行政書士はバーチャルオフィスの住所を開業に使える?事務所登録条件を解説
行政書士がバーチャルオフィスを使って開業できるか知りたい
行政書士が事務所登録をするにはどこを使えばいいのか
自宅を行政書士事務所にしたいけれどプライバシーも守りたい
行政書士の資格を取得した、またはこれから取得しようと考えている方の中には、上記のように疑問をお持ちの方もいるでしょう。
本記事では、行政書士として仕事をするためにバーチャルオフィスを利用できるかどうかについて解説します。
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行政書士の登録にはバーチャルオフィスは利用できない
結論から述べると、行政書士の登録にはバーチャルオフィスを利用することができません。
なぜなら、行政書士として登録するためには、条件を満たす物理的な事務所が必要だからです。これは、行政書士法8条で定められています。
また、士業である行政書士は、資格を取ったとしても、登録をおこなわなければ業務ができない仕事です。
つまり、行政書士として活動するには、事務所を用意して行政書士登録を済ませなければならないのです。
バーチャルオフィスは、残念ながら行政書士事務所として登録可能な条件を満たしていません。基本的に住所貸しがメインで、行政書士の事務所として認められる環境を揃えた物理的な空間を提供していないからです。
例:東京都行政書士会の事務所設置等に関する規定
バーチャルオフィスを行政書士の事務所として利用できない根拠の一例として、東京都行政書士会の規定を挙げます。
こちらの事務所設置等に関する規定第6条(事務所の制限)では、「会員は、物理的実態を持たない仮想のスペースを事務所としてはならない」と記載されています。
行政書士登録できる事務所の条件とは
行政書士として登録できる事務所の条件には、以下の3つが挙げられます。
行政書士として業務可能な設備があること
その空間を行政書士事務所として利用する権限を持っていること
業務の秘密を保持するための独立した環境であること
これらを満たした空間のみが、行政書士の事務所として認められます。
行政書士として業務可能な設備があること
事務所登録には、以下のように行政書士としての設備が必要です。
事務スペース・応接スペース等の空間
電話
鍵のかかる書類等保管庫
パソコン
金庫
デスクと椅子
プリンター・コピー機
図書棚
パソコンや電話、プリンター等を利用するための通信回線設備
証明 など
そして、事務所登録の申請の際は、これらが揃っていることを証明する写真も必要となります。
規定の写真貼付用紙等で提出する必要があるため、写真を撮影しなければなりません。
さらに、登録申請後に行政書士会による事務所調査がおこなわれる都道府県もあります。事務所調査は、支部長が直接事務所のレイアウトをチェックするというものです。
その空間を行政書士事務所として利用する権限を持っていること
行政書士の事務所として登録が可能な条件の一つに、その空間を事務所利用する権限を持っていることが挙げられます。
たとえば、賃貸物件等を事務所として使いたい場合、管理会社や大家さんなどに確認を取りましょう。
さらに、契約書の利用期間が1年以下では事務所とみなされないため、注意が必要です。
自宅の場合も、自分が名義人でない場合は、名義人に許可を取る必要があります。
なお、都営住宅等は事務所として利用することが禁止されているため利用できません。
登録の際に使用権利を証明する書類等の提出が必要な場合もあるため、賃貸マンション等を事務所利用したい場合はこれらも用意しましょう。
業務の秘密を保持するための独立した環境であること
行政書士の事務所は、業務の秘密保持が可能な独立した空間である必要があります。
仮に自宅を行政書士の事務所として登録する場合でも、居住部と事務所部分を区別しなければなりません。
たとえば、施錠できる個室、リビングを通らない部屋などを設けるなどして、明確に事務所として区分する必要があります。
その他にも、不特定多数の人間が出入りできないような空間が必要です。
行政書士が登録可能な事務所の場所とは
上記で述べた条件を踏まえると、行政書士の事務所として使えるのは以下のような場所となります。
自宅
賃貸オフィス
レンタルオフィス など
自宅
自宅を行政書士の事務所とする場合、別に事務所を用意するコストが発生しないのがメリットです。
行政書士の開業には、登録だけでも20〜30万円ほどの費用がかかってしまいますから、コストを抑えたいという方は自宅を事務所として選ぶケースも多いのではないでしょうか。
一方で、自宅を事務所登録するということは、行政書士会のホームページに自宅住所が掲載されるということでもあります。
個人で開業する場合などは、ネットで検索されると自宅住所がすぐにわかってしまうということから、プライバシーが不安というケースもあるでしょう。
賃貸事務所
賃貸事務所を行政書士の登録に利用する場合、自宅住所が公開されないのがメリットです。また、自分の事業用の事務所を持つということで、業務に対するモチベーションにつながる可能性もありますね。
しかし、事務所を借りることになるため、どうしても賃貸の初期費用や月額費用がかかってしまいます。
予算に余裕がある場合は、賃貸事務所を検討してみるのもよいのではないでしょうか。
レンタルオフィス
レンタルオフィスはバーチャルオフィスとは異なり事務所のように利用できる空間を貸し出しているのが特徴です。
レンタルオフィスにもさまざまな形態があるため、一概にすべてが行政書士の登録に使えるとはいえません。
たとえば、時間貸しのレンタルオフィス等の場合、事務所として登録できない可能性があります。
しかし、個室で設備が整っているレンタルオフィスであれば、行政書士の事務所としての要件を満たしている可能性が高いです。
コワーキングスペースの場合も、完全な個室をレンタルできる場合は事務所として認められるケースがあるかもしれません。
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行政書士の登録の流れ
行政書士の登録は、以下のような流れでおこないます。
申請書類の提出
行政書士の登録申請には、必要書類を用意して提出する必要があります。
以下は必要書類の例です。
行政書士登録申請書
履歴書
誓約書
本籍地の記載された住民票の写し
身分証明書
顔写真
事務所の写真貼付用紙
事務所の使用承諾書 など
この他にも、事務所形態や各都道府県の行政書士会によって必要な書類が異なる可能性があります。
申請書類の詳細や、提出先については、各都道府県の案内を確認してください。
都道府県行政書士会による書類受付、現地調査など
必要書類を提出すると、各都道府県の行政書士会による受付、書類精査がおこなわれます。
支部によっては、書類の受理が完了したのち、事務所の現地調査がおこなわれるケースもあります。
事務所調査では、申請書類の内容確認や事務所が行政書士の業務をおこなえる環境にあるかを確認されるようです。
日本行政書士連合会による審査など
都道府県行政書士会による書類精査等が完了した後、日本行政書士連合会による審査がおこなわれます。
審査に通った場合、行政書士名簿登録がおこなわれ、登録証等が交付されます。
行政書士は許認可申請の住所としてバーチャルオフィスを使える?
行政書士は行政書士会に登録するための事務所としてバーチャルオフィスを利用することはできません。
また、許認可申請等や、公開用の住所として使えるか?という点については、SNSにて現役の行政書士の方がコメントしていました。
”私は自宅兼事務所なのですが…
行政書士会のページに記載されるのはいいとして、HPや名刺で住所を公にする時に『郵送先住所』などの名目でバーチャルオフィスの住所を記載していいか確認したところ、紛らわしい記載は避けた方が良いとの事でした。
いいアイディアだと思ったんだけどなー、残念😅💦”
つまり、自宅を事務所にして、公開用や郵送先としてバーチャルオフィスを利用することは推奨されていないということなのですね。
行政書士はサービス利用のためにバーチャルオフィスを使える
行政書士として開業するためには事務所登録が必要であり、物理的な空間を借りることができないバーチャルオフィスを登録することは不可となっています。
さらに、公開用の住所として利用するのも、正直なところ推奨できません。
しかし、それでは行政書士がバーチャルオフィスをまったく利用できないのか?というとそうではありません。
行政書士であっても、ビジネスに関わる部分とは別に、バーチャルオフィスで提供されているサービスを利用することができます。
たとえば、自宅の郵便物管理や、請求書の支払い代行など、バーチャルオフィスでは便利なサービスを提供しています。
これらのサービスを活用すれば、本来の業務に集中しやすくなりますよ。
【バーチャルオフィス】行政書士の利用は行政書士会等に要確認!
今回は、士業の行政書士が開業するためにバーチャルオフィスを利用できるか?という点について解説しました。
行政書士がバーチャルオフィスを利用したいという場合、事務所登録に住所を利用することはできません。
また、自宅のプライバシーを守るための公開用住所として利用できるかについては、避けたほうがよいと言われた行政書士の方もいるほか、都道府県等によっても異なる可能性もあります。
どうしてもバーチャルオフィスの住所を利用したいという場合、行政書士会に確認してみることをおすすめします。
自宅を事務所にした場合、行政書士会に住所や電話番号が記載されますので、プライバシーを守りたいという方は賃貸事務所やレンタルオフィスを利用するのがおすすめです。
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