離婚後の住所を知られたくない時はどうする?対応策を詳しく解説
「離婚後、元配偶者に新しい住所を知られたくない」
「自分と子どもの住民票を非開示にすることはできる?」
「別居先を知られてしまう原因は何?」
この記事では、こんな不安や悩みを解消していきます。
離婚した人の多くは引っ越しをして、元配偶者とは別の場所で新生活を始めます。この時、相手に新住所を知られたくないという人は多いですよね。特にDV等の被害者の場合は、慎重に手続きを進めたいところでしょう。けれども手続きの仕方によっては、相手に住所を知られてしまう可能性があるのです。
そこで本記事では、相手に住所を知られないための対策を具体的に解説します。離婚後に安心して生活するためにも、ぜひ参考にしてください。
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住所を守るカギとなるのは住民票と戸籍の附票
住民票とは、一人ひとりの氏名や住所をまとめた記録です。引っ越しの際に役所で転居届や転出届を提出すると、住民票も異動します。住民票は本人のほか、同一世帯の家族が取得することも可能です。
そして戸籍の附票とは、戸籍に記載されている人物について、住所移動の履歴をまとめた資料のこと。住民票を異動した記録が残っていくため、「住所の履歴書」とも呼ばれています。
戸籍の附票を取得できる人物には、本人だけでなく配偶者や直系尊属、直系卑属も含まれます。つまり夫婦間で互いの附票を取得できるほか、親や祖父母、子や孫が取得することも可能。新住所を元配偶者に知られたくない時は、住民票と戸籍の附票の上手な管理が必要です。
元配偶者に離婚後の住所を知らせない方法
元配偶者に離婚後の住所を知られないようにするには、住民票の住所や戸籍の附票を見られない状態にしておくことが大切です。婚姻中は簡単に互いの住民票や戸籍の附票を取得できますが、離婚後はそれが難しくなります。ただし手続きの順番を間違えると、新住所を知られるリスクがあるので注意しなければなりません。
ここでは、住所を知られないためにできる対策を3つご紹介します。
1)引っ越しの前に離婚届を出す
離婚届を出す前に引っ越しをし、住民票を異動してしまうと、戸籍の附票には引っ越し先の住所が記載されます。その附票を配偶者が取得すると、引っ越し先の住所も知られてしまいます。そのリスクを避けるためには、引っ越しの前に離婚届の提出が必要です。
離婚届を出せば、夫婦の戸籍は別々になります。戸籍の筆頭者は婚姻時の戸籍に残り、もう一方は結婚前の戸籍に戻るか、自分が筆頭者となって新戸籍を作成することになります。そして婚姻時の戸籍から抜けると同時に戸籍の附票からも抜けるため、その後の引越し先を元配偶者が見ることはできなくなるのです。
転居届を提出するのは転居してから14日以内
住民票を異動するには、役所に転居届や転出届等を提出する必要があります。そのため「まずは引っ越して、離婚届の提出後に住民票を移せばいい」と考える人もいるでしょう。
ところが住民基本台帳法によると、転居届は転居後14日以内に提出するよう定められています。そのため離婚届を出すまでに時間がかかる場合には、注意しなければなりません。
2)本籍地の設定を工夫する
離婚して戸籍を抜けた人は、本籍地も変わります。結婚前の戸籍に戻る場合は両親と同じ本籍地になりますし、新しく戸籍を作る場合は自分で本籍地を設定します。
そして本籍地が変わった場合、婚姻時の戸籍にも新しい本籍地が記載されます。そのため新しい本籍地を引っ越し先の住所に設定してしまうと、そこから元配偶者に住所を知られる可能性があるのです。それを避けるには、本籍地の設定を工夫しなければなりません。
本籍地の設定は自由度が高く、一度も住んだことがない場所に本籍を置くことも可能です。元配偶者に住所を知られるリスクを減らしたい人は、実家や転居先ではない住所を設定するとよいでしょう。
3)住民票に閲覧制限をかける
DVやストーカー、児童虐待等の被害を受けた人は、住民基本台帳事務におけるDV等支援措置を申し出ることで、住民票に閲覧制限をかけることが可能です。閲覧制限をかければ、相手が行う以下の請求を制限できるようになります。
住民基本台帳の一部の写しの閲覧
住民票とその除票の写し等の交付
戸籍の附票とその除票の写しの交付
ただし最初に警察や配偶者暴力相談支援センターなど、専門機関に相談するのが原則です。そのうえで市区町村宛に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出しましょう。市区町村が「支援が必要」と判断した場合に、閲覧制限の措置がとられます。
措置の期間は1年間ですが、必要に応じて延長も可能です。
参考:総務省|住民基本台帳等
子どもと生活する場合は子どもの戸籍も変える必要がある
夫婦間に子どもがいる場合、子どもの戸籍をどうするか考えなければなりません。婚姻中は夫婦と子どもが1つの戸籍に入っていますが、離婚後はいずれか(たとえば妻)がその戸籍を抜けることになります。ところが親権を妻がとったとしても、子どもは筆頭者(たとえば夫)の戸籍に入ったままなのです。
子どもが夫の戸籍に入っていれば、夫は戸籍の附票から子どもの住所を見ることができます。妻と子どもが一緒に生活していれば、妻の住所もわかってしまうでしょう。
それを避けるには、子どもの苗字を変更して妻の戸籍へと移さなければなりません。離婚後にこの手続きを行うには、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」を申し出る必要があります。
【注意】郵便物が原因で新住所を知られる可能性もある
離婚後はさまざまな制度を活用することで、元配偶者に住所を知られるリスクを下げることができます。なるべく多くの対策を組み合わせれば、より住所を知られにくくなるでしょう。
ただし制度上どうしても防ぎきれないのが、郵便物経由で住所を知られてしまうケース。離婚届を出すタイミングを考え、本籍地の設定を工夫し、住民票に閲覧制限をかけても、新住所の書かれた郵便物を見られれば簡単に住所がわかってしまいます。
郵便物経由で住所を知られてしまうケースとしては、たとえば以下が考えられます。
ケース1)旧住所で元配偶者が郵便物を受け取ってしまう
自分が引っ越した後で旧住所宛に郵便物が届いた場合、元配偶者がその郵便物を受け取る可能性が出てきます。郵便物には個人情報が多く含まれているため、どんな情報が相手に伝わるかわかりません。もしも現住所につながる情報が含まれていれば、住所を知られるリスクとなるでしょう。
それを避けるには、各所で住所変更を行うなど、旧住所宛に郵便物が届かないよう対策しておく必要があります。
ケース2)貼られた転送シールで現住所がわかってしまう
郵便局の転送サービスを利用すれば、旧住所から新住所へと郵便物を転送してもらうことができます。転送期間は1年間で、サービスの利用料金はかかりません。
ただし転送を申し込んでから実際に転送が始まるまで、3〜7日ほどタイムラグが生じます。そして転送が始まる前の期間などは、転送シールの付いた郵便物が旧住所に届いてしまう可能性があるのです。それを見られると、すぐに新住所がわかってしまいます。
また書留郵便をはじめ対面での受け取りが必要な郵便物は、保管期間を過ぎると差出人の元へ還付されます。この時転送シールが付いたままになっていた場合も、差出人に住所を知られてしまうでしょう。
ケース3)親族宛の郵便物から住所を追跡される
重要な郵便物やゆうパックなどの荷物には、郵便追跡サービスを付けることがあります。これは追跡番号をもとに、郵便物がどこにあるかをリアルタイムで把握できるサービス。郵便物の安全性を保つうえで役立っています。
一方で追跡サービスを使えば、差出人には「どの郵便局を経由して配達されたか」ということがわかります。具体的な住所こそ見ることはできないものの、おおよそのエリアは検討がついてしまうでしょう。
もちろん郵便物の転送記録も残るため、たとえば相手に実家の住所を知られている場合などは注意が必要。実家宛に届いた追跡サービス付きの郵便物を転送することで、新住所のエリアを知られてしまう可能性があります。
ケース4)元配偶者宛の郵便物が新住所に届いてしまう
時には元配偶者宛の郵便物が、新住所に誤配達されることもあるかもしれません。そこに住んでいない場合は「受取人不在」と記したうえでポストに投函すれば、差出人に還付されます。迷惑な郵便物の受取拒否をする時と同じですね。
ただこの時転送シールが付いたままだと、やはり差出人に新住所が知られてしまいます。元配偶者が差出人に問い合わせれば、新住所もわかってしまうでしょう。
役所や金融機関での住所変更も忘れずに
郵便物の転送サービスは便利な反面、時にはリスクとなるケースもあります。またすべての郵便物を転送できるわけではないので、その点にも注意しなければなりません。
たとえば役所や裁判所から届く書類、金融機関から届く書類やカード類は、転送不要郵便として送られてくることも多いです。それらは転送されず差出人のもとへ返送されてしまうため、住所変更をしておかなければ受け取ることができません。
住所変更をしておけば転送サービスを使う必要もないので、住所を知られるリスクも軽減できるはず。引っ越し後は忘れずに連絡し、住所を変更しておきましょう。
自宅住所を出さずに郵便物を受け取ればリスク回避できる
制度上できる対策をしていても、郵便物が原因で住所を知られる可能性は残ってしまいます。そのリスクを回避し、安全な生活を守るには、自宅の住所を出さずに郵便物を受け取るのが1番ですよね。そのために役立つのが、クラウド私書箱です。
たとえばクラウド私書箱の一つ・メールメイトの場合、以下の流れで郵便物を受け取ります。
郵便局に転居届を出し、転送先をメールメイトの住所に設定する
転送開始後、メールメイトに利用者宛の郵便物が届く
届いた郵便物はスキャンされ、PDFデータとしてマイページにアップロードされる
利用者はスマホやパソコンから郵便物データを確認する
ここには2つの安全を守る仕組みがあります。
安全を守る仕組み①郵便物に引っ越し先の住所が表示されない
クラウド私書箱を使う場合、転送先として私書箱の住所を使います。そのため万が一誰かに転送シールを見られても、実際の住所を知られる心配はありません。
追跡サービスが付いた郵便物も同様です。「取扱局」として表示されるのは私書箱の住所を管轄する郵便局であり、それによって実際に住んでいるエリアを知られることはないでしょう。
安全を守る仕組み②郵便物の誤配やいたずらを防げる
一般的な私書箱と異なり、クラウド私書箱の場合は郵便物をデータとして保管・管理します。スマホやパソコンで郵便物を確認できるため、自宅に郵便物を届ける必要はなし。それゆえ郵便物の誤配やポストのいたずら等を完全に防ぐことが可能です。
このようにクラウド私書箱には、郵便物から住所を知られるリスクを0にするための仕組みが備わっています。制度上の対策では不安だという人は、こうしたサービスも併用するとよいでしょう。
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あなたの住所は一切明かされません。
離婚後 住所 知られたくないに関するQ&A
ここでは離婚後の住所を知られたくない場合に、よく寄せられる質問に回答していきます。
Q1)離婚後に住所変更しないとどうなる?
離婚届を出して引っ越した後は、14日以内に転居届や転出届を提出しなければなりません。提出しないままでいると、住民票上の住所と実際の居住地が違ってしまうため、次のような問題が起きます。
給付金等の公的サービスが受けられない
役所からの重要書類が届かない
子どもの転校手続きがスムーズにいかない
選挙に参加できない
5万円以下の過料を科せられる など
ただ、一時的な別居や1年に満たない単身赴任のように生活の拠点が変わらない場合は、住民票を異動しなくても良いとされています。またDVや虐待などやむを得ない事情がある時も、住民票を異動をせずに済む場合があるので、まずは役所に相談してみましょう。
Q2)転居届・転出届と除票はどう違う?
同じ市区町村内で引っ越しをした場合、役所に提出するのは転居届。転居届を出すと、同じ市区町村内で住民票が異動されます。
一方、別の市区町村に住民票の異動をする際は、転出届が使われます。たとえばA市からB市へ転出する場合は、A市に転出届を、B市に転入届を提出することで、住民票がA市からB市へ移るのです。しばらくはA市でも住民票が保存されますが、5年後には消除となり、これを「除票」と呼びます。
つまり転出届を提出すると住民票も除票されますが、タイミングにはズレが生じます。なお転居届を提出しても、住民票が除票されることはありません。
Q3)DV等支援措置の申出者となるのはどんな人?
住民票の閲覧制限をかけるなどのDV等支援措置を申し出ることができるのは、以下に当てはまる人に限られます。
相手から暴力を受けていた
相手からストーカー行為を受けていた
児童虐待を受けていた
上記3点に準ずる行為を受けていた
また申出者だけでなく、申出者と同じ住所に住んでいる人も、あわせて支援措置を受けることができます。
離婚後安心して暮らすためには事前の対策が重要
本記事では、離婚後に住所を知られたくない人向けに、主な対策を解説しました。特にDVや虐待等の被害者にとって、加害者に引っ越し先の住所を知られるのは大きな恐怖ですよね。行政にはさまざまな制度が整っているので、安全な生活を守るためにも活用しましょう。
ただ制度上の対策を万全にしていても、1通の郵便物が原因で住所を知られてしまう可能性があります。対処法としては、クラウド私書箱の活用が有効。クラウド私書箱を使えば、自宅の住所を書かなくても郵便物を確認できるようになるため、転送サービスに潜む危険を排除することができます。
ぜひ利用できる制度やサービスを活用しながら、安心を手に入れてください。
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