個人事業主の帳簿エクセルテンプレート|申告別の作り方と2027年改正
『帳簿ってどうやってつけるの?』
『システムが必要?エクセルでいいの??』
そんなお悩みを抱える個人事業主になりたての方、多いのではないでしょうか?結論から申し上げますと、白色申告者・10万円控除を受ける方・取引が少ない方は、『エクセル』で帳簿を付けることをオススメします。
エクセルはすでに使っていれば追加費用なしで使えて、カスタマイズも自由自在、また普段の業務で使用する方も多いため、手軽に帳簿作成を始められる魅力的なツールです。
エクセルなら使い慣れているから帳簿作成も簡単そう‥そう思う方も多いと思いますが、実際には、思わぬ落とし穴がたくさんあることも事実です。
本記事では個人事業主の方向けに、帳簿の基礎知識からエクセルで帳簿を付けるメリット・デメリットの詳細、オススメのテンプレートの紹介、知っておきたい注意事項まで、幅広く網羅した内容になっております。
2026年11月時点の最新情報にもとづき、青色申告特別控除やe-Tax、電子帳簿保存法に関する内容を更新しています。
それぞれのポイントを理解したうえで、最適な帳簿作成方法を見つけていきましょう。
AIを駆使した経理精算ソフトウェアで、作業時間を大幅に短縮できます!紙やエクセルでの管理とはおさらばしましょう👋
エクセル帳簿の基本
個人事業主がエクセルで帳簿を付ける際に、まず押さえるポイントは必要な帳簿の種類です。帳簿には大きく『主要簿』と『補助簿』の2種類があります。
種別 |
概要 |
必須or任意 |
|---|---|---|
主要簿 |
企業の財政状況と経営成績を明らかにするためのもの |
必須 |
補助簿 |
主要簿の内容を補完するためのもの |
任意 |
主要簿・補助簿の具体例
主要簿にあたるのは「仕訳帳」と「総勘定元帳」です。これに対して補助簿は、事業形態や業種によって必要な種類が変わります。代表的なものは以下の通りです。
現金出納帳(金銭出納帳):現金の入出金を日付ごとに記録する会計帳簿
預金出納帳:銀行口座の入出金を記録する帳簿
売掛帳:売上のうち未回収分(後日受け取った代金)を管理する帳簿
買掛帳・仕入帳:仕入や外注費など、支払いが後日になる取引を管理する帳簿
固定資産台帳:パソコンや車両など、一定額以上の固定資産を管理する帳簿
小売業や在庫を持つ事業では仕入帳、サービス業では現金出納帳や預金出納帳が中心になるなど、自分の事業形態に合った補助簿を選ぶことが、帳簿付けを続けやすくするコツです。
申告区分別:個人事業主に必要なエクセル帳簿と青色申告特別控除
個人事業主に必要なエクセル帳簿の種類は、白色申告か青色申告か、青色申告の場合はどの控除を受けるかによって決まります。特に青色申告特別控除を受けるためには、一定水準の記帳を行い、帳簿に基づく正しい申告が条件です。帳簿を付けずに青色申告をすると、後に取り消される可能性があります。
令和9年分(2027年分)からは控除額が変わるため、まずは自分がどれに当たるかを確認しましょう。
申告区分 |
記帳方法 |
必要な帳簿 |
令和8年分まで |
令和9年分から |
|---|---|---|---|---|
白色申告 |
簡易な記帳 |
売上・仕入・経費を記録する帳簿(法定帳簿) |
控除なし |
控除なし |
青色申告 |
簡易簿記 |
現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳 |
10万円 |
10万円※2 |
青色申告(書面申告) |
複式簿記 |
仕訳帳、総勘定元帳、必要に応じて補助簿 + 損益計算書・貸借対照表 |
55万円※3 |
10万円 |
青色申告(e-Tax申告) |
複式簿記 |
同上 |
65万円 |
65万円 |
青色申告(e-Tax申告+優良な電子帳簿またはデジタルシームレス保存) |
複式簿記 |
同上 |
65万円 |
75万円 |
※1 55万円・65万円・75万円の控除は、いずれも期限内の申告が条件です。
※2 前々年の事業所得等の収入金額が1,000万円を超える場合は受けられません。
※3 令和8年分までは、書面申告でも仕訳帳・総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存すれば65万円です。
【白色申告】売上・仕入・経費を1冊にまとめる
白色申告では、売上などの収入と、仕入・経費について「取引の年月日」「相手方の名称」「金額」を記録します。経費は、給料賃金、外注工賃、減価償却費、貸倒金、地代家賃、利子割引料、その他の経費に分けて記載します。
エクセルなら、1行目に「月日・摘要・売上・雑収入等・仕入・経費(科目ごとの列)」を並べた1枚のシートで足ります。少額の現金売上や、納品書の控えなどで内容を確認できる取引は、1件ずつではなく日々の合計額をまとめて書くこともできます。
【青色申告(10万円控除)】5つの簡易帳簿を用意する
10万円控除なら、複式簿記ではなく簡易簿記で記帳できます。標準的な帳簿は、以下5つです。
現金出納帳
売掛帳
買掛帳
経費帳
固定資産台帳
ただし掛取引がなければ売掛帳・買掛帳、減価償却する資産がなければ固定資産台帳は省けます。
現金出納帳は「月日・摘要・入金(現金売上/その他)・出金(現金仕入/その他)・現金残高」の列を作り、取引のたびに1行ずつ記入します。事業用の預金口座がある場合は、同じ形の預金出納帳も作っておくと集計が楽になります。
なお令和9年分からは、前々年の事業所得等の収入金額が1,000万円を超えると、簡易簿記の10万円控除は受けられなくなります。売上が伸びてきたら、複式簿記への切り替えを検討しましょう。
【青色申告(65万円・75万円控除)】仕訳帳と総勘定元帳を作る
65万円以上の控除を受けるには、すべての取引を仕訳帳に借方・貸方で記録し、勘定科目ごとに総勘定元帳へ転記します。仕訳帳における基本の列は、「日付・借方科目・借方金額・貸方科目・貸方金額・摘要」。そのうえで損益計算書と貸借対照表を作り、確定申告書に添付します。
【令和8年分まで】65万円控除にはe-Taxまたは優良な電子帳簿保存が必須
注意したいのは、複式簿記で仕訳帳・総勘定元帳をつけて決算書を提出するだけでは、65万円控除の対象にならないという点です。2020年分から2026年分(令和8年分)の確定申告までは、e-Taxで申告するか、仕訳帳・総勘定元帳を国税庁が定める「優良な電子帳簿」の要件で電子保存することが追加要件となります。
追加要件を満たさず、書面で申告した場合は、控除額が55万円になります。エクセルで作成した仕訳帳・総勘定元帳をそのまま書面で申告している個人事業主の方は、一度確認しておくと安心です。
【令和9年分から】控除要件が変わるので注意
令和9年分(2027年分)からはルールが変わり、書面申告の控除額が10万円に引き下げられます。65万円控除を受けるには、e-Taxでの電子申告が必須となり、さらに優良な電子帳簿かデジタルシームレス保存を行う場合、75万円まで控除額が上がります。
ただしエクセルは訂正や削除履歴が残らず、通常「優良な電子帳簿」とは認められないので注意が必要です。75万円控除を目指す場合は、JIIMA認証を受けた会計ソフトを検討しましょう。判断に迷う場合は税理士に相談するのがおすすめです。
消費税の課税事業者は「税率」「インボイス」の列も追加する
課税事業者になったら、どの帳簿にも以下2つの列を追加します。
税率:軽減税率の対象かどうか。対象の取引には摘要欄に「※」などの記号を付け、欄外に「※は軽減税率対象」と書く方法も認められています。
インボイス:仕入・経費の相手がインボイス発行事業者かどうか。発行事業者以外からの仕入は、経過措置で控除できる割合が段階的に下がるため、取引日と合わせて区別できるようにします。
現在の軽減税率は8%ですが、令和9年4月から2年間、飲食料品の消費税率引き下げが予定されています。そのため税率を選べるプルダウンにしておくと、対応しやすくなります。
なお簡易課税制度や2割特例(個人事業主は令和8年分まで)を使う場合は、仕入・経費の区分経理は不要です。
エクセル帳簿のメリット・デメリット
エクセル帳簿の導入を検討している方は、導入前にメリット・デメリットを理解しておきましょう。事前に把握しておくことで、メリットは最大限に生かしてデメリットを最小限に抑え、より効率的にエクセル帳簿を活用できるようになります。では早速見ていきましょう。
メリット
①すでに使っていれば追加費用なし
何かを導入するとき、真っ先に『費用』を検討する方は多いのではないでしょうか。ExcelはMicrosoft officeに標準搭載されているソフトウェアです。そのため、普段の業務で使用している方は追加費用無しで利用することができます。
すでに使っている場合は追加費用がかからないことは、個人事業主にとって大きなメリットと言えるでしょう。
②カスタマイズ自由
Excelは、セルやシートを自由に作成・編集できるため、自身の事業に合わせて帳簿をカスタマイズすることが可能です。例えば、売り上げや経費の項目をより詳細なものにしたり、グラフや図表を挿入して視覚的にわかりやすくしたりすることができます。
自由度が高いため、自分好みの設定が可能な点は、業務を行う上で非常にありがたい点ですよね。
③使い慣れたツール
Excelはビジネスシーンで広く利用されているソフトウェアです。皆さんも業務で利用したことある方がほとんどではないでしょうか。
『操作に慣れている』ことは、非常に大きなメリットといえます。新しいシステムを使う際は操作方法を1から学ぶ必要があります。その手間を省くことができるため、比較的容易に帳簿作成に取り組むことが可能です。
デメリット
①手入力によるミスが発生しやすい
エクセル帳簿は手入力でデータを入力するため、入力ミスや計算ミスが発生しやすいというデメリットがあります。特に、大量のデータを入力する際には注意が必要です。しかし、数式を工夫したりその他入力の規則を設定する等の工夫で、ミスは減らすことは十分に可能です。
また、帳簿付けを月末にまとめて行うと記憶があいまいになりミスが増えやすいため、取引が発生した都度、または毎日少しずつ記帳する習慣をつけると正確性が向上します。
②会計知識が必要
Excel帳簿は、自分で仕分けや計算を行う必要があるため、ある程度の会計知識が必要です。とはいっても高度な知識は不要であり日商簿記3級程度の知識があればいうことはないですが、業務をこなしながら徐々に身に着けていけばいいので特に心配は不要です。
③データの共有が難しい
エクセル帳簿は、基本的に1台のPCで作成・管理するため、複数人でのデータ共有が難しい場合があります。データ共有をしたい場合は、クラウドストレージサービス等の利用が必要になります。
会計ソフトとエクセル帳簿の比較
CMでよく会計ソフトの広告を見るけど、そういうのは使わなくていいの?
エクセルだけでほんとに大丈夫?
こんな疑問を抱く方も多いでしょう。では、会計ソフトとExcel帳簿の違いを見ていきましょう。
項目 |
会計ソフト |
Excel帳簿 |
|---|---|---|
初期費用 |
有料 |
すでに使っていれば追加費用なし |
ランニングコスト |
有料 |
すでに使っていれば追加費用なし |
向いている人 |
中規模以上の事業者 |
小規模事業者または個人事業主 |
法改正への対応 |
自動アップデートにより常に最新の法令に対応 |
手動で修正する必要あり |
サポート |
電話やメールで受けられる |
サポート無し |
会計ソフトとエクセル帳簿のどちらを選択するかは事業規模や会計知識、費用などを考慮して判断する必要があります。
個人事業主や小規模事業者は、エクセル帳簿で十分に対応可能です。表をみると一見、会計ソフトの方が様々な機能があるためよく見えがちですが、それもすべて費用に含まれていると考えて下さい。個人事業主には不要なサービスが多いです。
エクセル帳簿で十分だということを理解いただけましたでしょうか。ただデスクトップ版のExcelは有料なので、まだ使っていない人はWeb版のExcelやGoogleスプレッドシートを試してみるとよいでしょう。
エクセル帳簿から会計ソフトへ移行すべきタイミングの目安
「今はエクセルで十分」という方でも、事業が成長すれば会計ソフトへの移行を検討すべき時期がきます。取引件数が増えた、あるいは月次決算(月々の集計や見直し)に時間がかかるようになったら、会計ソフトへの移行を検討してもよいでしょう。また複数の事業(事業形態が個人事業主から法人化する場合や、部門・店舗が複数ある場合)は、会計ソフトの方が管理しやすくなります。
そして課税期間の基準期間(個人事業者は前々年)、あるいは前年1~6月(特定期間)における課税売上高が1,000万円を超える事業者(特定期間は給与等の支払額で判定することも可能)や、インボイス登録をしている事業者は、課税事業者として扱われます。課税事業者になると消費税に関する集計・仕訳も必要になるため、この売上規模を目安に移行を検討する事業者も多いです。
会計ソフトへ移行するなら、データを引き継ぎやすい年度の変わり目(確定申告が終わったタイミングなど)に行うのが比較的スムーズです。
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【記入例あり】エクセル帳簿の付け方:作り方3ステップ
ここでは白色申告や、青色申告の10万円控除を想定し、エクセルで帳簿を作る手順をご紹介します。テンプレートを使う場合も、仕組みを知っておくことで自分の事業に合わせた修正がしやすくなります。
ステップ1)シートと列を用意する
まずはブックに次の3シートを作ります。
取引入力:すべての取引を1行1件で入力するシート
科目別集計:勘定科目ごとに月別の合計を出すシート
勘定科目リスト:プルダウンの選択肢にする科目一覧
「取引入力」シートの1行目には、A列から順に「日付・区分(収入/支出)・勘定科目・取引先・内容・金額・支払方法(現金/預金/カード)」の見出しを入れます。消費税の課税事業者は、「税率」「インボイス」の列も追加してください。
また表記ゆれや入力ミスを減らすため、「勘定科目」「支払方法」の列は、「データの入力規則」を使ってプルダウンメニューを利用するとよいでしょう。
ステップ2)取引を1行ずつ入力する
取引が発生したら、領収書や請求書、通帳を見ながら1行ずつ入力します。
日付 |
区分 |
勘定科目 |
取引先 |
内容 |
金額 |
支払方法 |
|---|---|---|---|---|---|---|
2026/11/2 |
収入 |
売上 |
株式会社A |
10月分デザイン制作 |
110,000 |
預金 |
2026/11/5 |
支出 |
消耗品費 |
家電量販店B |
プリンターインク |
6,600 |
現金 |
2026/11/10 |
支出 |
通信費 |
通信会社C |
10月分スマホ代 |
8,800 |
カード |
2026/11/15 |
支出 |
旅費交通費 |
鉄道会社D |
打合せ往復運賃 |
1,320 |
現金 |
あとから見直したときに分かりやすいよう、「内容」は具体的に記入します。プライベートと兼用の支出(スマホ代など)は、全額を入力しておき、事業で使った割合を年末にまとめて調整する方法もあります。
ステップ3)数式で集計し、月末に残高を照合する
「科目別集計」シートで、A列に勘定科目、1行目に月(1~12の数字)を並べ、B2セルに次の数式を入れて右と下にコピーします。
=SUMIFS(取引入力!F:F,取引入力!C:C,A2,取引入力!A:A,">="&DATE(2026,B1,1),取引入力!A:A,"<"&EDATE(DATE(2026,B$1,1),1))
こうすると勘定科目ごとの月別合計が自動で出ます。確定申告の際は、家事按分や減価償却などの調整をしたうえで、合計額を青色申告決算書や収支内訳書に転記してください。Googleスプレッドシートでも、同じ数式を利用できます。
【注意】月末の確認事項
月末には、必ず以下2点を確認してください。
支払方法が「預金」の取引の合計と、通帳の入出金が一致しているか
手元の現金残高と、帳簿上の現金残高が一致しているか
もしずれがあれば、入力漏れや二重入力の有無をその月のうちに見直します。確定申告の前に慌てないためにも、月ごとのチェックを習慣化しておきましょう。
なお65万円以上の控除を受ける場合は、この取引入力シートとは別に、借方・貸方で記録する仕訳帳と、総勘定元帳が必要です。
エクセル帳簿作成の効率アップ術
『いくら業務でエクセルを使ってるからといって1から帳簿を作成するのは無理だよ‥』
『そもそもどんなものを作ればいいか見当もつかない‥』
そんな悩みをお持ちの方も安心して下さい。今はとても便利な時代で、大抵の事はインターネット検索で解決できます。エクセル帳簿に関しても、たくさんの情報がネット上にあります。
無料テンプレートの活用
まずオススメしたいのが、『無料テンプレート』の活用です。「エクセル帳簿 テンプレート」で検索すると、様々な種類の帳簿テンプレートが無料でダウンロードできます。これらのテンプレートを活用することで、帳簿作成の手間を大幅に削減できるでしょう。
テンプレートを選ぶ際は、ページ内に記載されている「最終更新日」も確認しましょう。エクセルの帳簿テンプレート自体は古くても使えますが、法改正(青色申告の要件変更や電子帳簿保存法など)に対応した解説が付いているかどうかは、最終更新日が新しいページの方が信頼できます。
エクセル帳簿に入れておきたい必須項目
どのテンプレートを使う場合でも、最低限次の項目は入れておきましょう。
日付:取引が発生した日
勘定科目:売上、仕入、消耗品費など、取引の分類
取引先:取引の相手方の名称
取引内容:何のための入出金かがわかるメモ
入出金(金額):受け取った金額・支払った金額
残高:入出金を記録した後の残りの金額
一般的なテンプレートは1行目に「日付・勘定科目・取引先・取引内容・入出金・残高」などの見出しを入れ、2行目以降に日々の取引を1行ずつ入力していく形式になっています。
SUM関数などの自動計算の数式をあらかじめ組んでおけば、入出金を記録するたびに残高が自動的に更新されるため、手計算によるミスも防げます。
オススメテンプレート
ここでは、3つのオススメテンプレートをご紹介します。
①弥生会計|大手有名企業が作成しているので安心
出典:弥生会計
ダウンロードできる帳簿:総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、白色申告用簡易帳簿
インボイス対応版:あり
『弥生会計』は、個人事業主から大企業まで、幅広いユーザーに利用されている会計ソフトの販売会社です。こちらはそのHPからダウンロードできる帳簿で、ダウンロードできる帳簿の種類が多く、操作しやすいのが特徴です。
②MoneyForward|Excel対応だけでなく一部Word対応もあり
ダウンロードできる帳簿:伝票、仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳、総勘定元帳、集計表、キャッシュフロー計算書、損益計算書、決算報告書、貸借対照表
インボイス対応版:記載なし
『Money Forward』の帳簿は損益計算書や貸借対照表もダウンロード可能なため、青色申告特別控除を考えている方におすすめです。貸借対照表や損益計算書をはじめ、ダウンロード可能な帳簿の種類が豊富です。
③freee|登録なしで即ダウンロード可能
ダウンロードできる帳簿:貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、試算表、総勘定元帳、現金出納帳、仕訳帳等
インボイス対応版:記載なし
『freee』の帳簿は、一つ一つ丁寧に作成方法が記載されています。公式サイトでは帳簿の概要から作成方法、注意点に至るまで非常に細かく説明されているため、会計知識がない方でも安心して作成できます。
以上、オススメテンプレートを3つ紹介しました。いずれも会計ソフトを扱う大手企業が出しているものなので、安心してお使いいただけます。さらに帳簿テンプレートについて知りたい方は、「帳簿エクセル無料テンプレート」をご覧ください。
なぜテンプレートを使うべきなのか
個人事業主にとって、帳簿作成は税務上必須の業務です。しかし日々の業務に追われ、帳簿作成に十分な時間を割けない方も多いのではないでしょうか。そこで皆さんの救世主となるのが『テンプレート』なのです。以下、テンプレートを活用するメリットを5つ紹介します。
①時間と労力の削減
これまで紹介したテンプレートをダウンロードしていただければわかりますが、テンプレートには必要な項目があらかじめ設定されています。そのため、ゼロから帳簿を作成する手間が省け、入力作業に集中することができます。本業に注力したい皆さんにとってはかなりうれしいポイントですよね。
②正確性◎
手書きや自作の帳簿では、入力ミスや計算ミスが発生しやすくなります。一方テンプレートでは入力項目が統一され、計算式もあらかじめ組み込まれているため、ミスを減らすことができます。正確な帳簿作成は税務調査時にも安心材料となります。
③法律の準拠
後ほど軽く触れますが、電子帳簿保存法など、帳簿に関する法律は複雑化しています。テンプレートの中にはこれらの法律に対応したものが多く、要件を満たした帳簿作成をサポートしてくれます。最新の法令に対応したものを選ぶには、配布ページの最終更新日を確認しましょう。できるだけ最近のものを選ぶことが重要です。
④簿記知識の補完
皆さん、心配な方も多い『簿記の知識』に関して、テンプレートを活用することで、簿記の知識がなくても比較的簡単に帳簿を作成することができます。テンプレートは、勘定科目や仕訳のルールを視覚的に理解する助けにもなります。もちろん、簿記の基礎知識を学ぶことは重要ですが、テンプレートは学習の負担を軽減する効果も期待できます。
⑤確定申告の準備をスムーズに
テンプレートで作成した帳簿は、確定申告の準備にも役立ちます。必要な情報を整理された状態で記録できるため、確定申告書への転記作業がスムーズになります。
このように、個人事業主にとってテンプレートの活用は様々なメリットがあります。
副業から事業所得への切り替えタイミングにも帳簿が関わる
雑所得と事業所得を判定するのは、その活動が社会通念上「事業」といえる規模かどうかという点。一般的に帳簿の記録・保存があれば、事業所得に区分される場合が多いとされています。
ただし収入が例年300万円以下かつ主たる収入の10%未満である場合や、例年赤字で赤字を解消する取り組みをしていない場合は、個別判断になるケースもあります。
そのため副業を将来的に事業所得として申告し、青色申告特別控除などのメリットを受けたいと考えている方は、収入源としての規模がまだ小さいうちから、エクセルなどで帳簿をつけ始めておくと、切り替えがスムーズに進みやすいでしょう。
エクセル 帳簿の知っておきたい注意点
帳簿の保存期間が定められていることをご存じですか?
『え?とりあえず前年分までは一応とってあるけどそれより前は捨てちゃったよ‥』
こんな方もいるかもしれませんが、ここで今一度きちんと確認しておきましょう。
帳簿は7年間保存が必要!
個人事業主の場合、青色申告・白色申告にかかわらず、帳簿(白色申告は法定帳簿)はその年の翌年3月15日の翌日から7年間保存しなければなりません。
例を挙げると令和8年分(令和8年1月1日~令和8年12月31日分)の帳簿であれば、令和16年3月15日まで保存する必要があるということです。
なぜ7年間も保存しなければいけないかというと、税務調査が入った際に帳簿の提示を求められる可能性があるからです。
もし、税務調査が入った際に提示を求められた帳簿を保存していなかった場合は、ペナルティが課せられる可能性がありますので十分注意してください。
保存期間は申告方法によって異なる
帳簿の保存期間は、申告方法や書類の種類によって異なります。まず白色申告の場合は、以下のとおりです。
法定帳簿(収入金額や必要経費を記載したもの):7年
任意帳簿(必要に応じて作成した法定帳簿以外のもの):5年
書類(棚卸表、請求書、納品書など):5年
一方で青色申告の場合、以下のとおりです。
帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳など):7年
決算関係書類(損益計算書、棚卸表など):7年
現金預金取引等関係書類(領収書、預金通帳など):7年または5年
その他の書類(請求書、納品書など):5年
前々年の事業所得と不動産所得の金額の合計が300万円以下の場合、領収書などの現金預金取引等関係書類は保存期間が5年間となります。
自分がどちらに該当するか迷う場合は、税理士や国税庁のホームページで確認しておくと安心です。
また税務調査で売上帳簿の不保存や記載不足がわかり、申告漏れがあった場合、過少申告加算税・無申告加算税が5%または10%加重されます。
参考:帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A|国税庁
受け取った電子データは電子保存が必要
電子帳簿保存法の改正により、請求書や領収書などを電子データでやり取りした場合は、紙に印刷して保存するのではなく、電子データのまま保存が必要となりました。
電子取引のデータ保存は、2024年1月からすでに必須となっています。エクセルで帳簿を作成するか否かに関わらず、すべての個人事業主が対象です。電子帳簿保存法への対応を十分理解しておかなければなりません。
エクセル帳簿をデータのまま保存する場合は、システムの説明書やディスプレイ等を備え付けることと、税務職員によるダウンロードの求めに応じることが要件です。
なおエクセル帳簿は、印刷して紙で保存することも可能です。
詳しくは「電子帳簿保存法の完全義務化とは?対象書類や猶予措置について解説」で解説しています。
保存要件は「可視性の確保」と「真実性の確保」
受け取った電子取引データは、ただ保存すればいいのでなく、保存要件を満たした状態での保存が必要になります。具体的には『可視性の確保』と『真実性の確保』の両方を満たす必要があります。
可視性の確保‥ディスプレイや操作説明書等を備え付け、日付・金額・取引先で検索できること
真実性の確保‥電子データは紙データと比べて改ざんされるリスクが高いため、改ざんを防止するための措置を講じる必要があること
可視性の確保について、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下の人は、税務調査で電子取引データのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索要件については問われません。
保存要件を満たさないとペナルティが課せられることも
受け取った請求書や領収書などを電子データでやり取りしている場合、それを紙に印刷して保存するだけでは保存要件を満たしていないとみなされ、税務調査でペナルティを受ける可能性があります。
ただし相当の理由があり、税務調査の際に電子取引データのダウンロードや出力書面の提示に応じられる場合には、猶予措置が設けられています。そのため誤ってデータを消さないようにしてください。
ここまで聞いて、よくわからないという方も多いと思います。電子帳簿保存法の詳細はここでは割愛しますが、対応が必要だということだけきちんと覚えておいてください。詳細が気になる方は国税庁のホームページをご覧ください。
エクセル帳簿のセキュリティ対策も忘れずに
エクセル帳簿は自分のPC内で管理できる分、セキュリティ対策も自分自身で行う必要があります。以下のような対策を検討しておくと安心です。
ファイルにパスワードを設定し、第三者が開けないようにする
定期的にバックアップを取り、PCの故障やファイルの誤削除に備える
複数人で共有する場合は、アクセス権限を必要な人だけに限定する
クラウドストレージを利用する場合は、提供元のセキュリティ対策(暗号化など)を確認する
こうした管理を毎回手作業で行うのが不安な方は、電子帳簿保存法に対応したクラウドサービスに帳簿や証憑データをまとめて任せてしまうのも一つの方法です。
税務調査の事前対策
税務調査って何されるの?
事前に準備できることないかな‥
『税務調査』と聞くとなんだか怖いイメージですよね。しかし、実際はそれほど身構える必要はありません。税務調査では、主に帳簿の内容と、その裏付けとなる書類の整合性がチェックされます。
つまり、帳簿に記載されている内容が、領収書や請求書などの書類によって証明できるかどうかが重要になります。
わかりやすく例を挙げてみていきましょう。
例えば、帳簿に「旅費交通費」として5万円が計上されている場合、税務調査官は「この5万円の根拠となる資料を見せてください」と質問してくるでしょう。この時、領収書と帳簿を突き合わせて、5万円の内訳を説明できなければなりません。
ただこれは何も難しいことではありません。普段からきちんと正確に帳簿を付けることができているなら、何の問題もなく証拠を淡々と提示するだけで税務調査は終わります。
特別何か事前準備が必要かと言われたら「不要」という答えになります。あえて言うなら、きちんと正しく帳簿を付け続けていくことが重要です。
帳簿の間違いに気づいたときの所得税の対処法
記帳を続けていると、後から入力ミスや集計間違いに気づくこともあります。慌てず、以下の対処法を知っておきましょう。
確定申告の期限内に気づいた場合:申告書を訂正して再提出(訂正申告)することで対応できます。
確定申告の期限後に気づいた場合:納付額が少なかった場合は「修正申告」を行い、正しい所得税額に修正します。追加で納める税金がある場合、早めに対応するほど延滞税などの負担を抑えやすくなります。納付額が多すぎた場合は、法定申告期限から5年以内に「更正の請求」手続きを行いましょう。
いずれの場合も、帳簿と証拠書類(領収書・請求書など)を整理しておくことが対応をスムーズにするポイントです。判断に迷う場合は税理士に相談しましょう。
参考:A1-2、H1-1 所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続|国税庁
よくある質問
最後に、個人事業主のエクセル帳簿に関してよくある質問に回答します。
エクセルで作成した帳簿は正式な帳簿として認められますか?
はい、認められます。必要な事項を整然と記録していれば、エクセルで作成した帳簿も税法上正しい帳簿として使えます。
エクセルの帳簿は印刷せず、データのまま保存してもよいですか?
はい、データのまま保存できます。その場合はシステムの説明書などを備え付けること、ディスプレイなど画面で確認できる環境を用意すること、税務職員からデータのダウンロードを求められたときに応じられることが要件です。
帳簿を印刷し、紙として保存しても構いません。
白色申告は簡易な帳簿でも問題ありませんか?
白色申告の場合は、複式簿記ではなく簡易な方法で記帳できます。ただし白色申告の方にも記帳・帳簿等の保存義務があるため、「記帳をしなくてよい」わけではありません。売上・仕入・経費について、取引の年月日・相手方の名称・金額を記録した帳簿を作成し、一定期間保存する必要があります。
白色申告の帳簿は1日の合計額だけ書けばよいですか?
少額の現金売上や、納品書の控えなどで内容を確認できる取引など一部の取引は、日々の合計額だけをまとめて書いても構いません。それ以外は、取引の年月日・相手方の名称・金額を記録します。
なお消費税の課税事業者は、合計額で書く場合も、税率ごとに区分して記載する必要があります。
参考:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
エクセルの帳簿で青色申告特別控除65万円・75万円は受けられますか?
65万円の特別控除は受けられます。複式簿記で仕訳帳と総勘定元帳を作成し、損益計算書と貸借対照表を添付のうえ、期限内にe-Taxで申告してください。
ただしエクセルは、2027年分から始まる75万円控除の要件である「優良な電子帳簿」としては認められないのが通常です。75万円の控除を目指すなら、JIIMA認証を受けた会計ソフトを検討しましょう。
詳しくは記事内で解説しています。
2027年分から書面で申告すると控除額はいくらになりますか?
2027年分以降は、書面で申告する場合の控除額は最大10万円となります。要件を満たせば書面申告でも55万円の控除が受けられるのは、2026年分(2027年2~3月に行う確定申告分)までです。65万円以上の控除を受けたい人は、e-Taxでの申告に切り替えましょう。
帳簿はいつからいつまで保存すればよいですか?
帳簿は、その年の翌年3月15日の翌日から7年間保存します。例えば令和8年分の帳簿は、令和16年3月15日まで保存が必要です。請求書などの書類は、種類や申告方法によって5年または7年となります。
消費税の課税事業者になったら、エクセル帳簿に何を追加すればよいですか?
軽減税率の対象かどうかを区分する「税率」の列と、仕入・経費の相手がインボイス発行事業者かどうかを区分する「インボイス」の列を追加します。簡易課税制度や2割特例(個人事業主は令和8年分まで)を使う場合、仕入・経費の区分は不要です。
また仕入税額控除のために保存する請求書等や、交付したインボイスの写しは7年間保存します。
Googleスプレッドシートで作った帳簿でも問題ありませんか?
問題ありません。エクセルなどの表計算ソフトで記帳することもできるとされており、スプレッドシートも帳簿として使えます。データのまま保存する場合の要件はエクセルと同じです。共有範囲を自分と税理士などに限定し、定期的にファイルをダウンロードしてバックアップを取っておきましょう。
まとめ
今回は白色申告者や10万円控除を受ける方、取引が少ない方にはエクセル帳簿が向いていること、テンプレートを活用することで、効率的にかつ法令を遵守した安心安全な帳簿作成が可能になることを説明しました。
会計・簿記の知識が全くない方でも、比較的簡単に始められるため、多くの方がエクセルテンプレートを活用しています。
皆さんもぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
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