インボイス(適格請求書)の書き方は?必須事項や注意点をわかりやすく解説

最終更新: September 12th, 2024
インボイス(適格請求書)の書き方は?必須事項や注意点をわかりやすく解説

「インボイス制度対応の請求書には何を書くべき?」

「インボイス対応請求書と従来の請求書の違いは?」

「インボイス対応請求書の例は?」

この記事は、上のような疑問をお持ちの方に向けて書かれています。

本記事では、適格請求書等保存方式、インボイス制度とは何か、基本的な項目、そして適格請求書の例をご紹介いたします。

インボイス制度について知りたい方はぜひ最後までお読みください。

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インボイス(適格請求書)とは?

インボイス(適格請求書)とは?

令和5年10月よりインボイス制度(適格請求書等保存方式)が開始されました。

インボイスは請求書の一種で適格請求書とも呼ばれますが、納品書や領収書、レシートなどであっても必要事項を満たしていればこの適格請求書として扱われます。

インボイス制度開始後、原則として仕入税額控除には登録事業者のみが発行できるインボイス(適格請求書)の保存が必要になりました。

インボイス制度の目的とは?

インボイス制度の目的は、売手と買手の税率・税額の認識を一致させることです。

税率と税額の認識を一致、と聞くとややわかりにくいと感じる方もいるかもしれないので、もう少しくわしく説明します。

現在、消費税は10%ですが、食品などは8%の軽減税率が適用されていますよね。そのため、請求書内で10%の商品と8%の商品が混在するケースも考えられるわけです。

こんなふうに複数の税率が混ざっていると、計算間違いや不当利益が発生する可能性があります。

そこで、インボイス請求書では各商品を価格や税率ごとに区分して記載します。こうすることで、ミスや不正を減らせるのですね。

このように、インボイス制度には、上記のようなルールを満たした請求書を発行することで税率や税額の認識を明確にし、消費税を正確に納付させる目的があります。

インボイス制度(適格請求書等保存方式)と従来の請求書の違い

インボイス制度に対応した適格請求書が従来の請求書と異なる点は、以下のとおりです。

1.適格請求書を発行できるのは登録を受けた事業者のみ

2.仕入税額控除の要件に対応している

3.請求書の記載事項が追加

従来の請求書の発行に事業者登録などは不要でしたが、インボイス請求書はそうではありません。

1で挙げたように、インボイス制度による適格請求書発行が可能なのは、インボイス発行事業者の登録を受けた事業者だけです。

適格請求書の発行には登録を受けた際に発行されるT+登録番号(13桁の数字または法人番号)の記載が必要になります。そのため、当然ながら、登録していないのに適格請求書発行事業者を偽ってインボイスを発行することもできません。

また、今までは、買手の仕入税額控除の要件として「区分記載請求書等の保存」が挙げられていました。

しかし、インボイス制度の開始によってその部分が「適格請求書(インボイス)の保存」に変更になったのですね。

つまり、買手側は売手に適格請求書を発行してもらわないと仕入税額控除ができないということになります。 (ただし、制度開始から6年間は経過措置期間となり、仕入税額の一定割合(80%・50%)が控除可能です)

このように、インボイス制度が開始され、請求書の発行方法や仕組みにおけるさまざまな変更がなされました。

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インボイス(適格請求書)の書き方・必須事項

インボイス(適格請求書)の書き方・必須事項

出典:適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き

上記は必須事項を含んだ適格請求書の記載例です。

改めてインボイス(適格請求書)必要な項目を挙げると、以下のようになります。

1.適格請求書発行事業者の氏名または名称

2.適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁の番号)

3.取引年月日

4.取引内容(軽減税率の対象品目である旨)

5.税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)及び適用税率

6.税率ごとに区分した消費税額等

7.取引先の事業者名称

ちなみに、適格請求書の様式は現在法令等で定められていないため、必要事項が記載されていれば正式な書類として認められます。手書きでも大丈夫です。

また、請求書一つだけですべての必須記載事項を満たさなければいけないわけではありません

たとえば、納品書を番号付きで発行している場合などは、

  • 納品書

  • 上記納品書との関連が明確である請求書(納品書番号を記載しているなど)

などの複数の書類によって記載事項が満たされていればよいことになっています。

おすすめ記事:【業務委託向け】請求書の書き方を項目ごとに解説!|注意点も紹介

簡易インボイスが認められる事業者の場合

以下のように、不特定多数に対してサービスを展開する事業者の場合は、レシートや領収書などの簡易インボイス(適格簡易請求書)の交付が認められています

  • 小売業

  • 飲食店業

  • タクシー業

  • 写真業

  • 旅行業

  • 不特定多数に対する駐車場業 など

簡易請求書の発行には、以下の内容が記載されている必要があります。

  • 簡易適格請求書発行事業者の氏名または名称

  • 簡易適格請求書発行事業者の登録番号(T+13桁の番号)

  • 取引年月日

  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)

  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)

  • 税率ごとに区分した消費税額等または適用税率

簡易インボイスでは上記の通り、取引先の名称の記載が不要であることが特徴です。

また、通常のインボイスでは税率ごとに区分した消費税額と適用税率が両方必要であるのに対し、簡易インボイスではどちらかを記載すればよいことになっています。

消費税10%のみの場合は?

消費税10%のみなどの場合は?

適格請求書発行にあたり、消費税が10%の商品のみ、8%の商品のみという場合は、記載方法が異なります。

たとえば、消費税が10%の商品のみの場合、8%に関する記載は不要です。

8%のみの場合も同様に、10%に関する記載は不要となります。

ただし、対象となる取引の税率については、「10%対象 〇〇円」「消費税 △△円」といった記載が必要です。

適格請求書発行における注意点

インボイス(適格請求書)に関する注意点には、以下のようなものがあります。

  • 適格請求書を発行するにはあらかじめ登録手続きが必要

  • 適格請求書には保存義務がある

適格請求書を発行するにはあらかじめ登録手続きが必要

インボイス(適格請求書)を発行するためには、登録手続きを行う必要があります。

そもそも適格請求書には適格請求書発行事業者の登録番号の記載が必須なので、登録しておらず番号がない場合、正式な適格請求書は発行できません。

インボイス制度が開始したからと言ってすべての事業者が登録をしなければいけないわけではありませんが、適格請求書を発行するためには登録が必要になるのです。

適格請求書には保存義務がある

また、適格請求書発行事業者には、発行した適格請求書の写し、または発行した請求書に係る電磁的記録を保存する義務があります

その保存期間は、「交付日の属する課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日」より7年間です。

適格請求書を受け取った側も同様に、インボイスと帳簿を保管しておかなければ仕入税額控除を受けられないので注意しましょう。

おすすめ記事:請求書はPDF形式で送っても良い?|メリットや注意点を解説

適格請求書発行事業者として登録するには

適格請求書発行事業者になるためには、郵送やe-Taxで所轄の税務署に登録申請を行う必要があります

免税事業者であっても適格請求書発行事業者として登録すると課税事業者となり、消費税の申告が必要になる点には注意が必要です。

登録の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. 納税地の所轄税務署に登録申請書を提出する

  2. 税務署の審査が行われる

  3. 審査に通ると登録番号が通知され、「適格請求書発行事業者公表サイト」に事業者情報が公表される

詳しい登録申請の方法については、国税庁のサイトからフローチャートが見られます。

インボイス制度に対する問い合わせ先

その他にインボイス制度(適格請求書等保存方式)について知りたいことがある場合は、以下のような問い合わせ先が有用です。

インボイス制度 税務相談チャットボット

国税庁には、AI(人工知能)が回答してくれるチャットボット相談サービスがあります。

上記のリンクにアクセスし、「チャットボット(ふたば)に質問する」をクリックすると、ふたばという人工知能が応答してくれる仕組みです。

メニューの選択または自由入力に対応しており、土日や夜間でも利用できます。

・インボイス制度電話相談センター

インボイス制度電話相談センターでは、インボイス制度や軽減税率に関する一般的な相談を受け付けているとのことです。

電話番号:0120-205-553 受付時間:17:00 ~ 9:00(土日祝除く)

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