個人事業主の帳簿作成はエクセルがオススメ!テンプレートや注意点を解説

最終更新: December 2nd, 2024
個人事業主の帳簿作成はエクセルがオススメ!テンプレートや注意点を解説

『帳簿ってどうやってつけるの?』

『システムが必要?エクセルでいいの??』

そんなお悩みを抱える個人事業主になりたての方、多いのではないでしょうか?結論から申し上げますと『エクセル』で帳簿を付けることをオススメします。

エクセルは無料で使えて、カスタマイズも自由自在、また普段の業務で使用する方も多いため、手軽に帳簿作成を始められる魅力的なツールです。

エクセルなら使い慣れているから帳簿作成も簡単そう‥そう思う方も多いと思いますが、実際には、思わぬ落とし穴がたくさんあることも事実です。

本記事では、個人事業主の方向けに帳簿の基礎知識からエクセルで帳簿を付けるメリットデメリットの詳細、オススメのテンプレートの紹介、知っておきたい注意事項まで、幅広く網羅した内容になっております。

それぞれのポイントを理解したうえで、最適な帳簿作成方法を見つけていきましょう。

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エクセル帳簿の基本

必要な帳簿の種類を把握しよう

個人事業主がエクセルで帳簿を付ける際に、まず押さえるポイントは必要な帳簿の種類です。帳簿には大きく『主要簿』と『補助簿』の2種類があります。

種別

概要

必須or任意

主要簿

起業の財政状況と経営成績を明らかにするためのもの

必須

補助簿

主要簿の内容を補完するためのもの

任意

青色申告特別控除を受けるためには?

青色申告特別控除を受けるためには、一定水準の基調を行い、帳簿に基づく正しい申告が必要になります。帳簿を付けずに青色申告をすると、後に取り消される可能性があり、税制メリットを得られなくなります。きちんと正しい記録を残していれば控除の対象になるということですね。

青色申告特別控除には、最大65万円のものと10万円のものがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

控除額

記載方法

必要な帳簿

詳細

最大65万円

複式簿記※1

仕訳帳、総勘定元帳、必要に応じて補助簿(現金出納帳、預金出納帳、売掛金帳、買掛金帳等)

損益計算書と貸借対照表を作成し、税務署に提出する必要がある。

10万円

単式簿記※2

現金出納帳、預金出納帳、売掛金帳、買掛金帳、固定資産台帳

10万円の控除を受ける場合は、複式簿記より簡易な単式簿記での記帳が必要。

※1 取引を借方と貸方に分けて記録し、お金の流れをより正確に把握する記帳方法のこと。

※2 収入と支出を1つの帳簿に記録する、簡易的な記帳方法のこと。

『損益計算書、貸借対照表って何?』『帳簿の種類がいっぱいあるけどそれぞれどういう役割?』

色んな知らない用語が飛び交い混乱している方もいることでしょう。この記事ではそれらの解説は割愛します。

Excel帳簿のメリット・デメリット

Excel帳簿の導入を検討している方向けに導入前にメリット・デメリットを理解しておきましょう。事前に把握しておくことで、メリットは最大限に生かして、デメリットを最小限に抑えることで、より効率的にExcel帳簿を活用できるようになります。では早速見ていきましょう。

メリット

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①導入・運用コストがかからない

何かを導入するとき、真っ先に『費用』を検討する方は多いのではないでしょうか。ExcelはMicrosoft officeに標準搭載されているソフトウェアです。そのため、Microsoftのアカウントをお持ちで普段の業務で使用している方は追加費用無しで利用することができます。

初期費用、その後の運用コストがかからないことは、個人事業主にとって大きなメリットと言えるでしょう。

②カスタマイズ自由

Excelは、セルやシートを自由に作成・編集できるため、自身の事業に合わせて帳簿をカスタマイズすることが可能です。例えば、売り上げや経費の項目をより詳細なものにしたり、グラフや図表を挿入して視覚的にわかりやすくしたりすることができます。

自由度が高いため、自分好みの設定が可能な点は、業務を行う上で非常にありがたい点ですよね。

③使い慣れたツール

Excelはビジネスシーンで広く利用されているソフトウェアです。皆さんも業務で利用したことある方がほとんどではないでしょうか。

『操作に慣れている』ことは、非常に大きなメリットといえます。新しいシステムを使う際は操作方法を1から学ぶ必要があります。その手間を省くことができるため、比較的容易に帳簿作成に取り組むことが可能です。

デメリット

①手入力によるミスが発生しやすい

Excel帳簿は手入力でデータを入力するため、入力ミスや計算ミスが発生しやすいというデメリットがあります。特に、大量のデータを入力する際には注意が必要です。しかし、数式を工夫したりその他入力の規則を設定する等の工夫で、ミスは減らすことは十分に可能です。

②会計知識が必要

Excel帳簿は、自分で仕分けや計算を行う必要があるため、ある程度の会計知識が必要です。とはいっても高度な知識は不要であり日商簿記3級程度の知識があればいうことはないですが、業務をこなしながら徐々に身に着けていけばいいので特に心配は不要です。

③データの共有が難しい

Excel帳簿は、基本的に1台のPCで作成・管理するため、複数人でのデータ共有が難しい場合があります。データ共有をしたい場合は、クラウドストレージサービス等の利用が必要になります。

会計ソフトとのExcel帳簿の比較

CMでよく会計ソフトの広告を見るけど、そういうのは使わなくていいの?

Excelだけでほんとに大丈夫?

こんな疑問を抱く方も多いでしょう。では、会計ソフトとExcel帳簿の違いを見ていきましょう。

項目

会計ソフト

Excel帳簿

初期費用

有料

無料

ランニングコスト

有料

無料

向いている人

中規模以上の事業者

小規模事業者または個人事業主

法改正への対応

自動アップデートにより常に最新の法令に対応

手動で修正する必要あり

サポート

電話やメールで受けられる

サポート無し

会計ソフトとExcel帳簿のどちらを選択するかは事業規模や会計知識、費用などを考慮して判断する必要があります。

個人事業主や小規模事業者はExcel帳簿で十分に対応可能です。表をみると一見、会計ソフトの方が様々な機能があるためよく見えがちですが、それもすべて費用に含まれていると考えて下さい。個人事業主には不要なサービスが多いです。Excel帳簿で十分だということを理解いただけましたでしょうか。

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エクセル帳簿作成の効率アップ術

無料テンプレートの活用

『いくら業務でExcelを使ってるからといって1から帳簿を作成するのは無理だよ‥』

『そもそもどんなものを作ればいいか見当もつかない‥』

安心して下さい。今はとても便利な時代で、大抵の事はインターネット検索で解決できます。Excel帳簿に関してもたくさんの情報がネット上にあります。

その中でも、まずオススメしたいのが『無料テンプレート』の活用です。Excel帳簿 テンプレート で検索すると様々な種類の帳簿テンプレートが無料でダウンロードできます。これらのテンプレートを活用することで帳簿作成の手間を大幅に削減できるでしょう。

合わせて読みたい:無料で使える!帳簿テンプレートの活用法と無料テンプレート5選 | MailMate

オススメテンプレート

①弥生会計

弥生会計

出典:【無料】個人事業主向けの帳簿テンプレート(Excel形式) - 弥生株式会社【公式】

一つ目にご紹介するのは、『弥生会計』のHPからダウンロードできる帳簿です。

弥生会計は、個人事業主から大企業まで、幅広いユーザーに利用されている人気の会計ソフトを販売している会社です。CMや広告等で見たことある方も多いのではないでしょうか?

そんな会計ソフトの有名企業が、個人事業主向けにたくさんの無料Excel帳簿を公開しています。

ダウンロードできる帳簿一覧

・総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛長、経費帳、白色申告用簡易帳簿

おすすめポイント

・会計ソフトを販売する大手有名企業が作成したテンプレートなので安心

・ダウンロードできる帳簿の種類が多い。

・シンプルかつ必要十分な内容で、操作しやすい

特に、こだわりがない方や何が良いかわからない方はこちらをご利用いただければ間違いないです。検索上位に表示されていることから人気も高く、皆さん使われていることがわかります。

②MoneyForward

MoneyForward

出典:【税理士監修】帳票テンプレート集(エクセル・ワード)| 会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」

2つ目に紹介するのはこちらも会計ソフトを販売している大手企業『Money Forward』です。先ほど紹介した弥生会計と同じくらいの知名度を誇る人気会計ソフトを取り扱う会社です。

ダウンロードできる帳簿一覧

・伝票、仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、管理庁、総勘定元帳、集計表、キャッシュフロー計算書、損益計算書、決算報告書、貸借対照表

おすすめポイント

・Excelのみならず、Wordでも一部ダウンロード可能

・損益計算書や貸借対照表もダウンロード可能なため、青色申告特別控除を考えている方にオススメ

こちらのテンプレは何といってもダウンロード可能な帳簿の種類の多さが魅力です。青色申告特別控除を受けたいと考えている方はこれ一択になります。必ず、貸借対照表と損益計算書の作成をしましょう。

③freee

freee

出典:現金出納帳をエクセルで作成する方法(無料テンプレート付き) | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee

こちらも会計ソフトを販売する大手企業の『freee』です。

ダウンロードできる帳簿一覧

・貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、試算表、総勘定元帳、現金出納帳、仕訳帳等

おすすめポイント

・帳簿一つ一つ丁寧に作成方法が記載されている

・登録なしで即ダウンロード可能

こちらのHPを見ていただければわかりますが、1帳簿で1記事のボリュームがあり、概要から作成方法、注意点に至るまで非常に細かく説明されているため、会計知識がない方でも安心して作成できます。

また、ダウンロードの際は、ダウンロードボタンを押すだけですぐにダウンロードが可能なため、手っ取り早く始めたい方にもオススメです。

以上、オススメテンプレートを3つ紹介しました。いずれも会計ソフトを扱う大手企業が出しているものなので、安心してお使いいただけます。

なぜテンプレートを使うべきなのか

個人事業主にとって、帳簿作成は税務上必須の業務です。しかし日々の業務に追われ、帳簿作成に十分な時間を割けない方も多いのではないでしょうか。そこで皆さんの救世主となるのが『テンプレート』なのです。以下、テンプレートを活用するメリットを5つ紹介します。

①時間と労力の削減

これまで紹介したテンプレートをダウンロードしていただければわかりますが、テンプレートには必要な項目があらかじめ設定されています。そのため、ゼロから帳簿を作成する手間が省け、入力作業に集中することができます。本業に注力したい皆さんにとってはかなりうれしいポイントですよね。

②正確性◎

手書きや自作の帳簿では、入力ミスや計算ミスが発生しやすくなります。一方テンプレートでは入力項目が統一され、計算式もあらかじめ組み込まれているため、ミスを減らすことができます。正確な帳簿作成は税務調査時にも安心材料となります。

③法律の準拠

後ほど軽く触れますが、電子帳簿保存法など、帳簿に関する法律は複雑化しています。テンプレートの中にはこれらの法律に対応したものが多く、要件を満たした帳簿作成をサポートしてくれます。最新の法令に対応したものを選ぶには、作成日に注目しましょう。できるだけ作成日が最近のものを選ぶことが重要です。

④簿記知識の補完

皆さん、心配な方も多い『簿記の知識』に関して、テンプレートを活用することで、簿記の知識がなくても比較的簡単に帳簿を作成することができます。テンプレートは、勘定科目や仕訳のルールを視覚的に理解する助けにもなります。もちろん、簿記の基礎知識を学ぶことは重要ですが、テンプレートは学習の負担を軽減する効果も期待できます。

⑤確定申告の準備をスムーズに

テンプレートで作成した帳簿は、確定申告の準備にも役立ちます。必要な情報を整理された状態で記録できるため、確定申告書への転記作業がスムーズになります。

このように、個人事業主にとってテンプレートの活用は様々なメリットがあります。

Excel帳簿の知っておきたい注意点

帳簿は7年間保存が必要!

account book

帳簿の保存期間が定められていることをご存じですか?

『え?とりあえず前年分までは一応とってあるけどそれより前は捨てちゃったよ‥』

こんな方もいるかもしれませんが、ここで今一度きちんと確認しておきましょう。

個人事業主の場合、青色申告・白色申告にかかわらず、帳簿は確定申告の翌日から7年間保存しなければなりません。つまり確定申告の対象となる年の翌年の3月15日(確定申告期限日)の翌日から7年間です。

例を挙げると令和6年分の帳簿であれば、令和14年3月16日まで保存する必要があるということです。

なぜ7年間も保存しなければいけないかというと、税務調査が入った際に帳簿の提示を求めれられる可能性があるからです。

もし、税務調査が入った際に提示を求められた帳簿を保存していなかった場合は、ペナルティが課せられる可能性がありますので十分注意してください。

電子帳簿保存法の対象になる

『電子帳簿保存法?聞いたことないけど何それ‥』

電子帳簿保存法とは‥国税関係帳簿や書類を電子データとして保存するための要件を定めた法律のこと。つまり、請求書や領収書などを電子データでやり取りした場合は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存が必要となります。

Excelで帳簿を作成する個人事業主は電子帳簿保存法への対応を十分理解しておく必要があります。2024年1月から電子取引のデータ保存が完全義務化されるため、エクセル帳簿を適切に保存しないと、税務調査でペナルティを受ける可能性があります。

また、ただ電子データで保存すればいいのでなく、保存要件を満たした状態での保存が必要になります。具体的には『可視性の確保』と『真実性の確保』の両方を満たす必要があります。

可視性の確保‥電子取引データを取引年月日、取引金額、取引先の3つの項目で検索できる状態であること

真実性の確保‥電子データは紙データと比べて改ざんされるリスクが高いため、改ざんを防止するための措置を講じる必要があること

ここまで聞いて、よくわからないという方も多いと思います。電子帳簿保存法の詳細はここでは割愛しますが、対応が必要だということだけきちんと覚えておいてください。詳細が気になる方は国税局のホームページをご覧ください。

税務調査の事前対策

Preparation for tax audits

税務調査って何されるの?

事前に準備できることないかな‥

『税務調査』と聞くとなんだか怖いイメージですよね。しかし、実際はそれほど身構える必要はありません。税務調査では、主に帳簿の内容と、その裏付けとなる書類の整合性がチェックされます。

つまり、帳簿に記載されている内容が、領収書や請求書などの書類によって証明できるかどうかが重要になります。

わかりやすく例を挙げてみていきましょう。

例えば、帳簿に「旅費交通費」として5万円が計上されている場合、税務調査官は「この5万円の根拠となる資料を見せてください」と質問してくるでしょう。この時、領収書と帳簿を突き合わせて、5万円の内訳を説明できなければなりません。

ただこれは何も難しいことではありません。普段からきちんと正確に帳簿を付けることができているなら、何の問題もなく証拠を淡々と提示するだけで税務調査は終わります。

特別何か事前準備が必要かと言われたら「不要」という答えになります。あえて言うなら、きちんと正しく帳簿を付け続けていくことが重要です。

まとめ

今回は個人事業主にとってエクセル帳簿が最適であること、テンプレートを活用することで、効率的にかつ法令に遵守した安心安全な帳簿作成が可能になることを説明しました。

会計・簿記の知識が全くない方でも、比較的に簡単に始められるため、多くの方がExcelテンプレートを活用しています。

皆さんもぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。

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数ある帳簿の中でも大変なものの一つが『経費管理』です。レシートや領収書をすべて管理する必要があり、電子帳簿保存法等の法令の対応も併せて行わなけれななりません。

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これにより手作業の入力作業や、管理漏れ等のミスが減り、経費管理が大幅に改善するでしょう。

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