ワーケーションのデメリット4つ・メリット・導入事例・向いている職業
「ワーケーション楽しそうだけどどんなデメリットがあるの?」
「ワーケーション中、紙の郵便物の管理はどうすればいい?」
ワーケーションに興味があるけど、デメリットが心配という方はいませんか?
2000年頃にアメリカで注目され、生産性向上に繋がるとも期待されているワーケーション。
観光地やリゾートで非日常を味わいながらのワーケーションは柔軟な働き方として大変魅力的ですが、導入にあたってはデメリットも存在します。
本記事では、ワーケーションのメリットデメリット、ワーケーションの課題への対策、リモートワークとワーケーションの違いなどについて解説していきます。
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ワーケーションとは?場所にとらわれない新しい働き方
ワーケーションとは、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた造語で、休暇をとって旅行先から仕事する新しい働き方のことです。
場所に縛られず働けるため、周囲を気にせず集中して仕事をしたい方には魅力的な働き方なのではないでしょうか。
ただ、ワーケーションという働き方は実際にはまだあまり浸透していないようです。
令和3年度に公開された総務省の統計では、企業のテレワーク導入形態の割合を以下のようにまとめています。
上記の分類で言えばワーケーションはモバイルワークに当てはまりますが、在宅勤務と比較するとまだまだ活用度は低めのようです。
しかし、環境省では地域の活性化や環境問題への取り組みとして国立公園でのワーケーションを提案しており、国としてはこのような働き方を推進していると言えます。
このように、ワーケーションは現在の日本ではまだメジャーではありませんが、リモート化やワークライフバランスの改善が進んでいく上では今後増加する可能性のある働き方なのです。
ワーケーションとテレワークの違いは?
ワーケーションとは、上記で説明したように仕事と休暇を合わせた働き方のことです。
一方で、テレワークとは従業員がオフィスへ出勤せずに自宅やカフェ、コワーキングスペースなどオフィス外から働く働き方を指します。
テレワークはパソコンで仕事を完結できる従業員が取り入れられる働き方です。
特にコロナウイルス流行が多くの企業にとってテレワークを導入するきっかけとなりました。
つまり、ワーケーションをしている場合は長期休暇をとってリゾート地からテレワークをしているということになります。
テレワークのメリットとデメリット
テレワークのメリットは、時間や場所にとらわれずに柔軟で多様な働き方ができるため従業員のワークライフバランスや生産性の向上が期待できる点です。
さらに、企業全体がテレワークである場合、オフィスの電気代や賃料などを節約することができる上に、世界中どこからでも人材を雇用することができます。
一方でテレワークのデメリットは、社員同士のコミュニケーションの機会が少なくなるため孤立感を感じやすい、ストレスを感じやすくなるなどが挙げられます。
リモートワークを快適に、効率的に行うためにはそれを支援してくれるリモートワークのツールを導入し環境を整える必要があります。
リモートワークのツール無しでは、社員同士のコミュニケーション不足となり仕事をスムーズに進めることが難しくなるでしょう。
ワーケーションに向いている職種は?
ワーケーションは、オフィスから離れた場所で働くため、向いている職種と向いていない職種があります。
ワーケーションに向いているとされる職種は以下の通りです:
・IT企業
・webデザイナー
・webライター
・webマーケーター
・プログラマー
・ライター・編集者
・テレワークができる企業
・フリーランサー
基本的に、パソコン上で業務が完結される仕事でないとワーケーションを行うことは難しいです。
しかし、今日では様々な業務をDXするためのツールやシステムなどが利用可能であるため、テレワークを導入する企業も増えています。
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ワーケーションの4つのデメリット
休暇と仕事を組み合わせることで柔軟な働き方がかなうワーケーションですが、デメリットもあります。
中には、以下のような課題が原因でワーケーションの導入に踏み出せないと感じている方も多いのではないでしょうか。
ワーケーションのデメリット1: 運用コストがかかる
ワーケーションを取り入れる上での注意点は、運用コストの問題です。
ワーケーションの「社外で仕事をする」という特性上、在宅などでのテレワークと同様かそれ以上の環境整備が必要になってしまいます。
たとえば、使用するPCなどの機器や、コミュニケーションツールの導入などです。
このような環境を整えるためにもコストが発生します。
すでにリモートワークを実施している企業であれば上記の点は問題にはなりませんが、ワーケーションでかかるコストはこれだけではありません。
リゾート地までの交通費や宿泊費も必要です。
このように、ワーケーションを実施する際の課題は、テレワークのための環境整備や交通費や宿泊費などのコストがかかってしまいまう点です。
ワーケーションのデメリット2: 勤怠管理が困難
ワーケーションを導入する上で挙げられる2つめのデメリットは、勤怠管理の難しさです。
テレワーク全般に言えることですが、社内で業務を行う場合と比較して労働時間の把握がしづらいというケースも少なくありません。
また、ワーケーションでは周囲に社内の人がいないことから、自己管理がより必要になると言えるでしょう。
業務に対するモチベーションが保てなくなってしまったり、プライベートと仕事の切り替えがうまくいかなくなってしまう人もいるかもしれません。
生産性が向上すると注目のワーケーションですが、管理体制によっては逆に業務効率が落ちてしまう可能性もあるのが課題の1つですね。
ワーケーションのデメリット3: 情報漏えいの可能性が高まる
ワーケーション先の設備によってはWi-Fiなどのセキュリティ管理が甘く、情報漏えいを引き起こすおそれがあります。
また、ワーケーション先に持ち込むPC等の機器を紛失してしまったり、盗難に遭う可能性もないとは言い切れません。
このように、宿泊先でのセキュリティトラブルも考えられるというのが、ワーケーションのデメリットと言えるでしょう。
ワーケーションのデメリット4: 郵便物が受け取れない
自宅やオフィスに届いた郵便物を確認しづらいというのも、ワーケーションの課題のひとつです。
ワーケーションでは長期的にリゾート地に滞在するケースも多く、その間に届いた郵便物を確認できないというのは困りもの。
しかし、いちいち郵便物をチェックするためだけに出社・帰宅したり、他の人に確認を依頼するというのも大変です。
ペーパーレス化が進んでいるとはいえ、まだまだ郵便物はポストに届きます。
これらを確認する手間を考えると、ワーケーションに踏み出しづらい方もいるのではないでしょうか。
参考:レターパックの転送は法人も使える!会社の郵便物を転送する3つの方法
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ワーケーションのデメリットに対する4つの解決策
上記で解説したさまざまなデメリットが障害となり、ワーケーションの導入が難しいと感じる場合もあるでしょう。
本項目では、ワーケーションで発生しうるデメリットや課題の解決策を解説していきます。
解決策①コスト軽減には補助金や助成金を活用
ワーケーションを実施する上で発生する宿泊費などのコストに対しては、補助金や助成金を積極的に活用することが有効です。
自治体によってはワーケーションにかかった費用の一部を補助金として支給しているところがあります。申請方法や補助金の対象は各自治体で異なるため、確認してみてください。
このように、ワーケーションは魅力的だけれど費用負担がネック、という方には補助金・助成金の活用がおすすめです。
例えば、北海道富良野市のワーケーション助成金の対象者は、市外の社員、企業、団体の役員、フリーランス、個人事業主となっています。
ワーケーションを実施する時期によって助成金の限度額が変わる仕組みになっているようです。
おすすめ記事:フリーランスデザイナーの請求書の書き方を解説!テンプレートも紹介
解決策②勤怠管理システムを見直す
社外で勤務する従業員の労働状況を確認するのが難しい場合は、管理システムや仕組みの見直しが有効です。
勤怠管理システムの見直しや勤務開始時のルールを制定するのもよいでしょう。
フレックスタイム制の導入や有給取得条件の変更なども視野に入れてみてください。たとえば、有給であれば1日・半日単位ではなく時間単位で取得できるようにするなどもひとつの方法です。
ワーケーションでは従業員の労働状況が見えにくくなりがちですが、仕組みを見直すことで全体的な業務効率も改善するのではないでしょうか。
解決策③セキュリティシステムを整備する
ワーケーションには、セキュリティシステムの整備が必須です。セキュリティソフトの用意はもちろんのこと、通信を暗号化して保護するためのVPN設定なども欠かせません。
また、システムの整備だけではなく、日ごろから情報セキュリティ意識を高く持っておくというのも大切なポイントです。
解決策④紙の郵便物はオンラインで確認
ワーケーション中にオフィスや自宅に届く郵便物の確認に困る!という場合は、クラウド上で紙の郵便物を確認できるようにしてみるのはどうでしょうか。
そこでおすすめのツールが、クラウド郵便サービスです。
MailMate を使うと日本の住所に届く郵便物であれば、スマホやPCから確認・管理することができます。さらに、届いた郵便物はPDFデータ化され、チーム内での共有も可能です。
MailMate を使うことで郵便物の受け取りのためだけの出社や帰宅をする必要がなくなります!
ワーケーションの4つのメリット
ここまでワーケーションのデメリットを解説してきましたが、もちろんメリットも存在します。
デメリットを解決した上でワーケーションを導入できれば、以下のような利点を得られる可能性があるのです。
ワーケーションのメリット1: 作業に集中でき生産性が向上
ワーケーションを活用できれば、結果として生産性の向上が期待できます。
リゾートの宿泊施設など落ち着いた環境では社内より周囲を気にせず作業に集中できるため、結果として作業効率が上がる場合もあるでしょう。
ワーケーションのメリット2: 有給取得率アップ
ワーケーションを導入することで、今まで有給休暇を積極的に取得することができなかった人も取得しやすくなるでしょう。
年5日の年次有給休暇の確実な取得が義務付けられた背景もあり、従業員に有給取得を促すのに苦慮している企業もあるかもしれません。
ワーケーションを取り入れれば、長期休暇と合わせて業務を実施できるため、有給を取得しづらいと感じていた従業員も有給休暇の取得がしやすくなります。
ワーケーションのメリット3: 滞在先の活性化
ワーケーションで得られるメリットは、企業や従業員・働き手だけにとどまりません。
地域や自治体がワーケーションの補助金やプランを用意して受け入れることで、地域の創生にも繋がります。
観光地によっては閑散期もありますが、ワーケーションを受け入れればその期間も収益が期待できるという利点もあります。
ワーケーションでその地域の良さに気づく・気づいてもらうということも期待でき、両者にとってもメリットなのです。
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ワーケーションのメリット4: 柔軟で多様な働き方を促進できる
ワーケーションを導入することで、社内で柔軟で多様な働き方を促進することができます。
場所に縛られずに働くことができるワーケーションは、社員にとって都合の良い働き方であるだけではありません。
企業にとってもさまざまな利益があります。例えば、オフィススペースを節約することができたり、従業員が海外から働く場合は、24時間のカスタマーサポートが可能になります。
また、ワーケーションを導入することで従業員満足度、エンゲージメント向上やリクルートでは優秀な社員を惹きつけることも可能です。
全国のワーケーションポータルサイト
ここでは、日本各地のワーケーションポータルサイトを紹介します。
1. workation@FUKUOKAワフ (福岡市)
ワフは、ビジネス街と豊かな自然が共存する街、福岡市でのワーケーション情報を提供するポータルサイトです。
情報がたくさんあって、何を選んでいいかわからないという方は、ワフページから専用コーディネーターに相談でき、おすすめのプランを提案してくれます。
また、宿泊施設やワークスペース、ビジネスイベント、観光情報など仕事をしながら休暇を楽しむのに必要な情報をサイト内で収集することも可能です。
本記事で挙げたようなワーケーションの課題などが気になる方は、コーディネーターの方に一度相談してみると良いかもしれませんね。
2. Hokkaido Work×Vacation 北海道型ワーケーション
北海道型ワーケーションのページでは、条件やエリアを選ぶと自分に合ったワーケーションプランを検索することができます。
こちらも同じく北海道での仕事をする場所や休暇の過ごし方、イベントについての情報が満載です。
より詳しい情報が欲しい方は相談・お申し込み窓口から相談することができます。
3.MiWork宮城 みわーく
みわーくは、宮城県のワーケーションに関する情報を提供するポータルサイトです。
観光施設や、宿泊先、趣味を楽しめる場所など情報が盛りだくさんです。
ページ内では、上のようなカテゴリやエリア、こだわりを選ぶことでおすすめスポットを検索することができます。
みわーくも他のポータルサイト同様、相談を受け付けているため、気になった方は一度相談してみてはいかがでしょうか?
4. ふくしまワーケーション(福島県)
ふくしまワーケーションでは、温泉地でくつろぐワーケーショんや国立公園での自然に触れるワーケーションなどさまざまなワーケーションプランやツアーが紹介されています。
訪れてみたい地域や観光スポットを選択すると、それに合ったワーケーションプランを見ることができます。
企業のワーケーション導入事例3つ
ここでは、企業のワーケーション導入事例を3つご紹介いたします。
1. ユニリーバ・ジャパン WAA (Work from anywhere and anytime)
ユニリーバ・ジャパンには、働く時間と場所を従業員が自由に選ぶことができる働き方 Work from anywhere and anytime (WAA) が導入されています。
平日の5時から22時の間であれば勤務時間と休憩時間を自由に決めることができ、1ヶ月の所定労働時間を設けて労働時間が足りない月があれば翌月に調整して労働時間を調整することができます。
この自由な働き方WAAの実施率はほぼ100%でアンケートでは、
「自分で使っていく時間を主体的に選択できるようになったことが大きい。人生が変わった」
「余計なストレスが軽減し、より仕事への意欲が増した」
というポジティブな反応を得ているようです。
さらに、ユニリーバは働く場所として地域と連携して提携の施設をコワーキングスペースとして従業員が無料で利用できるようにしています。
行き先には、北海道、宮城県、山形県、福井県、静岡県、和歌山県、山口県、宮崎県などがあるようです。
2. ランサーズ株式会社 時間と場所にとらわれない働き方
ランサーズ株式会社は、以前より時間と場所にとらわれない働き方を導入しており、ワーケーションもその制度内で可能です。従業員の中には、世界一周旅行をしながら働いている方もいます。
そして、ワーケーションにまつわる様々なリスクを心配するよりも、外で新しいことに取り組み、新しい場所に行って刺激を受け、新しいアイデアや繋がりを見つけることで、企業は生き残っていけるという考えが基盤にあるようです。
3. 日本マイクロソフト株式会社 いつでもどこでも誰とでもコラボレーション
日本マイクロソフト株式会社は、よくテレワーク推進で注目されている企業の一つです。会社のルールは、いつでもどこでも誰とでもコラボレーションです。
ワーケーションやテレワークなどの特別な制度ではなく、普段からいつでもどこでも働く選択肢があります。
この選択肢は、誰とでもコラボレーション、1人の知識よりも3人寄れば文殊の知恵を実現しやすくするためのものだそうです。そのため、コラボレーションが必要であれば出社も必要になります。
このように、テレワークか出社かということではなく、ボーダーラインがない働き方が浸透しているようです。
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ワーケーションの導入にあたっては課題やデメリットもあり、踏み切れないというケースも多いでしょう。
しかし、ワーケーションは企業や働き手だけではなく地域にも利点がある働き方です。
ワーケーションのデメリットにうまく対処し、柔軟で自由な働き方を可能にすることで会社全体の生産性アップ・モチベーションアップなどを期待することができます。
郵便物を受け取るためだけに帰宅や出社してませんか?
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