは、精神的・肉体的には50%超、経済的には70%近くが「負担が増えた」と回答しています。
引用:令和元年度仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業 報告書
また、企業が仕事と介護の両立支援制度を整えておらず、適切な支援が受けられないまま介護離職に至ったケースもあります。
参考:令和4年就業構造基本調査
介護離職が増えている理由
仕事と介護を両立させるのは難しいですが、介護のために仕事をやめなければならないのは残念ですよね。ここでは従業員の介護離職が増えている理由について考えていきましょう。
少子高齢化が続いている
内閣府の発表によると、令和24年には65歳以上の人口がピークを迎えると考えられています。
日本は長らく少子高齢化が続いていますが、終息はまだ先のようです。
少子高齢化が続くと、要介護者が増える一方で、介護者は減少していきます。
そして介護者が不足すると、「家族のなかで介護を担えるのは自分だけ」という状況に陥る人が増えるでしょう。
結果として仕事と介護の両立ができずに、介護離職につながるのです。
参考:令和4年版高齢社会白書
在宅介護が推進されている
厚生労働省は「できる限り、住み慣れた地域で必要な医療・介護サービスを受けつつ、安心して自分らしい生活を実現」するために、在宅医療・在宅介護を推進しています(引用:在宅医療・介護あんしん2012)。
さらに、特養の入居基準に満たない、要介護者が増加しています。要介護認定者(644万人)のうち、要介護未満は65%(419万人)で、在宅介護を選択する高齢者が増加しているとされています(介護離職の現状と課題 大和総研)。
また要介護者自身が在宅介護を望んでいる場合や、金銭面から在宅介護を選択する場合もあるでしょう。
その結果、在宅介護における平均介護度は上がっています。平均介護度が高いほどこまめなケアが必要となるので、「体力的に厳しい」「仕事の責任が果たせない」と感じる介護者が増えてしまいます。これも一つの介護離職の問題といえるでしょう。
介護者の負担が大きい
介護者には大きくわけて4種類の負担がかかります。
肉体的負担
精神的負担
経済的負担
時間的負担
特に仕事と介護をしていると、時間的負担は大きいでしょう。寝不足が続けば肉体的・精神的にも負担が大きくなります。こうした負担を減らすには、家族や企業の理解、支援が欠かせません。
ただ、企業が仕事と介護の両立支援制度を整えていても、従業員が制度の理解をしていないケースもあります。すると負担が大きくなり、介護離職につながってしまうのです。
「介護に専念しないと」という思い込み
介護離職者の離職理由の1つに、「仕事と介護を両立することは不可能」「介護に専念するほかない」という思い込みがあります。
このような思い込みから、誰にも相談できずに仕事を辞めてしまうケースがあります。
労働者が家族の介護をしながら仕事も続けるためには、労働者のみではなく会社全体で介護についてやチームワークについてのセミナーの受講などを通して働きやすい環境・制度の整備していく必要があります。
介護離職してから負担が増えることもある
仕事と介護の両立の難しさから介護離職を決めたものの、結果として介護者の負担が増えることも珍しくありません。介護者自身の負担が増えるだけでなく、企業にとっても従業員が離職することでデメリットが生じます。詳しく見ていきましょう。
介護離職者は金銭的負担が重くなる
大きな負担となるのが、収入の減少です。
退職金や年金も含めた生涯年収が減るうえに、キャリアが途絶え、再就職も難しくなります。
さらに介護における金銭的負担も大きいです。
紙おむつや防水シーツなどの消耗品代をはじめ、月々の自己負担額はおよそ7万円といわれています。
またバリアフリー化や介護ベッドの導入をした場合など、数十万円単位でお金がかかることもあります。
収入は減るのに支出が増えるため、「介護離職による金銭的負担が増した」と感じる人が多いのです。
社会とのつながりがなくなり孤独感を感じる
介護には悩みや不安がつきものですが、第三者に相談できないこともあるでしょう。
特にこれまで仕事をしてきた人にとっては、「突然社会とのつながりがなくなった」と孤独感を感じるケースも多いです。
その一方で、要介護者との距離は近くなります。
そのなかで意思疎通がうまくいかない苛立ちや、家族の協力が得られないストレスなどを感じることがあるかもしれません。こうした精神的負担が重くなると、介護うつを発症する可能性もあります。
従業員の介護離職は企業にとっても損失となる
介護離職をする従業員の多くは40代〜50代です。
こうした中堅の従業員に辞められてしまうと、企業にとっても大きな損失といえるでしょう。
内閣府の報告によると、介護離職による経済全体の損失は、年間で6,500億円にも及びます。
これを受けて、政府は2015年9月に「介護離職ゼロ」を目指して仕事と介護の両立ができるように各種サービスや施策の整備を進めています。
一方、企業の介護支援制度を利用している従業員は、1割程度にとどまっています。
「自分の仕事を代わってくれる人がいない」という理由から、介護支援制度を使うことなく、介護離職を選ぶ従業員も多いです。
そのため企業は介護支援制度を利用しやすい環境作りをしなければなりません。
参考:介護離職の現状と課題
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介護離職しないために知っておきたい3つの解決策
仕事と介護の両立は負担が大きいですが、介護離職をしたからといって問題が解決するとは限りません。介護離職をした後は、再就職のハードルも上がってしまいます。
一方で介護離職をした方のなかには、自分が受けられる介護支援制度について知らなかった方も多いです
ここでは介護と仕事を両立する際に役にたつ介護離職防止策をご紹介いたします。従業員へ適切な情報提供を行うなどして支援体制を整えておきましょう。
解決策①介護支援制度を利用する
介護離職者の離職率改善を目標として、政府は介護支援制度を用意しています。従業員が介護支援制度を利用する場合、職場には介護をしている旨を伝える必要があります。
育児・介護休業法では介護を理由とした減給や降格が禁止されているため、介護休業を取得した等の理由で、従業員の不利益につながることはありません。安心して相談してください。
介護休業制度:要介護状態の家族の介護に専念するために年間93日まで休業できる
介護休暇:要介護状態の家族を介護するために年間5日まで休暇がとれる
所定外労働時間の制限:労働者が要介護状態にある対象家族を介護するために申請した場合、会社は所定外労働を免除しなければなりません。1回につき、1か月以上1年以内の期間利用可能で、回数の制限はありません。
介護休業給付:家族を介護するために休業した雇用保険の一般被保険者に最長3ヶ月間介護休業給付金が支給されます。支給額は、休業開始時賃金日額×支給日数×60%です。
参考:育児・介護休業法の概要
このほか企業によっては、従業員が介護と仕事を両立できるよう、短時間勤務やフレックスタイム、時差出勤などを認めているケースもあります。一度確認してみるとよいでしょう。
解決策②地域にある介護支援サービスを活用する
地域にも多くの介護支援サービスが整備されています。
訪問介護:ホームヘルパーが自宅に来て介護を行う
デイサービス:要介護者が施設に通って介護を受ける
ショートステイ:要介護者が規定の日数だけ入所し、介護を受ける
グループホーム:認知症の利用者が5~9名で入所し、介護を受ける
ほかにも訪問入浴や通所リハビリ、福祉用具の貸与など、介護保険法に基づくサービスは全部で26種類・54サービスもあります。
介護レベルによって使えるサービスは変わるので、自治体のホームページなどで確認し、利用を検討してみましょう。
解決策③介護者の相談相手を確保する
介護者自身のメンタルケアも重要です。介護者の精神的負担、そして介護うつを避けるためにも、相談できる人がいると安心です。
地域包括支援センター:高齢者や家族の生活をサポートしてくれるので、初めて介護相談をする方におすすめ
自治体の窓口:適切な機関につないでくれるので、介護の相談先に悩んでいる方におすすめ
医療機関:病気やケガの対応もしてくれるので、通院・入院中の方におすすめ
そのほか、社会福祉協議会やボランティア団体なども活用できます。
介護の負担を減らし、介護離職を防ぐためにも、ぜひこうした機関を利用してください。
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労働者の介護と仕事の両立をサポートするにあたり、労働者はテレワークに移行した方が都合の良い場合もあります。
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介護離職者を減らすには、環境整備が必要
以上、介護離職増加の原因、現状、そして解決策についてご紹介いたしました。
介護離職者を減らすには、従業員が相談しやすい環境作り、職場全体の介護に対する理解を深めるためのセミナーなどの実施、介護支援サービスの提供などが必要となっています。
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