事務所移転時のやることまとめ!時系列ごと・手続き別に詳しく解説
「事務所を移転する予定だが、やることが多くて何から始めるべきかわからない」
「オフィス移転の全体像が見えなくて不安」
「移転手続きをスムーズに行うにはどうすればいいの?」
こんな悩みを抱えている人には、この記事が参考になるでしょう。
事務所の移転は、会社にとってとても重要なプロジェクトです。移転理由はコスト削減や業務効率化、利便性の向上などさまざまですが、いずれにせよ事業拡大に向けた第一歩となるはず。しっかり計画を立てて進めなければなりません。
そこで本記事では、事務所を移転する際にいつ・何をすべきか詳しく解説していきます。移転を成功させるためにも、ぜひご一読ください。
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【時系列ごと】事務所移転時のやることリスト
まずは時系列に沿って、事務所移転時にやるべきことのチェックリストをご紹介します。やることが多いため、6カ月から1年を目安に新オフィスへの移転を進めるとよいでしょう。
事務所を移転するということは、会社が事業規模を拡大し、さらなる発展を目指すということ。そのためにはやるべきことを明確化し、一つひとつ進めていくことが大切です。
【移転6ヶ月前】プロジェクトを立ち上げて動き始める
オフィス移転に向けてプロジェクトチームを立ち上げる
オフィス移転の目的を明確にする
現オフィスの解約通知を出す
移転先の選定を進める
引っ越し業者の選定を進める
まずはプロジェクトチームを立ち上げて、担当者を明確にします。担当者は移転計画の全体像を把握し、コスト管理やスケジュール調整を行ってください。
オフィス移転の計画時には、移転目的を明確にしておくことも重要です。それが物件選定やレイアウトを考える際の基準となりますよ。
そのために「動線が悪いので業務効率が下がっている」「通勤の利便性が悪い」など、現在の課題を洗い出しておきましょう。
【移転3ヶ月前】移転後の仕事環境を整える
新オフィスのレイアウトを決める
新オフィスの内装を決める
家具や什器の手配を進める
新オフィスのインフラを整備する
移転の3カ月前には、新オフィスとなる物件を決定し、移転後の仕事環境を整え始めます。移転目的に合わせてレイアウトを決め、デザイン性や使いやすさを考慮しながら内装を考えるとよいでしょう。
家具や什器、OA機器等の手配も忘れてはなりません。新オフィスへ持っていくものと廃棄するものを明確にし、リース契約がある場合は継続するかどうか決めてください。
インターネット環境をはじめ、水道や電気、ガスなどのインフラ整備も重要です。場合によっては工事が必要になるので、早めに業者へ連絡しましょう。
【移転1ヶ月前】社内外への通知と住所変更手続きを進める
従業員への周知を行う
取引先へ挨拶状を送付する
Webサイトなどで住所変更のお知らせをする
各所で住所変更手続きを進める
施主検査を行う
移転1カ月前には、従業員への情報共有を行います。オフィス移転の目的や移転スケジュール、移転先の住所や困った時の問い合わせ先などを周知してください。
あわせて取引先や顧客にも、移転情報を伝えなければなりません。ハガキやメール、電話など、関係性に応じた方法で連絡しましょう。
またオフィス移転時には、さまざまな変更手続きが生じます。特に行政手続きは煩雑なので、提出書類やタイミングを事前に確認しておくことが大切です。
【移転当日】原状回復工事と搬出・搬入を行う
原状回復工事を完了させる
搬出・搬入に立ち会う
現在のオフィスは、退去日までに原状回復工事を完了させなければなりません。工事が完了したら引き渡しを行い、敷金・保証金の返還を受けましょう。水道や電気、ガス等の精算、鍵やカードの返却なども忘れずに行います。
そして移転当日は搬出・搬入に立ち会い、荷物の紛失や破損が起きないよう注意します。この時スムーズに作業が進むよう、事前に搬入経路を確認しておくとよいですね。
【移転後】通常業務と並行して各種手続きを進める
営業を再開する
行政手続きを進める
住所変更手続きを進める
無事に引っ越し作業が終わったら、新オフィスにて営業を再開します。通常業務と並行しながら、各種手続きを進めていきましょう。
行政手続きのほか、クレジットカードや銀行口座などの住所変更手続きも必要です。期限が定められている手続きも多いので、計画的に進めてください。
事務所の移転をスムーズに進めるポイント
オフィス移転を成功させるには、次の3点が重要です。
スケジュールの管理
チェックリストの作成
コミュニケーションの促進
それぞれ詳しく確認しておきましょう。
1)担当者を決めてスケジュールを管理する
オフィス移転はさまざまなタスクが伴うプロジェクトなので、スケジュール全体を管理する担当者が必須です。多角的にプロジェクトを進めるために、経営部門や事務部門、IT部門など、複数の部門から代表者を選んでプロジェクトチームを編成します。
チームの立ち上げ後にやることは、移転計画の策定とスケジュールの管理です。まずは移転日から逆算して工程ごとに期限を定め、タスクごとに優先順位を付けてください。後々の焦りをなくすためにも、スケジュールには余裕を持たせておきましょう。
スケジュールを作成したら、定期的に進捗状況を確認し、時にはスケジュールの調整を行うことも必要です。
2)チェックリストを作成してタスクの抜け漏れを防ぐ
チェックリストがあれば、タスクの抜け漏れが防げるので、トラブル防止につながります。チェックリストを作成する際は、やるべきタスクだけでなく期限や優先順位を記したうえで、担当者も明確にしておくことが大切です。
チェックリストはエクセルなどで作成するか、テンプレートをダウンロードすると手軽です。コクヨマーケティング株式会社やNTT東日本など、さまざまな企業がテンプレートを提供しているので、急ぎの人や自力での作成が難しい人は活用してみましょう。
3)社内外で適切にコミュニケーションをとる
オフィス移転をスムーズに進めるには、従業員とのコミュニケーションも大切です。ミーティングなどで移転の目的やそれによる効果などを伝えつつ、従業員の意見や不安を聞く機会を設けましょう。
もし適切なコミュニケーションが取れていなければ、従業員の不満や不信感につながるリスクがあります。従業員が抱える不安や問題点に対処するためには、問い合わせ窓口を設置しておくとよいですね。
なお社内のコミュニケーションを促進するだけでなく、社外とのコミュニケーションも疎かにしてはなりません。各業者とスケジュールをすり合わせる、取引先に移転情報を伝えるなど、適切にコミュニケーションをとってください。
現在のオフィスの退去手続き
現在のオフィスを退去するには、遅くとも6カ月前までに動き出さなければなりません。ここでは、具体的な退去手続きについて見ていきます。
【6カ月前】現オフィスの解約
賃貸オフィスを解約する場合、事前に解約通知の提出が義務付けられています。ただし物件ごとに解約予告期間が設けられており、この期間までに通知を出す必要があります。
解約予告期間は物件によって3カ月〜1年まで幅があるものの、6カ月が一般的です。解約予告期間が6カ月ということは、退去予定日の6カ月前までに解約通知を出さねばならないということ。この期間を過ぎてしまうと、以下のリスクが発生します。
超過期間分の家賃が発生する
違約金が発生する
退去スケジュールがずれる など
解約予告期間は賃貸契約書に記載されているので、先に確認しておきましょう。
【6~3カ月前】業者の選定・依頼
オフィスの移転で必要な業者には、たとえば以下があります。
引っ越し業者:現オフィスの荷物を新オフィスへ運ぶため
原状回復業者:退去前に原状回復工事を行うため
不動産仲介業者:解約手続きや新オフィスの物件探しを進めるため
引っ越し業者に依頼する際には、必ず複数社から見積もりを取るようにしてください。なかにはオフィス移転を専門に行う業者もありますよ。
原状回復業者は貸主が指定する場合もありますし、借主側で選定する場合もあります。賃貸契約書を確認し、指定がある場合はそちらを利用してください。
また必要に応じて、不動産仲介業者への連絡も行いましょう。業者によっては解約手続きのサポートも受けられるので安心です。
【退去日まで】原状回復工事
民法第621条では、賃貸物件の原状回復義務について定められています。これは賃貸借契約が終了した際、借主は物件を入居前の状態に戻さねばならないというもの。そのために行われるのが、原状回復工事です。
原状回復工事では、以下の作業を行います。
内装や設備の撤去
床や壁の補修・張り替え
電気や配線の撤去
建物のクリーニング
産業廃棄物の処理 など
具体的には賃貸契約書の特約で記載されているので、確認が必要です。
なお工事には1〜2ヶ月かかりますし、依頼後すぐに着工できるとも限りません。さらに退去日までに工事が終わらないと、追加の家賃やペナルティが発生する場合があります。早めの依頼を心がけましょう。
移転先のオフィスの入居手続き
現オフィスの退去手続きと並行して、新オフィスへの入居手続きも進めます。できれば6カ月前、遅くても3カ月前には新オフィスを選定し、入居準備を整えていくとよいですね。
【6~3カ月前】新オフィスの選定
まず行うのは、新オフィス用の物件探しです。コストを抑えるには固定費が安い物件、交通利便性を高めるなら駅からのアクセスがよい物件など、オフィス移転の目的を明確にしたうえでそれに合った物件を選びましょう。
以下は、オフィスを探す際のチェックポイント例です。
立地や交通アクセスはよいか
延床面積は十分か
必要な設備が揃っているか
セキュリティや防災対策が整っているか
賃料は予算内に収まるか
契約条件に納得できるか
Webサイトなどで物件を探しても問題ありませんが、決定前には必ず現地で内見をしてください。内見時には、ビルの外観や共有部の状態、レイアウトや周辺施設などをチェックしましょう。
【3カ月前】レイアウトや内装の決定
移転先の物件を決めたら、具体的にレイアウトを考えていきます。オフィスのレイアウトには主に2つの型があるので、目的に応じて選択します。
オープン型:壁や仕切りが少なく、従業員間のコミュニケーションが生まれやすい
クローズド型:個別のスペースがあり、一人ひとりの集中力が高まりやすい
このほか通路や窓の位置などを計算しつつ、会議室や作業スペース、休憩スペースなどの配置を考えます。
また壁紙や照明など、内装も決めていかなければなりません。従業員の働きやすさやオフィスの印象にも関わるので、色や素材なども細かく選んでいきましょう。内装工事にかかる時間も考慮して、計画的に進めてくださいね。
【3~1カ月前】オフィス家具や什器の手配
入居までには、オフィス家具や什器、OA機器等の手配も行います。現オフィスの物品を新オフィスでも使う場合は、引っ越し業者に運んでもらうための荷造りをしてください。ただし使っている物品がリースであるなら、リース業者に連絡して契約変更の手続きを進めます。
そして現オフィスの物品を廃棄して新しく購入する場合は、あらかじめ購入計画を立てておきます。廃棄品は事業系ごみとして処理してもよいですが、量が多ければ産業廃棄物業者などに依頼するほうがよいでしょう。
【3~1カ月前】インフラの整備
オフィスの移転後、スムーズに業務を始めるためには、あらかじめ下記インフラの整備・手配をしておきます。
水道
電気
ガス
インターネット回線
電話回線
空調
水道や電気、ガスについては、現オフィスの解約手続きと新オフィスの契約手続きをそれぞれ行います。開栓時に立会いが必要なものもあるので、日程を調整してください。
そしてインターネット回線や電話回線、空調については、手続きに加えて専門業者による工事が必要となるケースも多いはず。こちらについても、早い段階で立会い日程を決めておくとスムーズです。
【1カ月前】施主検査の実施
内装工事や電気工事等が完了したら、最終確認として施主検査を行います。施主検査とは、施主が実際に入居前の物件を訪れ、各工事が問題なく進んでいるか確認すること。入居後のトラブルを防ぐためにも、欠かせない工程です。
施主検査では、以下の点をチェックしましょう。
レイアウトや内装はイメージどおりになっているか
室内に大きな傷やへこみはないか
設備は問題なく動作するか
事前の契約内容とは相違ないか など
もし気になる点があったら、写真などで記録を残しておきます。確認漏れが起こらないよう、チーム内でチェックリストを共有しておき、それに沿って確認していくと安心です。
【1カ月前】取引先への連絡
オフィスを移転する際は、取引先への連絡も欠かせません。特に請求書や契約書などのやり取りがある場合は、早めの情報変更を依頼する必要があります。変更には時間がかかる場合もあるため、移転の1カ月前を目安に連絡を入れましょう。
連絡方法はいくつかあるので、取引先との関係性に応じたツールを選びます。
郵送:最も丁寧かつフォーマルな方法。重要な取引先に使う
メール:比較的カジュアルな方法。日常的にやり取りしている相手に使う
電話:郵送やメールのフォローアップとして使う
Webサイト:不特定多数に向けて使う
単に住所の変更を伝えるだけでなく、移転理由やこれまでの感謝などを伝えると好印象となりますよ。
各所での住所変更手続き
オフィスを移転した際は、各所で住所変更をする必要があります。ここでは代表的な手続きを4つご紹介するので、忘れずに行いましょう。
【1カ月前~2週間前】ホームページや名刺等の住所変更
会社のホームページや名刺など、オフィスの住所が記載されているものについては、すべて住所変更をしなければなりません。具体的には、以下が挙げられます。
ホームページ・SNS
名刺
社印・ゴム印
契約書等の書類
会社パンフレット
メールの署名欄 など
この時重要となるのは、住所変更のタイミングです。変更手続きが遅くなるとオフィス移転に間に合わず、新オフィスにいながら旧住所を使うことになりかねません。
かといってあまりに早い段階で変更手続きを行うと、移転計画にズレが出た時に、再修正が必要になる場合があります。そのため移転計画がほとんど固まる1カ月前〜2週間前に、住所変更手続きを行うとよいでしょう。
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【1カ月前~2週間前】登録サービスの住所変更
会社として登録しているサービスがある場合は、そちらの住所変更も進めてください。主なサービスには、たとえば以下があります。
事務用品購入サイト
ネットショップ
定期購読雑誌
新聞
SaaSサービス など
特に事務用品購入サイトやネットショップなどで変更手続きをせずにいると、オフィス移転後も注文品が旧オフィスへ届いてしまいます。配達日を確認しながら、適切なタイミングで住所変更を行ってくださいね。
【移転後】銀行口座やクレジットカードの住所変更
オフィス移転が完了したら、なるべく早く銀行口座やクレジットカードの住所変更を行いましょう。手続きを怠っていると、以下のデメリットが生じる場合があります。
取引先等からの信頼を損なう
重要書類が届かなくなる
トラブル時の対応が遅れる など
銀行口座の住所変更は、銀行窓口かオンライン経由で行うことがほとんど。履歴事項全部証明書、法人印鑑証明書など必要書類が多いため、事前準備が重要です。
一方でクレジットカードの住所変更は、会員専用ページやアプリ経由で行うことが多いでしょう。窓口を訪れる必要がないため、さほど手間はかからないはず。疑問点があれば、サポートダイヤルに連絡することも可能です。
行政への提出書類
行政への提出書類は種類が多いうえ、提出期限も提出先もさまざまです。あらかじめToDoリストを作るなどして、提出漏れのないよう準備しておきましょう。
以下は、主な提出書類を提出期限の早い順に並べた表です。
|
提出先 |
提出期限 |
|---|---|---|
防火対象物工事等計画届出書 |
新オフィスを管轄する消防署 |
内装工事着工の7日前 |
防火対象物使用開始届出書 |
新オフィスを管轄する消防署 |
移転の7日前 |
防火・防災管理者選任届出書 |
新オフィスを管轄する消防署 |
定めなし(なるべく早く) |
異動届出書 |
旧オフィスの納税地の所轄税務署長 |
移転後速やかに |
適用事業所名称/所在地変更(訂正)届 |
事務センターか、旧オフィスを管轄する年金事務所 |
移転後5日以内 |
労働保険名称・所在地等変更届 |
新オフィスを管轄する労働基準監督署 |
移転後10日以内 |
雇用保険事業主事業所各種変更届 |
新オフィスを管轄する公共職業安定所 |
移転後10日以内 |
株式会社本店移転登記申請書 |
旧オフィスを管轄する法務局 |
移転後2週間以内 |
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書 |
旧オフィスの所在地の所轄税務署 |
移転後1カ月以内 |
ここからは、提出先ごとに詳しく見ていきましょう。重要性の高い手続きや、期限の短い手続きから優先順位を付け、滞りなく進めてください。
消防署への提出書類
一般的な会社で火を使う場面は少ないものの、万が一の火災を予防するためには、消防署への書類提出が求められます。主な提出書類は、以下3点です。
防火対象物使用開始届出書
防火・防災管理者選任届出書 ※従業員や来訪者数が50名を超える場合
防火対象物工事等計画届出書 ※内装工事を行う場合
防火対象物使用開始届出書は、工事の有無や従業員数に関わらず、全会社が提出しなければなりません。オフィスの移転日より前に提出が必要なので、忘れないようにしましょう。
同様に内装工事を行う場合は、着工日より前に防火対象物工事等計画届出書を提出してください。従業員数が多い会社は、防火・防災管理者選任届出書の提出も必要です。
法務局への提出書類
法務局では、法人にとって非常に重要な法人登記を行っています。オフィス移転時には、必ずいずれかの書類を提出します。
株式会社本店移転登記申請書
支店移転登記申請書
本店移転登記は、行政手続きのなかでも優先度が高いものの一つ。会社法で義務付けられている手続きであり、違反時は罰則が科せられるので留意してください。
提出期限は、移転後2週間以内です。添付書類が多いので、移転前からの準備が欠かせません。司法書士など専門家に委託することもできますよ。
申請書は窓口で提出するほか、郵送でも提出可能です。ただし書留など、配達状況を確認できる郵送方法が推奨されます。
【注意】法務局の管轄が変わる場合は2度の手続きが必要
同じ法務局の管轄内でオフィス移転をする場合は、1度だけ移転登記申請を行います。一方、管轄をまたいで移転する場合は、2度の手続きが必要です。
旧オフィスの管轄法務局で移転登記を行う
新オフィスの管轄法務局で登記を行う
登録免許税は1回につき3万円なので、管轄をまたぐ場合は6万円の登録免許税がかかることになります。
年金事務所
年金事務所では、健康保険や厚生年金保険に関する手続きを行っています。提出が必要な書類は、以下です。
健康保険・厚生年金保険 適用事業所名称/所在地変更(訂正)届
こちらは移転後5日以内の提出が求められるため、早めに着手する必要があります。年金事務所の窓口に持参するだけでなく、郵送や電子申請も可能です。
なお同じ管轄内でオフィス移転をする場合と、管轄をまたいで移転する場合では、届出書の様式が異なるので注意しましょう。管轄をまたぐ場合、同一都道府県内での変更なら翌月1日から、都道府県をまたぐ変更は翌々月1日から適用されます。
参考:適用事業所の名称・所在地を変更するとき(管轄外の場合)の手続き|日本年金機構
税務署への提出書類
法人税等を滞りなく納めるためには、税務署への書類提出を行います。主な提出書類は、以下2点です。
-
異動届出書
給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書
税務署窓口や郵送で手続きを行うほか、国税庁が提供する「e-Tax」での申請も可能です。e-Taxを使えばオンライン上で手続きを進められるため、税務署に出向く必要がありません。
引用:【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
ただし設定に時間がかかる、慣れていないと操作が難しいというデメリットもあるため、初めて使う人は注意してくださいね。
労働基準監督署への提出書類
労働基準監督署では、労働保険に関する手続きを行っています。そのためオフィス移転時には、次の書類を提出してください。
労働保険名称・所在地等変更届
従業員を一人でも雇用している会社には、労働保険の加入が義務付けられています。変更届を提出していない場合、あるいは労働保険の成立手続きを怠っているような場合は、罰金等の対象となるので確実に行いましょう。
公共職業安定所(ハローワーク)への提出書類
公共職業安定所では、雇用保険に関する手続きを行っています。ここでは、以下の書類を提出します。
雇用保険事業主事業所各種変更届
労働保険と雇用保険はセットで扱われることも多いですが、担当機関が異なるため、それぞれで手続きを行わなければなりません。
管轄をまたいで移転する際の注意点は、先に労働基準監督署で「労働保険名称・所在地等変更届」を提出しておくこと。オフィス移転に伴って労働保険番号も変更になるため、新しい番号を取得してからこちらの手続きを進めてください。
その他の提出書類
その他、会社として火災保険や賠償責任保険等に加入している場合は、そちらの契約も住所変更が必要です。保険会社に連絡し、必要な手続きを行いましょう。
また社用車を所有している場合は、警察署にて自動車保管場所証明申請書を提出しなければなりません。申請手数料は2,400円です。
オフィス移転時にはやることが多いため、あらかじめ必要な手続きを洗い出しておき、優先順位を付けて対処していくことが大切です。
新オフィスでスムーズに郵便物を受け取る方法
オフィス移転後は各所で住所変更手続きを行いますが、どうしてもタイムラグが出てしまうもの。もし旧オフィス宛に住所変更前の郵便物が届いてしまうと、以下のリスクが生じます。
重要な郵便物が受け取れなくなる
郵便物の受け取りに時間がかかり、手続きや支払いの期限を超過する
郵便物の抜き取り等の被害に遭い、情報漏洩につながる
こうしたトラブルが起きてしまうと、業務効率が悪くなりますし、会社の信用問題にも関わります。
そのためここでは、新オフィスでスムーズに郵便物を受け取るための方法を2つご紹介します。
1)郵便局の転送サービスで新オフィスへ郵便物を転送する
郵便局の転居・転送サービスを使えば、旧オフィスから新オフィスへと郵便物が転送されます。転送サービスの概要は以下のとおりです。
転送期間:届出日から1年間
転送料金:無料
申込方法:郵便局に転居届を提出する
注意点:転送されない郵便物がある
郵便局の転送サービスは、個人・法人問わず誰でも利用可能です。申込も簡単で、郵便局窓口か郵送、あるいはe転居を通じて転居届を提出するだけ。登録に3~7営業日ほどかかるので、オフィス移転の1週間前を目安に手続きしておくとよいでしょう。
転送サービスを使えば、住所変更手続きが済んでいない郵便物も、新オフィスへと配達されます。スムーズに郵便物を受け取れるため便利ですね。
転送不要郵便は転送されない
郵便局に転居届を提出していても、封筒に「転送不要」と書かれた郵便物は転送されません。たとえばキャッシュカードやクレジットカードなど、多くの重要な郵便物にはこの表示があるでしょう。
また郵便局の転送サービスは、日本郵便以外のものには適用されません。たとえば佐川急便の「飛脚メール便」などはポスト投函の荷物ですが、転送サービスの対象外です。
こうした郵便物が届く予定がある時は、事前に送り先に連絡し、住所変更を済ませておきましょう。
②メールメイトなら手続き不要で郵便物管理を効率化できる
オフィスの郵便物を効率よく管理するには、クラウド私書箱サービスのメールメイトが便利です。
利用料金:3,800円/月~
申込方法:Webサイトから無料アカウント作成
注意点:荷物の長期保管はできない
メールメイトを使えば、郵便物がオフィスではなくメールメイトの住所へと配達されます。届いた郵便物はスキャン・PDF化され、郵便物データとしてマイページ上にアップロードされる仕組み。利用者はクラウド上でデータを確認できます。
メールメイトの大きなメリットは、郵便物の転送手続きが不要になること。パソコンで郵便物を確認できるため、オフィスがどこにあっても問題ありません。紙よりデータのほうが管理もしやすいでしょう。
会社の働き方改革もサポート
メールメイトで郵便物をデータ化すれば、場所を問わず郵便物を管理できるようになります。それはオフィス移転時だけでなく、以下の場面でも役立ちます。
会社に郵便物が届いていると、誰かが出社して郵便物の仕分けや対応をしなければなりません。その点メールメイトを導入すれば、自宅にいながら郵便物の確認ができるため、リモートワークが導入しやすくなるはずです。
メールメイトを使えば社内のペーパーレス化が進むため、業務効率化も期待できます。オフィス移転だけでなく、会社の事業拡大をサポートしてくれるツールです。
MailMateなら、オフィス移転後も郵便物をクラウド上で確認できるため、重要書類の見逃しリスクを減らせます。転居届や郵便転送の管理をもっとシンプルにしませんか? 🚀
事務所移転 やることに関するQ&A
最後に、事務所移転時のやることに関して、よくある質問に回答していきます。
Q1)事務所の移転手続きは代行できる?
移転手続きは煩雑なうえ、作業内容も多岐にわたります。そのため「人手が足りない」「やり方がわからない」などの理由から、手続き代行を検討している会社もあるでしょう。
オフィス移転を代行するサービスは多く、「オフィス移転コンサル会社」「オフィス移転業者」などと呼ばれます。一気通貫でサポートしてくれるものもあれば、特定の業務だけ代行依頼できるものもありますよ。
もちろん費用はかかりますが、自社でやり切るのが難しい場合は依頼を検討してもよいですね。
Q2)行政手続きが期限内に終わらなかったらどうなる?
行政手続きによっては、書類の提出期限が定められており、正当な理由なく超過すると罰金等が科せられる可能性があります。たとえばオフィス移転から2週間経っても法人移転登記を行わなかった場合、100万円以下の過料が生じるかもしれません。
ただし期限を過ぎてしまった場合でも、各種手続きを行うことは可能です。期限に遅れたからといって後回しにするのではなく、1日でも早く手続きを済ませてください。
Q3)オフィス移転にかかる費用の内訳が知りたい
オフィスを移転するには、広さ等に応じて数百万円~数千万円がかかります。大まかな内訳は以下のとおりです。
引っ越し費用
原状回復費用
契約関連費用
内装工事費用
引っ越しをするには、当然引っ越し費用がかかります。また旧オフィスの原状回復工事は借主が負担するのが一般的ですし、その分の費用もかかるでしょう。
さらに新オフィスに入居するには、前家賃や敷金・礼金、仲介手数料、火災保険料といった契約費用、内装工事やネットワーク工事、什器購入等の費用もかかります。できるだけコストを抑えるには、複数業者から見積もりを取ることや、業者との交渉などが必要です。
事務所移転は会社の成長に関わるプロジェクト!計画的に進めよう
本記事では、事務所の移転時にやることやそのタイミング、やり方などを解説しました。事務所の移転は、事業拡大や会社の成長に関わる重要なプロジェクトです。移転の目的を明確にしてから、計画的に進めていきましょう。
また退去手続きや入居手続き、住所変更手続きなどさまざまな手続きが必要ななか、忘れがちなのが郵便物の転送手続き。これは必須の手続きではありませんし、手続きをしなくても罰則はありません。ですがスムーズに郵便物を受け取るためには、決して欠かせない手続きです。
一方でより業務効率化を進めたい人には、メールメイトがおすすめです。ぜひ活用して、郵便物のデータ化を進めましょう。
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