海外在住、日本で収入あり。税金はかからない?非居住者は確定申告するの?

最終更新: June 18th, 2025
海外在住、日本で収入あり。税金はかからない?非居住者は確定申告するの?

海外移住、海外赴任などで現在国外で生活している方や、これから出国する方の中には、以下のような悩みを持っている方もいるのではないでしょうか。

「日本で収入があるが、税金は支払わなくてはいけないのか」

「非居住者になるから、住民税・所得税の納付は不要?」

「日本にある不動産から収入を得ている場合、どうなるの?」

本記事では、このような海外在住の方の税金に関する悩みを解決します。

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海外在住、日本で収入…税金を支払わなければならないケース

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海外へ引っ越ししたら日本にはいないため税金は必要ないのでは?と考える方もいると思いますが、実は状況によって日本での納税義務が発生することもあります。

本項目では、海外在住で日本で収入がある場合に、税金を支払わなければならないケースを紹介します。

【所得税】 日本の居住者となる場合

日本の税法では、「居住者」と判断される場合、国内外の所得について日本で税金を納める必要があります。居住者と非居住者の分類は次のようになります。

  • 居住者:日本に住所がある、または1年以上滞在する見込みがある人

  • 非居住者:上記に該当しない人

たとえば、海外に引っ越しても「海外転出届」を出していなければ、日本で生活する居住者として扱われることが多いです。そのような場合は、日本国内の収入だけでなく、海外で得た収入も課税対象となります。課税の有無は滞在国や収入の種類により異なるため、確認が必要です。

ただし、国によっては日本と結んでいる租税条約により、日本での納税が免除されることもあります。租税条約については次の項目で解説します。

また、住所や居所の認定は生活の実態に基づいて判断されるため、状況が複雑な場合は国税庁などに問い合わせるのがおすすめです。

参考:国税庁「No.2875 居住者と非居住者の区分」

租税条約とは?

租税条約とは、簡単に言うと二重で税金が取られないように国同士で結んでいる約束です。

たとえば、日本とアメリカの間では日米租税条約が結ばれています。この条約がない場合は、国外で得た収入に対して両方の国で課税されてしまうケースがあります。

一方で、租税条約を結んでいる場合、どちらかの国で課税された分をもう一方の国で税額控除にできる「外国税額控除方式」や、どちらかの国での課税を免除する「国外所得免除方式」といった二重課税を防ぐための方法が適用されるのです。

なお、非居住者だが日本の国内源泉所得があって、租税条約に基づく軽減や免除を受けたい時には、「租税条約に関する届出書」を提出する、または届出書等に記載すべき事項を電磁的方法で提供する必要があります。

参考:財務省「我が国の租税条約等の一覧」

参考:国税庁「No.2888 租税条約に関する届出書の提出(源泉徴収関係)」

【所得税】 非居住者が日本の国内源泉所得を得ている場合

海外で生活していて日本で「非居住者」とみなされるようになったとしても、日本国内で得た収入などは課税対象となることがあります。これはたとえば以下のようなケースです。

  • 日本にある不動産から収入を得ている

  • 日本国内の給与を得ている

  • 日本の資産を保有しており運用などで収入が発生している

以下の項目で、各ケースの詳しい内容を見ていきましょう。

参考:国税庁「No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ」

先ほど記述した通り、税法上の居住者とは、国内に住所を有しているか、または1年以上日本に滞在する見込みがある人のことを指します。一方、これに当てはまらない人は日本の非居住者となったとみなされます。

非居住者の場合、所得税の課税対象は国内源泉所得のみであり、海外で得た収入には日本の課税義務は基本的には発生しません。ただし、たとえば日本国内の不動産から賃料を得た場合や、日本企業から報酬を受け取る場合には、その所得は源泉徴収される形で日本の所得税が課せられます。

源泉徴収で完結しないケースでは、所得税の確定申告を行い、追加納税や還付の手続きが必要になることもあります。非居住者であっても、日本国内に一定の所得があれば納税義務が生じる点に注意が必要です。

日本にある不動産から収入を得ている

非居住者でも、日本にある不動産から賃料収入を得ている場合は「国内源泉所得」とされ、原則として賃料を支払う人が20.42%の源泉所得税・復興特別所得税を差し引いて納付する義務があります。

これは借り主が法人でも個人でも同じです。ただし、個人が自身や家族の住まいとして借りている場合、その賃料は源泉徴収の対象になりません。

逆に、事業用の貸付け、または法人が借りるケースでは、源泉徴収の対象です。

また、租税条約においても「不動産からの収入は、その不動産が所在する国で課税できる」と定められているため、日本国内の不動産からの賃料収入は、基本的に日本で課税されることになります。つまり、海外に住んでいるからといって、日本での不動産収入が無税になるわけではないということです。

参考:国税庁「No.1926 海外勤務中に不動産所得などがある場合」

参考:国税庁「No.2880 非居住者等に不動産の賃借料を支払ったとき」

日本国内の給与を得ている

海外在住であっても、日本国内の会社から給与を受け取っている場合、その給与は日本の国内源泉所得となり、日本で課税の対象となります。

たとえば、日本への出張時の業務に対する給与や、日本国内での仕事による報酬などは、日本で所得税が課せられることになります。給与の支払者が日本国内の法人である場合、その法人が源泉徴収を行うのが一般的です。

ただし、勤務した日数や国ごとの租税条約の規定によっては、どの国で課税されるのか判断が複雑になる場合もあります。たとえば、「183日ルール」と呼ばれるように、一定期間を超えて日本で働いた場合に日本で課税対象となるといった規定が適用されることもあります。状況に応じて、租税条約の内容を確認することをおすすめします。

参考:国税庁「No.2878 国内源泉所得の範囲(平成29年分以降)」

日本の資産を保有しており運用などで収入が発生している

海外に住んでいても、日本国内にある資産、たとえば株式や投資信託、不動産などを持っていて、そこから配当や利子、売却益などの収入がある人もいるでしょう。

こういった「国内源泉所得」があると、海外暮らしであったとしても税金の支払いが必要になることも考えられます。なお、非居住者が受け取る日本国内の金融所得(配当金や利子など)については、原則として支払時点で源泉徴収される仕組みのため、わざわざ確定申告をする必要は基本的にありません。

ただし、住んでいる国と日本が租税条約を結んでいる場合は、状況によって税金が減免される可能性もあるため、必要に応じて「租税条約に関する届出書」を提出するなどの対応が必要になることもあります。

【住民税】海外転出届を提出せず出国してしまった場合

住民税は1月1日時点で日本に住民票がある人にかかる税金です。

そのため、海外転出届を出していないのにもかかわらず海外に出た場合は、住民税が引き続きかかることがあります。また、住民税は前年の所得に対して課税されるため、翌年もしばらく住民税の支払い義務が続く場合があり、注意が必要です。

住民税を節税したいと考えている場合には、1月1日よりも前、つまり12月31日よりも前に海外転出届を提出して出国する必要があります。

なお、実際には12月31日までに出国したけれど海外転出届を出していなかった……という場合、出国していたことの証明などが必要になるケースもあるため、国税庁や各自治体などへの問い合わせが必要です。

【住民税】海外転出届を提出したのが今年の1月1日以降の場合

海外転出届を今年の1月1日以降に提出した場合、その年の住民税は基本的に支払わなければなりません。

これは住民税が前の年に得た所得を基準として課税されるという決まりで、たとえ海外に引っ越しても前年の収入に対する住民税はその年に請求される仕組みになっているからです。

しかし、翌年以降は住民税の課税対象から外れる可能性が高いです。海外転出届を早めに出していれば、翌年の1月1日時点で日本に住所や居所がないと判断されるため、翌年の住民税は免除されるケースがあります。

つまり、海外転出届の提出タイミングが住民税の負担に大きく影響するため、できるだけ早く届け出をすることが税金面での負担軽減につながる、ということです。

海外在住で課税される可能性のあるその他の税金

海外在住で課税される可能性のあるその他の税金については、以下のようなものが挙げられます。

固定資産税や都市計画税

たとえ海外に住んでいても、日本国内に土地や建物などの不動産を持っている場合、その物件には毎年固定資産税や都市計画税が課税されます。

これらの税金は、物件の所在する市町村が課税の主体であり、1月1日時点の所有者に対して課される地方税です。非居住者であっても関係なく、対象となる不動産を保有していれば納税義務があります。

気を付けたいのは、これらの税金が発生する場合は納付書は日本国内の住所に送付されることが多いため、受け取りに工夫が必要な点です。

海外にいると国内で発生した税金の納付を忘れてしまいがちなので、納税管理人を立てておくなどの対策が有効といえます。納付を怠ると、延滞金が発生したり、最悪の場合財産を差押えられたりなどのリスクがあるため注意が必要です。

贈与税や相続税

贈与税や相続税は、贈与・相続の当事者の居住地や、財産の所在地などによって課税関係が決まります。

たとえば、贈与税の場合、財産をもらった人(受贈者)が日本に住んでいれば、原則として世界中の財産に対して課税されます。さらに、海外に住んでいても、過去15年以内に日本に住所があった人は「日本の居住者」とみなされ、課税対象になるケースもあります。

また、贈与された財産が日本国内にある場合(例:日本の銀行口座や不動産など)、受贈者が非居住者であっても日本の贈与税がかかることがあるのです。

相続税も同じような考え方で、相続人または被相続人のどちらかが日本に住んでいると、原則として全世界の財産に対して課税されます。さらに、たとえ両者とも海外在住でも、相続財産が日本にある場合には、日本の相続税が課されることがあります。

海外在住で確定申告が必要となるケース

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海外に住んでいても、日本国内で所得があれば確定申告が必要になるケースがあります。

たとえば、日本にある不動産から賃貸収入を得ていたり、日本の会社から給与や報酬を受け取っていたりする場合です。

これらの所得は「国内源泉所得」と呼ばれ、日本の税法に基づいて課税対象となります。非居住者になったからといって、日本での申告が不要になるわけではないので注意が必要です。

非居住者だが日本の国内源泉所得がある

非居住者であっても、日本国内に源泉を持つ所得(国内源泉所得)があれば日本で課税されます。国内源泉所得の対象には、不動産賃貸収入や日本国内の企業からの給与、報酬などが該当します。

これらの収入は支払者が源泉徴収を行うことが多いですが、場合によっては自分で確定申告をして追加の納税や還付を受ける必要があります。

海外から納税や確定申告をするには?

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海外在住で日本に納税義務がある場合、スムーズに手続きを進めるためには準備が大切です。特に「納税管理人」を日本国内に置いておくことで、海外にいても確定申告や納税がスムーズに進められます。

納税管理人を選定しておく

海外に住む場合、日本国内での納税や確定申告の手続きを代わりに行ってくれる納税管理人を選んでおく必要があります。

納税管理人は、税務署からの通知を受け取ったり、申告書を提出したりといった役割を持っています。一般的には家族や知人、税理士に依頼することが多いです。

納税管理人を選んだら、税務署に届け出をしておく必要があるので、渡航前に手続きを済ませておくのがおすすめです。

なお、納税管理人は日本在住であればだれでも選任できますが、確定申告書の作成などは税理士の独占業務になります。納税管理人が税理士でない場合、確定申告書の「提出」であれば任せることが可能です。

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【海外在住】日本で収入がある場合の税金に関するよくある質問

FAQ

本項目では、海外在住かつ日本で収入がある場合の税金に関するよくある質問を記載しています。

フリーランスですが、海外移住したら税金はどうなりますか?

フリーランスの方が海外に移住した場合でも、日本で得た報酬や収入は国内源泉所得として納税が必要です。

逆に、移住先の国で得た収入は、日本では原則課税されません。ただし、移住先の国で税金がかかる可能性があるので、現地の税制も確認しておくことが大切です。

海外在住で日本で収入があり、税金が0円になるケースは?

日本国内で所得があっても、所得の種類や金額、または日本と移住先の国との間にある租税条約の内容によって、日本で課税されない場合があります。

たとえば、租税条約で「その所得は移住先の国だけで課税する」と決められている場合などです。自分が該当するかどうか、条約の内容を確認しておくと安心です。

非居住者の場合は住民税や所得税を払わなくても良い?

非居住者になると、住民税はかかりません。

なぜなら、住民税は1月1日時点で日本に住所がある人に課税されるためです。一方で、1月1日以降に渡航したという場合はその年の住民税を払う必要があります。

また、日本国内で得た所得については、引き続き所得税がかかります。課税されるかどうかは所得の内容や金額によっても変わるので、注意しましょう。

海外在住で日本で収入がある場合の税金まとめ

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今回は、海外在住で日本で収入がある場合の税金について解説しました。ポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 非居住者でも、日本国内源泉所得には課税される

  • 住民税は海外転出届提出の有無や生活の状況で変わる

  • 租税条約を活用して二重課税を避ける

  • 確定申告が必要な場合があるので要注意

  • 納税管理人を選定しよう

海外での税金については、居所や国同士の条約の状況など複雑になりがちです。困ったことがあったら、国税庁などの機関に問い合わせてみるとよいでしょう。

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