外国人が固定資産税を支払う際に納税管理人は必要?届出やポイントなど解説
外国人が日本で不動産を購入すると、毎年「固定資産税」の支払いが発生します。
しかし、日本に住所がない場合、納付書を受け取れず支払いが遅れてしまうなど、トラブルが起きやすいのが現実です。
その問題を解決するために設けられているのが「納税管理人」制度です。
この記事では、外国人オーナーが知っておくべき固定資産税の仕組みから、納税管理人の役割、選任の流れ、さらに郵便物や納税書類の管理をサポートするサービスまで、実務目線で詳しく紹介します。
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外国人が日本の不動産を所有すると固定資産税が発生する仕組み
日本では、不動産を所有している人に毎年「固定資産税」が課されます。これは土地や建物などの“所有者”に対してかかる税金で、住んでいるかどうかは関係ありません。つまり、外国人であっても日本国内に不動産を持っていれば課税対象になります。
固定資産税の対象と課税タイミング
固定資産税は、その年の1月1日時点で登記上の所有者になっている人に課税されます。たとえば、3月に不動産を売却しても、1月1日時点で持っていたなら、その年分の固定資産税は自分に課される仕組みです。
課税の対象は、土地や家屋、償却資産(事業用の設備など)などで、評価額に税率(ほとんどの自治体が1.4%を採用しているが、例外あり)をかけて算出されます。課税額は市区町村が算定し、毎年4〜6月頃に「納税通知書」として送付されます。
非居住者の所有者でも課税される理由
固定資産税は「所有」に対して課される税金です。そのため、日本に住んでいない非居住者でも、日本国内に不動産を持っていれば課税の対象になります。税法上、外国人かどうかや居住地は関係なく、「どこに資産があるか」が基準になるからです。
これは地方税法に定められたルールで、国籍や居住状況にかかわらず公平に税負担を求める仕組みとなっています。
納付書の送付先や通知の流れ
固定資産税の納税通知書は、登記上の住所宛に市区町村から送付されます。国内に住所があれば通常どおり届きますが、海外居住者の場合は届かないケースも多く、そのまま滞納扱いになるリスクがあります。
そのため、自治体では国内に「納税管理人」を立てるよう案内しています。納税管理人を指定すれば、通知書や納付書を代理で受け取り、納税手続きを代わりに行ってもらうことができます。
納税管理人とは?
納税管理人とは、国外にいる人の代わりに、日本で税金に関する手続きを行う人のことです。海外在住の外国人や日本人が日本国内に不動産を持っている場合、納税通知書を受け取ったり、納税手続きを行ったりするために必要になります。
納税管理人は固定資産税以外の税金にも対応している
納税管理人制度は、固定資産税だけでなく、所得税・消費税・相続税・贈与税などにも対応しています。つまり、海外に住んでいても日本で収益がある人や、財産を相続した人なども対象です。
非居住者は日本国内で税金の手続きを行うのが難しく、代理人を立てる必要があります。
任命することでできること・できないこと
納税管理人を任命すると、税務署や自治体からの通知書を代理で受け取り、納税を代行することができます。ただし、納税管理人には「納税義務そのものを引き受ける権限」はありません。
あくまで“代理での手続き”ができるだけで、滞納した場合の責任は所有者本人にあります。また、税務調査や申告の代行は税理士でなければできません。そのため、専門性が必要なケースでは税理士や専門会社を選ぶのが安心です。
なぜ外国人オーナーには納税管理人が必要なのか
外国人が日本で不動産を所有する場合、納税管理人の選任はほぼ必須といえます。特に海外在住の場合、日本国内の税務手続きや郵便のやり取りが難しいためです。
非居住者は日本国内で納税手続きができない
海外在住者は、日本に住所を持たないため、自治体から送られる納税通知書を受け取れません。また、日本国内の銀行口座を持っていない場合、振込による納付も困難です。
こうした事情から、納税管理人を立てて国内で手続きを行うことが求められます。納税管理人を選任しておけば、通知の受取・納税・問い合わせ対応などをスムーズに行うことが可能になります。
海外居住者の登記には「国内連絡先」が必須になった理由
2024年4月の不動産登記法改正により、海外居住者が日本で不動産を登記する際は「日本国内の連絡先」を登録することが義務化されました。
背景には、所有者と連絡が取れず管理が難しくなる「所有者不明土地問題」があり、国が登記制度の透明化を進めているためです。
国内連絡先として登録できるのは、日本に住む個人や法人。不動産会社や司法書士などの専門家も対象です。申請時には、連絡先の氏名・住所に加え、印鑑証明書などを添付します。登記名義人自身が日本に営業所を持つ場合、その所在地を連絡先とすることも可能です。
連絡先を確保できない場合は、「連絡先がない旨」を上申書で提出できますが、固定資産税の納税管理人は別途必ず選任が必要です。
参照元:法務省「令和6年4月1日以降にする所有権に関する登記の申請について」
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納税管理人を選任しないとどうなる?
納税管理人を選ばずに放置すると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。代表的なのは、税金の滞納や延滞金の発生、そして最悪の場合には資産の差押えなどです。
滞納・督促・延滞金のリスク
納付書が届かず、支払い期限を過ぎてしまうと、延滞金が発生します。さらに督促状が送付され、それでも支払いがなければ差押え手続きへと進む可能性があります。
海外在住者は「届かなかった」と主張しても免除されないケースが多く、税務署側は「送付した」とみなすことがあります。そのため、納税管理人を設置しておくことは、トラブルを未然に防ぐためにも重要です。
固定資産の差押え・競売の可能性
滞納が長期間続くと、市区町村は法的手段として不動産の差押えや競売を行うことがあります。これは日本人・外国人を問わず平等に適用される制度で、税金を支払わない限り、資産を失うリスクがあるということです。
海外にいるため対応できず、気づいたときには差押え手続きが進んでいたというケースもあるため、注意が必要です。
税務署や自治体からの郵便が届かない問題
海外に転居して住所を変更していない場合、税務署や自治体からの通知が届かなくなります。しかし、郵便が返送されたとしても「通知した」とみなされる場合があります。
結果として「知らないうちに延滞扱い」になるケースもあり、郵便物の受取先を確保しておくことが大切です。納税管理人を指定しておけば、こうしたリスクを避けられます。
納税管理人の届出・変更・解任のやり方
納税管理人を任命するには、税務署や市区町村に「納税管理人届出書」を提出します。税金の種類によって提出先が異なるため、事前に確認が必要です。
届出書の入手先と記入方法
固定資産税の納税管理人を選任する場合は、市区町村が用意している「納税管理人申告書(または承認申請書)」を提出する必要があります。
書類は自治体のホームページからPDFをダウンロードするか、役所の税務課や市民税課の窓口で入手できます。提出先は、固定資産税を課税している市区町村の担当窓口です。
郵送での提出も可能ですが、自治体によっては本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)の写しを添付する必要があります。自治体によって書類の名称や記入欄が少し異なる可能性もあるため、最新の様式や提出方法は、お住まいの自治体の公式サイトで確認しておきましょう。
提出先・提出タイミング
納税管理人を選任した時点、または出国前に提出するのが原則です。提出を忘れると、納付書が届かず滞納扱いになるおそれがあります。海外転居前に済ませておくことで、安心して出国できます。
解任・変更時の再届出手続き
納税管理人を変更・解任する場合も、必ず再届出が必要です。旧管理人の解任届と、新管理人の選任届をそれぞれ提出します。二重登録を防ぐためにも、自治体に確認しながら進めるとスムーズです。
納税管理人になれる人とは?
納税管理人になれるのは、日本国内に住所または居所がある人または法人です。税理士や不動産管理会社、知人、家族なども対象になります。
特に固定資産税の場合、物件所在地の市区町村内に住んでいる人が望ましいとされています。信頼できる相手であること、税金に関する理解があることが重要なポイントです。
納税管理人を選ぶときに注意したいポイント
納税管理人を選ぶ際は、信頼性と対応力を重視しましょう。税金の知識があり、確実に連絡を取れる人を選ぶことが大切です。税理士や専門代行サービスに依頼する場合は、費用や業務範囲、郵便物の対応方法などを事前に確認しておきましょう。
また、契約内容を文書で残しておくとトラブルを防げます。途中で変更したい場合もスムーズに対応してもらえる体制が理想です。
納税管理人に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、外国人の固定資産税に関する納税管理人についてのよくある質問について回答します。
納税管理人の任期に制限はある?
法律上、任期の明確な定めはありません。ただし、管理人や所有者の住所変更、契約終了などがあった場合は、変更の届出が必要です。長期間放置せず、定期的に情報を更新しておくと安心です。
納税管理人を途中で変更できる?
可能です。旧管理人を解任し、新しい管理人の届出書を提出します。変更手続きを怠ると通知が届かなくなることもあるため、住所や担当が変わった際は早めに対応しましょう。
固定資産税の納税管理人問題はMailMateが解決
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Mailmateでは、主に以下のサポートを提供しています。
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「外国人 固定資産税 納税管理人」まとめ
外国人が日本の不動産を所有する場合、固定資産税は必ず発生します。海外在住の場合は納税通知書の受け取りや支払いが難しいため、納税管理人の設置が欠かせません。
届出の方法や変更手続きを理解し、信頼できる代理人を選ぶことが大切です。手続きに不安がある方は、MailMateのような専門サービスを利用すれば、安心して管理を任せられます。まずは自分の不動産の状況を確認し、早めに納税管理人を選任しておきましょう。
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