【経費管理】個人事業主のための無料エクセルテンプレート5選

最終更新: November 19th, 2024
【経費管理】個人事業主のための無料エクセルテンプレート5選

・開業してフリーランスになったものの、経費精算に不安がある

・会計ソフトを導入するより、自分でExcelを使って経費管理に挑戦したい

・確定申告に向けて、経費項目や仕訳を自分でしっかり把握しておきたい

この記事では以上のような方に向けて、Excelで経費管理をするためのヒントや、無料のテンプレートをご紹介します。

フリーランスとして独立したはいいものの、青色申告や帳簿付けに不安を感じている方は多いはず。この記事を読んで少しでも不安を減らし、わからない部分をできるだけ解消してスッキリした気分でお仕事を始めましょう!

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そもそもなぜ経費管理が必要なのか?

Expense management

フリーランスにとって経費管理をしっかり行うことによりどのようなメリットがあるのか?皆さん独立された当初は不安でもちきりだったかと思います。経費、という単語はよく聞くものの、一体何を経費として計上するのか、確定申告では何を申告したら良いのかなど疑問だらけですよね。そもそも経費とは?そしてなぜ経費を管理する必要があるのでしょうか?

経費管理とは

事業を行うために必要な費用を適切に管理することを指します。近年新しい働き方としてフリーランスが広く知られるようになり、個人事業主が増加する中、大きな課題の一つとして経費管理があります。

なぜ経費管理が必要か

収入が不安定になりがちなフリーランスにとって経費管理をしっかりと行うことは、毎月の利益の把握はもちろん、普段の経費をしっかりと把握しておくことで、月々の支出を抑えたり貯蓄額を変動させるなどキャッシュフローの安定に繋がります。

またしっかりと経費管理ができている個人事業主は、クライアントやビジネスパートナーからの信頼も厚くなり、ローンを組む際や事業提案を行う時も信頼されやすくなります。

必要経費に計上できる項目と該当する勘定科目

necessary expenses and corresponding accounts

ここでは、実際に経費を計上するにあたり、計上できる勘定科目とできない科目について解説します。

勘定科目とは、個人事業主が会計処理を行う際に、取引の内容を分類して記録するための科目(項目)のことを指します。勘定科目を使用することで、会計データの整理が明確になり、税務署に申告した際に内容が理解されやすくなります。

以下は、勘定科目として経費計上できる項目です。

・家賃・事務所使用料

・水道光熱費

・通信費

・交通費

・消耗品費

・会議費

・接待交際費

・広告宣伝費

・旅費

・外注費

・保険料

・研修費

・車両費

・消耗器具費

・備品購入費

以上が計上できる科目の一覧になります。しかし、独立した当初は、経費として計上できるかどうかを逐一調べていたら時間がかなりかかってしまうので、ついうっかり良く調べずに計上してしまうこともあるのではないでしょうか。

基本的に、経費として計上できるかどうかは、「業務に直接関連しているか」を判断基準にすると良いでしょう。

もし税務署から調査が入ったとしても、計上した経費が業務にいかに関連しているかを説明できると、説得力が増して理解が得られやすくなります。

そして以下は、経費として計上できない項目です。

私的な支出

個人的な旅行や、娯楽費、個人的な食費などの私的な生活で出た支出は、経費として計上できません。

・資本的支出

将来の事業に活かすため、一時的ではなく資産として扱うべきものは経費として認められません。例えば、建物の改築費用や、設備購入費(減価償却資産として計上するべきもの)などがこれに当たります。

・個人の保険料

個人として加入している生命保険や医療保険は、経費として認められません。ただし業務で必要な損害保険や損害賠償保険は、経費として認められる場合があります。

・一定金額以上の贈答品

贈答品はある一定の金額までは接待交際費として計上できますが、金額には制限があり、この上限を超えた金額の贈答品費用は経費として計上できません。

・所得税や住民税

フリーランスの所得税や住民税は、経費として計上できません。これらは事業に関わる経費ではなく、個人的な負担額として見なされます。

・事業を開始する前に使った費用

事業を始める前に払った費用は一般的には経費として計上できませんが、「開業費」として計上し、後から分割して費用化することも可能です。

以上が、経費としては計上できない勘定科目です。実際に計上する場合に、経費として計上できるかどうか不明に感じた場合は、インターネットで検索をしたり、それでもわからない場合は税務署に問い合わせるなどして、都度確認するようにしましょう。

Excelを使って経費管理にチャレンジしてみよう

それでは、Excelを使って経費管理をするにあたって必要となるポイントについてご紹介します。

シートを使いやすくシンプルな設計にする

シートを必要な項目別に分け、それぞれに名前をつけましょう。エクセルの帳簿を作成するにあたって必要となる項目は以下の通りです。

・日付

・経費の種類(交通費、食費、備品費など)

・金額

・支払い方法(現金、クレジットカード、銀行振込など)

・メモ(必要に応じて、経費の詳細や備考を追加する)

バックアップの確保

せっかく作成したファイルは必ず定期的にバックアップを取るようにしましょう。編集中にも意識して上書き保存をしておく、クラウドストレージ(GoogleドライブやDropboxなど)に保存するなど、苦労して作成したファイルが消えてしまわないように注意を払って管理をするようにしましょう。

経費管理に関わる帳簿をエクセルファイルで作る

それでは、経費管理用のExcelファイルを作る方法について解説します。基本的なテンプレートを作っておくと、後でアレンジが簡単にでき、自分だけの経費管理ファイルを作ることができます。

  1. 新しいExcelファイルを作る

    Excelを開き、新しいファイルを新規作成します。

    ファイル名に「経費管理表」など後から見てわかりやすい名前を付け、保存します。

  2. シートを設定する

    先述した通り、シートをわかりやすく設定しておくことは後の管理において重要です。Excelシートの1行目にヘッダーを作成し、次のように項目を設定します。

    日付:支出が発生した日付を記録します。後で期間ごとに集計を行う際に役立ちます。

    勘定科目:経費の種類を指定します。たとえば、「交通費」「消耗品費」「通信費」などのカテゴリーが適しています。

    内容/説明:経費の具体的な内容を簡単に記載します。例えば、「クライアント訪問の電車代」や「オフィス用紙購入」などです。

    金額:支出の金額を入力します。これは後で集計して支出の総額を把握するために必要です。

    支払い方法:現金、クレジットカード、銀行振込など、どの方法で支払いを行ったかを記録します。

    備考:必要に応じて追加情報やメモを記載できる欄です。

  3. データ入力用に書式を設定する

    Excelで経費を見やすくするために、以下の書式設定を行います。

    日付列:日付形式に設定し、見やすく整理します。これにより日付のソートやフィルターが簡単に行えます。

    金額列:金額を通貨形式に設定しておくことで、金額が見やすくなり、集計時に役立ちます。

  4. 勘定科目リストを作成する

    勘定科目や支払い項目として、事前にリストを作成しておき、データの入力規則を設定しておくと、後ほどデータを入力する際に入力ミスを防ぐことができ、データ入力が効率化できます。Excelの「データ」タブから「データの入力規則」を選び、「リスト」形式で設定することで、選択肢をドロップダウンリストで表示させることができます。

  5. 月々の合計金額を算出する

    月々の合計金額を入力する欄を作成しておき、 各月の合計をSUM関数などで自動計算できるようにしておくと、後ほど年間のデータを取りまとめるときに各月の合計を一目で見ることができるので、年間の支出管理がとても楽になります。

  6. 見た目を整える(オプション)

    数字ばかりの表だと 一目で見たときにどのデータなのかが分かりにくい時があります。そのため、グラフや折れ線などのエクセルに搭載されているツールを使って見た目を整理してみましょう。 例えば、月ごとの経費の移り変わりを折れ線グラフで表示したり、勘定科目別の支出割合を円グラフで表示するなどです。グラフを作成する際は、「挿入」タブから「グラフ」を選択し、必要なデータ範囲を指定すると作成できます。

  7. 定期的にバックアップを取る

    せっかく作成した経費管理表をなくしてしまわないために、必ず定期的にバックアップを取るようにしましょう。GoogleドライブやOneDriveなどの クラウドにアップしてしまうのも1つの手です。

無料エクセルテンプレートをダウンロードする

自身で1からExcelで作成する自信のない方は、インターネット上で配布されている無料のExcelテンプレートをダウンロードするのも1つの選択肢です。インターネット上には非常に使い勝手が良い無料のテンプレートがたくさんあるので、自分に合ったものを選択し、時にはアレンジをしながらうまく活用していきましょう。

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おすすめの経費管理エクセルテンプレート5選

ここでは、無料でダウンロードできるエクセルのテンプレートを5つご紹介します。

Microsoft社が提供している経費/領収書管理表

Microsoft社が提供している経費/領収書管理表

便利なテンプレートが揃っていることでお馴染みのMicrosoft社から、経費管理用のExcelテンプレートが無料配布されています。もちろんMicrosoft公式からの配布なので、Excelの使い勝手は抜群です。シンプルな構成になっておりアレンジも可能です。

弥生の個人事業主向けの帳簿テンプレート

弥生の個人事業主向けの帳簿テンプレート

個人事業主向けの会計ソフトで有名な弥生からもExcelの帳簿テンプレートが無料で配布されています。会計ソフトを販売している会社のテンプレートなので、かゆいところまで手が届く親切な設計になっています。

マネーフォワードの経費精算書のテンプレート

マネーフォワードの経費精算書のテンプレート

同じくクラウド会計システムで、お馴染みのマネーフォワードからも、経費精算書のテンプレートが配布されています。シンプルなものから縦書き横書き、さらには勘定科目別のテンプレートなど、目的別に合わせてダウンロードすることができます。 さらには、経費精算書の基本的な記入の仕方まで解説してくれているので、経費精算について不安がある方は、ぜひ一度見てみることをおすすめします。

ビズ研の経費精算書テンプレート

ビズ研の経費精算書テンプレート

ビジネスに特化した無料テンプレートサイトであるビズ研からも、経費精算書テンプレートが配布されています。経費、経費精算書、交通費、控えつきなど用途別に細かく設定された雛形を配布されているので、最も自身の使い方に合ったテンプレートを選ぶことができます。

空本税務会計事務所の経費精算書テンプレート

空本税務会計事務所の経費精算書テンプレート

現役の税務会計事務所が発行している経費精算書のテンプレートです。シンプルな作りになっており、最小限の機能だけで良い方にはピッタリです。何よりも税理士が作成・配布しているテンプレートなので、信頼性は抜群。確定申告や青色申告を乗り越えるための個人事業の強い味方になってくれそうです。

企業は経費精算システムの導入も検討しよう

expense settlement system.

もし本記事を読んで下さっている方の中に企業の経理部門にお勤めの方がおられた場合、経費精算システムの導入もお勧めします。すでに税理士に委託されている会社も多いとは思われますが、社内の経理担当者の負担を少しでも減らし、税理士との連携を強化するためにもぜひ導入を検討しましょう。

そこで企業に経費精算システムを導入するメリットと注意点について少し解説します。

経費精算システム導入のメリット

  1. 経費管理の効率化 税理士に委託している場合でも、社内では経理担当者などが会計を行なっているケースは多く、経費精算システムを導入することで、経費の記録または申請がスムーズになります。これにより、経費の記録ミスや手動での計算ミスが減り、全体の経理作業が効率化されます。

  2. リアルタイムで経費の状況が確認できる 経費精算システムにより、リアルタイムで経費の申請状況や承認状況が確認できるようになります。これにより、税理士が処理を行う前に経費の詳細を確認し、即座に判断を下すことが可能です。

  3. 税理士との連携の強化 経費精算システムの利用により、社内の経理データを税理士と直接共有することが出来ます。税理士は、データを簡単にインポートして処理を行うことができるため、業務のスピードと正確性が向上します。

  4. ペーパーレス化 紙ベースで経費管理を行うと、コピー用紙など大量を紙を処理に使うことになり、近年話題になっているペーパーレス化から遠のいてしまい、環境保護の観点からもお勧め出来ません。経費精算システムを導入することで、書類保管や管理にかかるコストを削減できます。税理士とのやり取りもスムーズになります。

  5. コンプライアンスと透明性の強化 経費精算システムは経費処理のプロセスを一元管理できるため、承認フローが明確になり、経費の不正利用を防ぐことができます。これにより、経理プロセスの透明性が向上し、税務調査の際にも対応がしやすくなります。

経費精算システム導入時の注意点

これまでメリットを挙げてきましたが、導入時に注意すべき事項も存在します。気になる点をきちんと理解した上で導入を進めると、あらかじめ想定していた事態などが起こった場合にも冷静に対処することが出来ます。

  1. 導入コスト

    経費精算システムの導入、運用のコストをあらかじめ把握しておくことで、導入後にかかったコストを見て驚くこともありません。導入時にきちんとあらゆる事態の想定をしておき、従業員がいる場合は周知を徹底しましょう。

  2. 従業員の教育

    個人事業主だと全て自身で行うため問題はありませんが、企業の場合、新しいシステムを導入するときは、それを使用する経理担当者への教育が必須です。どれだけ時間とコストをかけるかなど、あらかじめ想定をしておきましょう。

  3. システムの選定

    導入前に、どの経費精算システムを使用するかの検討を行いましょう。企業にとってどの機能が必要なのか、どの機能は不要なのかをきちんと精査し、その上で最も用途に合ったシステムを選びましょう。実際に使用する経理担当者の意見をヒアリングするのも一つのポイントです。

MailMateのレシートスキャン機能で経費管理をさらに効率化

MailMateのレシートスキャン機能で経費管理をさらに効率化

経費管理を一段と便利にするツールとして、MailMateのレシートスキャン機能を活用することもおすすめです。この機能は、レシートや領収書をスマートフォンで撮影し、デジタルデータとして取り込むことができます。これにより、手動での入力作業が減り、経費管理が大幅に効率化されます。

スキャンの手順は以下の通りです。

  1. MailMateの無料アカウントを作成

  2. アプリをダウンロード(無料、iOS版のみ)

  3. アプリで領収書や請求書の写真を撮影

MailMateのレシートスキャン機能の特長

  1. 自動データ変換 MailMateのレシートスキャン機能は、レシートの写真から日付、金額、支払い先などの情報を自動で読み取り、デジタルデータに変換します。これにより、経費の記録がより正確かつスピーディに行えます。

  2. タグ付けやフィルター機能で整理 取り込んだデータは、「経費」タグなど好きなタグをつけることができ、費用のカテゴリ、支払い方法などによってフィルタリングできるため、後の管理が簡単です。

  3. 紙のレシートの管理が不要 レシートをデジタル化することで、紙のレシートを保管する手間が省けます。レシートの紛失を防ぐとともに、必要な情報をすぐに取り出せるようになるため、税務申告の際にも便利です。

  4. リアルタイムの経費トラッキング レシートをスキャンするだけで、経費が即座にデータベースに反映されるため、リアルタイムで経費の状況を把握できます。これにより、支出の傾向を迅速に分析し、無駄なコストを抑えることができます。

まとめ

経費管理は、個人事業主や企業の収支を把握し、コストを削減したりキャッシュフローを安定化させるには必須となります。仕組みを学んでしっかりと適切に管理することで、効率化や法令遵守にもつながり、税務対策も容易になります。

個人事業主の方は特に確定申告や青色申告について不安に思うことも多いでしょう。そんな時には1から基本を学んで、自身でエクセルを使って経費管理にチャレンジしてみることをお勧めします。初めのうちは時間がかかるかもしれませんが、全て自分で作ることにより理解が深まり、後々のフリーランス生活でも必ず役に立つことでしょう。

ただし、領収書やレシートを全て手入力で行なっていると膨大な時間を要してしまうため、 MailMateのレシートスキャン機能を使用して、省ける手間は省くことをおすすめします。

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