マイクロ法人とは?マイクロ法人の作り方と自宅の住所を非公開にする方法を解説
今回は、マイクロ法人の作り方について解説します。
本記事は、以下のような方におすすめです。
「節税目的でマイクロ法人を作りたい」
「マイクロ法人を作ることで得られるメリットを知りたい」
「マイクロ法人の手続き方法を知りたい」
この記事では、上記のような方に向けて、そもそもマイクロ法人とは?という説明から、マイクロ法人を設立するメリット・デメリット、マイクロ法人の作り方まで解説していきます。
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マイクロ法人・プライベートカンパニーとは?
「マイクロ法人」とは、個人事業主が節税を目的として立ち上げる法人のことを指します。
このマイクロ法人では、通常は個人事業主のみ、またはその家族などが在籍し、従業員や他の株主などはほとんど存在しません。
そのため、マイクロ法人はプライベートカンパニーとも呼ばれています。
節税などのいくつかのメリットを受けられることから、マイクロ法人の立ち上げを検討している人も多いようですね。
個人事業主の開業届の書き方は、「開業届の書き方と必要書類をわかりやすく解説【個人事業主の開業ガイド2023】」の記事を参考にしてください。
一般的な法人とマイクロ法人の違いは?
マイクロ法人とは、経営者1人だけで経営をしている会社の呼び方の1つです。
そのため、経営者以外に従業員や役員などがいません。
一方で、一般的な法人には経営者以外位に従業員や役員がいます。
つまり、マイクロ法人は経営者1人でできる範囲の事業を運営するということになります。
マイクロ法人と個人事業主の違いは?
マイクロ法人と個人事業主の違いには、事業の設立手続きや節税効果などが挙げられます。
個人事業主は、開業する場合は税務署へ開業届(個人事業の開業届出・廃業届出等手続)を提出しなければいけません。
一方で、マイクロ法人とは法人であるため法人登記をする必要があります。
また個人事業主がマイクロ法人を選ぶ理由の1つは個人事業主よりも節税効果が高いことです。
個人事業主は、開業届を提出することで所得税の青色申告承認申請をすることができ、最大で65万円の所得税を控除することができます。
マイクロ法人であれば青色申告の控除に加えて給与所得控除(55万円)を併用することができます。
マイクロ法人の年商はいくらですか?
マイクロ法人は、年商が78万円〜98万円の時に節税効果が一番高くなります。
理由としては、個人事業主に比べて経費計上できるものが増えたり、消費税や社会保険料を節税することができるのに加え、所得税の控除について個人事業主の青色申告(65万円)と給与所得(48万円)の所得を併用することができるためです。
マイクロ法人を設立するメリット3つ
マイクロ法人の設立には、以下のようなさまざまなメリットがあります。
1. 税金や社会保険料の負担を軽減できる
2. 欠損金を10年間繰り越せる
3. 個人事業主よりも社会的信頼性が向上する
それぞれのメリットについてくわしく確認していきましょう。
マイクロ法人設立のメリット①税金や社会保険料の負担を軽減できる
マイクロ法人を設立するメリットとして、消費税や所得税、社会保険料の負担を軽減できる点が挙げられます。
個人事業主の場合、所得税については所得によって45%まで税率が上がっていきますが、法人税の場合税率が一律23.2%です。
その他にも、たとえば個人事業主の場合は国民健康保険に加入する必要がありますが、マイクロ法人を作れば国民健康保険よりも負担が軽い健康保険料・厚生年金保険料を払うようになります。
そこで、月収を63,000円以下に抑えることで社会保険料を一番安くすることができるのです。
また、複数事業を個人事業主として行っていた場合、一部の事業をマイクロ法人として行うことで収益を分散させて節税するケースもあります。
このようにマイクロ法人を設立することで節税が可能なのです。
マイクロ法人設立のメリット②欠損金を10年繰り越せる
マイクロ法人を設立することで、欠損金を10年間繰り越し可能になります。
個人事業主の場合、欠損金として赤字を繰り越して利益と相殺できる期間は3年間までです。
比較すると法人の方が7年間も繰り越しできる期間が長いのですね。
このように、マイクロ法人を設立することで欠損金の繰り越し期間を長くすることができます。
マイクロ法人設立のメリット③個人事業主よりも社会的信用を得やすい
マイクロ法人を設立するメリットとしては、個人事業主よりも社会的な信用を得やすいという点が挙げられます。
世間には、法人でないと一緒に仕事をしないという会社もあるようです。
そのため、ビジネスを成長させていきたいと考えている場合は、個人事業主よりもマイクロ法人を立ち上げて仕事していくのがおすすめです。
おすすめ記事:【個人事業主・フリーランス】請求書の書き方と注意点を解説
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マイクロ法人を設立するデメリット3つ
マイクロ法人には節税や信頼性の面でさまざまなメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットも存在します。
1. 法人を立ち上げるための手続き・費用が必要
2. 決算報告が必要になる
3. 法人住民税が発生する
それぞれの具体的な内容については、次の項目で解説しています。
マイクロ法人設立のデメリット①手続きや費用が必要
マイクロ法人を設立するためには、法人を立ち上げる場合と同様の手続きが発生します。
個人事業主として開業する場合は開業届の提出をすればよいのですが、法人を立ち上げる場合には定款の作成などさまざまな作業・手続きが必要です。
また、法人として登記する場合、株式会社であれば18万円〜の費用が、合同会社であれば6万円程度の費用が発生します。
このように、マイクロ法人を立ち上げる場合、個人事業主とは異なる手続きや費用が発生してしまうのです。
⇨契約書などのビジネスシーンで使われる見る甲乙表記について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。
マイクロ法人設立のデメリット②決算報告が必要になる
マイクロ法人を立ち上げると、決算報告が必要になります。
個人事業主の場合、毎年の確定申告を行えばよかったのですが、法人となると決算報告も必要なため会計処理が煩雑になります。
ソフトなどを使って決算処理を行う方法もありますが、自分で処理できない場合は専門家に依頼する形になってしまいそのための費用が発生してしまう可能性も考えられます。
マイクロ法人設立のデメリット③法人住民税などが発生する
マイクロ法人を立ち上げると、売上がなかった場合にも法人住民税などを払う必要があります。
節税のメリットもある法人ですが、一方で赤字の場合にも支払わなければいけない税金があるということですね。
このように、マイクロ法人では、個人事業主の場合とは異なる税金が発生します。
マイクロ法人を設立する際の注意点2つ
マイクロ法人を設立する際には、以下のような点に注意する必要があります。
1. 自宅と異なる住所を用意する
2. 二刀流の場合は異なる事業を行う
それでは、それぞれの注意点について確認していきましょう。
マイクロ法人の注意点①自宅と異なる住所を用意する
マイクロ法人を作る上では、自宅と事業用の住所を分けておくのがよいでしょう。
理由としては、マイクロ法人宛の郵便物と家庭宛の郵便物が混ざってしまったり、事業用のホームページや名刺に自宅の住所を記載するとトラブルの元になったりするためです。
そのため、マイクロ法人を作る上では、登記での利用や郵便物管理に対応しているサービスを使うとよいでしょう。
Mailmateでは、クラウド私書箱として郵便物をデータで管理できる他、住所を登記に利用することもできます。
このように、マイクロ法人を作る場合は、サービスを利用するなどして自宅と異なる住所を用意するのがおすすめです。
マイクロ法人の注意点②二刀流の場合は異なる事業を行う
マイクロ法人を個人事業主とは別で運営していく場合は、個人事業主で行っている事業とは異なる事業を実施するようにしましょう。
理由は、類似の事業を行っていると、マイクロ法人側の事業が実態がないものと考えられてしまうためです。
このような事態を避けるためにも、個人事業主で行っている事業とマイクロ法人で行う事業は異なるものを選びましょう。
マイクロ法人を作るための手続き方法
マイクロ法人を立ち上げる場合は、通常の法人と同様に法人登記を行う必要があります。
大まかな流れとしては以下の通りです。
1. 設立したいマイクロ法人の基本事項を決める
2. 法人用の印鑑を作成する
3. 定款を作成する
4. 株式会社の場合は定款認証をする
5. 資本金を払い込む
6. 登記申請を行う
7. 登記簿謄本を受け取る
8. 各所へ必要な届け出を行う
それでは、順を追って確認していきましょう。
マイクロ法人を作るための手続き①設立したいマイクロ法人の基本事項を決める
まずは、設立したいマイクロ法人の基本事項を決定します。
基本事項とは、以下のような項目です。
・会社名(商号)
・目的・事業内容
・本社の所在地
・役員や株主等の構成
・資本金
・決算日
事業内容は後の項目で作成が必要な定款に記載する必要もありますので、明確にしておくのがおすすめです。
また、所在地にはバーチャルオフィスなどの住所を使うこともできます。
マイクロ法人を作るための手続き②法人用の印鑑を作成する
マイクロ法人を作る上では、その法人で利用する印鑑を作成する必要があります。
必要な印鑑には、以下のようなものがあります。
・代表者印
・銀行印
・角印
また、必要に応じてゴム印を作成する場合もあります。
マイクロ法人を作るための手続き③定款を作成する
次に、定款を作成します。
定款は、簡単に言うと会社の規則・ルールが記載された書面です。
定款には以下の絶対的記載事項を含めた必要事項を記載していく必要があります。
会社名(商号)
事業目的
本社所在地
資本金
発起人氏名・住所
その他にも、相対的記載事項や任意的記載事項を記載していきます。
マイクロ法人を作るための手続き④株式会社の場合は定款認証をする
合同会社の場合は必要ありませんが、株式会社の場合は定款認証が必要です。
定款認証は、定款に正当性があることを公証役場で公証人に認証してもらう手続きです。
この定款認証を行うためには、手数料が3〜5万円発生します。
その他にも、電子定款以外では収入印紙代が4万円必要です。
マイクロ法人を作るための手続き⑤資本金を払い込む
次に、資本金を発起人の口座に払い込みます。
資本金の払込は、以下の手順で行います。
発起人の口座を準備する
資本金を口座に払い込む
発起人の通帳の表紙・最初のページ・振込が記録されているページをコピー
払込証明書の作成
先ほど取った通帳のコピーと払込証明書を1つにまとめる
証明書の継ぎ目に代表者印を押す
その後、会社を設立したら、法人名義の銀行口座を開設して個人口座の資本金を移します。
マイクロ法人を作るための手続き⑥登記申請を行う
定款認証後、必要書類を用意したら法務局で登記申請を行います。
登記申請では審査が必要なため1週間から10日間程度の時間がかかります。
審査が終了したら、登記事項証明書を取得することが可能です。
マイクロ法人を作るための手続き⑦登記簿謄本を受け取る
登記完了後、登記簿謄本(登記事項証明書)・印鑑証明書を取得できるようになります。
印鑑証明書を取得する場合は、印鑑カードが必要です。
印鑑カードについては法務局で交付してもらうことができます。
マイクロ法人を作るための手続き⑧各所へ必要な届け出を行う
マイクロ法人を設立したら、必要に応じて各所へ届け出を行いましょう。
たとえば、以下のような手続きが必要な場合があります。
【税務署】
法人設立届出書
青色申告の承認申請書
給与支払事務所の開設届出書
源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書
【銀行】
法人用口座の開設
【保険】
労働保険加入手続き
社会保険加入手続き など
また、従業員を雇う場合には、ハローワークや労働基準監督署への加入手続きが必要です。
おすすめ記事:ゆうID(ゆうびんID)の法人登録方法を解説!本人確認が必要な場合は?
自宅の住所を公開せずに会社設立したい方へ
マイクロ法人化を考えている個人事業主の方の中には、法人登記や開業届に自宅の住所を使うことに抵抗のある人もいるのではないでしょうか?
しかし、法人を設立する際には、開業届や法人登記の事業所や納税地に住所を記載する必要があります。
一般的に事業所を持たない場合は、住所地を書く必要がありますが、バーチャルオフィスを利用することで自宅の住所ではなくビジネス用の住所を借りることが可能です。
参考記事:バーチャルオフィス住所のみ無料ってあるの?おすすめのサービスも紹介
バーチャルオフィスに届く会社宛の紙の郵便物はどうするの?
バーチャルオフィスを利用するメリットに一等地の住所を使うことができたり、オフィス代を節約、そして自宅の住所を公開する必要がないというものがあります。
しかし、デメリットとしては会社宛の紙の郵便物がバーチャルオフィスに届いてしまうため、利用者はバーチャルオフィスが郵便物を転送してくれるのを待つか、実際に受け取りに行く必要があります。
バーチャルオフィスの郵便物の転送頻度はプランによって変動しますが、週1回から月1回のところが多いようです。
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マイクロ法人を設立して節税しよう!
今回は、マイクロ法人の作り方について解説しました。
マイクロ法人は、節税効果を求める方にはおすすめの形態です。
一方で、会計処理が複雑になるなどのデメリットもあるため、それらを考慮した上でマイクロ法人を作るかどうか考えてみるとよいでしょう。
また、マイクロ法人を作る時に株式会社か合同会社どちらが良いのかお悩みの方には、以下のような記事もおすすめです。
合同会社と株式会社の違い、メリット・デメリットを解説!どちらを選ぶべき?
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