屋号は変更できる!簡単な手続き方法や変更後の対応について解説

最終更新: September 12th, 2024
屋号は変更できる!簡単な手続き方法や変更後の対応について解説

フリーランスや個人事業主が開業する際に決める屋号

事情があって変更したいけれど、どうすればいいのかわからない!という方に向けて、申請方法を解説します。

複雑な手続きは必要ないため、こちらの記事を参考にさっと変更手続きを済ませてしまいましょう。

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屋号とは?

屋号とは?

屋号とは、個人事業者が開業の際に決める事業用の名称です。

具体的なイメージとしては、お店のショップ名や、法人の会社名のようなものですね。

開業時は、事業内容に応じて屋号を考え、開業届に決定した屋号を記載して申請します。

屋号は必ずしも決めなければいけないわけではないのですが、取引先からの信頼度や認知度を高めるといった意味では、屋号をつけるほうがいいといえるでしょう。

屋号の変更にかかる費用は?

屋号を変更したいけれど、いくらお金がかかるのか気になる、という人もいるでしょう。

屋号を変更するだけであれば、費用はかかりません。

ただし、法務局で商号登記をおこなっている場合などは、登記料として費用がかかる可能性もあります。

このように、屋号の変更のみの手続きにおいては費用は発生しませんが、関連する手続きにおいて手数料が必要になることもあります。

屋号を変更申請する方法

屋号を変更申請する方法

屋号を変更した時は、税務署へ報告すればOKです。

といっても、窓口での手続きは必要ありません。

報告の手続き方法としては、以下の2つが挙げられます。

  • 確定申告の際に報告する

  • 開業届で変更報告する

ただし、年の途中で屋号に加えて住所も変更したいという場合は、手続きに必要な書類が変わります。

  • 住所も変更したい場合は「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出が必要

それぞれの具体的な手続きについては、以下の項目にて解説しています。

確定申告の際に報告する

屋号の変更は、1年に1度おこなう確定申告の際に、確定申告書や決算書を提出することで知らせることができます。

確定申告書・決算書には屋号を記載する欄がありますので、そちらに新しい屋号を記入して提出します。

納税地の住所が変わる場合も、同様に確定申告の際に書類に記載することで変更を伝えることが可能です。

開業届で変更報告する

開業する際には開業届に屋号を記載したと思いますが、実は再度開業届を提出することでも屋号の変更を知らせることができます。

開業届に記載する際は、

  • 「屋号」欄:変更後の屋号

  • 「その他参考事項」欄:屋号を変更した旨

を記載しておきましょう。

年の途中で住所も変更したい場合

年の途中で屋号と合わせて住所も変更したいという場合は、以下の書類を税務署に提出します。

  • 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書

申請書に記載すべき内容は、以下の通りです。

  • 「異動・変更前の納税地」欄:変更前の住所

  • 「納税地」欄:変更後の住所

  • 「屋号」欄:変更後の屋号

  • 「その他参考事項」欄:屋号を変更した旨

提出期限はありませんが、速やかに提出しておくことで税務署からの書類が新しい住所に届くようになります。

また、提出先は新住所の納税地を管轄する税務署です。

屋号の変更後、税務署以外で連絡が必要な機関

屋号の変更後、税務署以外で連絡が必要な機関

フリーランス・個人事業主が屋号を変更した際は、税務署の他に以下のような場所への連絡・手続きが必要です。

  • 金融機関

  • 法務局

  • 特許庁

  • 小規模企業共済

  • 取引先

  • 営業許可を得た市区町村 など

金融機関

屋号名で口座を開設している場合は、名義変更の手続きをおこなう必要があります。

基本的に以下のようなものが必要になります。手続きをおこなう銀行等によっても異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

  • 屋号の変更が分かる書類

  • 本人確認書類

  • 印鑑 など

取引先等

屋号を変更したら、取引先やクライアントといった方に報告しましょう。

たとえば、付き合いのある取引先が報告なく屋号を変更したらどのように感じるでしょうか。人それぞれではあると思いますが、報告がないまま屋号が変わっていたら印象がよくないと感じる人もいます。

屋号の変更を伝えるお知らせ方法としては書面送付がありますが、一度メール等で早めに知らせておき、追って書面を送るとさらに丁寧な印象になるでしょう。

法務局(商号登記している場合)

屋号を商号登記している場合は、法務局で変更の手続きが必要です。

法務局での申請には、以下のものが必要になります。

  • 商号登記申請書

  • 登記料の3万円(収入印紙を購入)

  • 印鑑届出書

  • 屋号印(ある場合) など

特許庁(商標登録している場合)

屋号を特許庁に商標登録している場合で、新しい屋号も商標登録する場合には、再申請が必要となります。

商標登録されている名称を変更することはできないため、あらためて新しい屋号を商標出願する必要があるでしょう。

営業許可を得た市区町村等(飲食店など)

屋号を変更した場合は、飲食店・旅館業では許可を受けた市区町村に以下のような書類を提出する必要があります。

  • 営業許可申請事項変更届 など

建設業の場合は、許可を得た行政庁に変更届を提出しましょう。

なお、屋号の変更連絡の際に必要な書類等は自治体によって異なるため、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。

小規模企業共済(加入している場合)

小規模企業共済に加入している場合は、こちらも届出事項変更の手続きが必要です。

申請の際は、中小企業基盤整備機構へ、以下の書類を提出します。

  • 小規模企業共済契約に係る届出事項変更申出書

手続きは書類の提出のほか、オンラインでも可能です。

なお、オンラインで申請する場合には、マイナンバーカードも必要になります。

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屋号変更の際の注意点2つ

屋号変更の際の注意点2つ

本項目では、屋号の変更に関連する注意点を解説しています。

  • 屋号の変更は何度でもできるが、変更し過ぎに注意

  • 商号登記・商標登録されている屋号に注意

①屋号の変更回数に制限はないものの、変更し過ぎに注意

屋号の変更回数に制限はないため、なんどでも変えることができます。

しかし、あまりコロコロ変えると取引先や顧客からの信頼感が下がる可能性があるため、注意が必要です。

屋号は事業の顔となる名称ですので、頻繁に変えると認知度に影響するほか銀行等の金融機関からの信頼も損ねてしまう可能性もあります。

そのため、屋号はできる限りしっかりとした事情・理由によって変更するのがおすすめです。

②商号登記・商標登録がなされている屋号に注意

屋号を変更する際は、屋号を最初に決めるときと同様に、すでに他で使われている屋号でないかという点に注意する必要があります。

他の屋号と被ってはいけないという決まりはないのですが、その屋号が商号登記済みであった場合、同一の所在地で同じ名称を使うことはできません。訴訟等のトラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。

このように、新しく屋号を考える際も、すでに他の人が使用している屋号ではないか調べておくとよいでしょう。

すでに使われている屋号か調べる方法は?

本項目では、屋号がすでに商号や商標として登録されているか調べる方法を解説しています。

商号登記の場合と商標登録の場合で調べ方が異なりますので、注意しましょう。

商号登記の場合

商号登記の場合は、法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用することで登録されている商号を検索することができます。

システムの利用はご自身のパソコンでも可能です。

また、法務局窓口で商号調査をおこなうこともできます。

商標登録の場合

商標登録の場合は、特許庁の特許情報プラットフォームで検索することができます。

検索方法は以下の通りです。

  1. 上部にある「商標」メニューを選択します。

  2. 「商標検索」を選択します。

  3. 調べたい名称を入力して「検索」をクリックします。

屋号を変えるメリットはある?

屋号を変えるメリットはある?

屋号を変えるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 現在の事業内容に合わせられる

  • 覚えやすい・スマートな名前にアップデートできる

メリット⒈現在の事業内容に合わせられる

事業を始めた当初から、事業内容が変わってしまった……というケースもあるでしょう。

屋号が事業内容と関わる名称の場合は、屋号を変更することで現在の事業内容と合わせることができます。

結果として取引をおこなう相手からの違和感などもなくすことができるため、現在の事業内容と屋号が合っていないという場合は、変更するという選択肢もありでしょう。

メリット⒉覚えやすい・スマートな名前にアップデートできる

認知度をより上げたい、現在の屋号はいまいち覚えてもらいにくいような気がする……という場合は、屋号を変更することでさらに覚えやすい、スマートな名称にアップデートすることができます。

法人名などでも、時代に合わせて漢字→カタカナの社名に変更している企業もありますね。(東京通信工業株式会社→ソニー株式会社 など)

屋号を変更することで、イメージを更新したり認知度の向上につなげられるなどのメリットが得られる可能性もあります。

屋号は追加もできる

屋号は追加もできる

屋号は、変更だけではなく、新たに追加登録することも可能です。

屋号を追加したい時は、開業届に追加したい屋号を記載し、「その他参考事項」の項目欄に「屋号追加登録」と記載します。

屋号の追加は、たとえば現在の事業とは別のビジネスを展開したいと考えている場合におこなうケースが多いでしょう。

もちろん複数のビジネスを1つの屋号でおこなうこともできますが、事業ごとに屋号を分けたいという場合もありますよね。そのような場合には、開業届にて屋号の追加登録をおこないましょう。

屋号の変更は確定申告や開業届の再提出で可能

屋号の変更は確定申告や開業届の再提出で可能

今回は、フリーランス・個人事業主の屋号の変更方法、変更した際の申請方法について解説しました。

屋号は毎年おこなう確定申告時に提出する書類のほか、開業届を改めて提出することでも変更申請可能です。

住所も変更したいという場合は、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」を提出しましょう。

また、屋号の変更後は、取引先等の各所への連絡も忘れずにおこないましょう。

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