【2026年】海外ノマドの税金と確定申告|住民税・183日ルールまで解説

最終更新: September 26th, 2026
【2026年】海外ノマドの税金と確定申告|住民税・183日ルールまで解説

海外ノマドの税金は「①日本の居住者か非居住者か(住民票の有無や滞在日数だけでは決まらない)」「②非居住者なら、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)があるか」「③滞在先の国でも納税義務が発生するか」の順に確認すると整理しやすくなります。日本の居住者であれば、海外にいる場合も世界中で得た所得をまとめて日本で確定申告し、海外から確定申告するときはe-Taxや納税管理人を利用します。

本記事では、海外ノマドでも確定申告が必要な場合、押さえるべきポイントや注意点、確定申告する方法、そして海外ノマド確定申告問題に関するよくある質問についてご紹介いたします。

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海外ノマドでも確定申告は必要!


海外ノマドでも確定申告は必要!

本題に入る前に、そもそも海外ノマドについて少し紹介します。

海外ノマドは、海外を旅しながらフリーランスで働くスタイルのことを指します。

デジタルノマドやリモートワーカーと呼ばれることもあり、フリーランスだけでなく、日本企業に勤めながらリモートワークで海外に滞在する会社員を含めて使われる場合もあります。

もっと詳しく海外ノマド(デジタルノマド)について知りたいという方は、向いている人やメリット・デメリットなど海外ノマドの実態について詳しく解説されている以下の記事をご参照ください。

海外で日本の仕事を受けて暮らす海外ノマドでも、確定申告は必要です。

ただし、確定申告すべき国はその人の居住状況などによっても異なってきます。

海外ノマドの暮らし方は短期間で移動したり1〜2年ずつとどまりながら生活したりとさまざまなため、ひとくくりで断定できないのが事実です。

また、日本の確定申告が必要ない人でも海外での確定申告が必要になる場合があります。現地の確定申告や納税については国ごとに異なるので、現地の税理士などに相談するのがおすすめです。

確定申告が必要な額の収入があるのにどこの国でも納税しないとなると脱税になってしまう可能性があるため、注意しましょう!

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ノマドワーカーの税金は所得税と住民税が中心


ノマドワーカーにかかる主な税金は、所得に対してかかる「所得税」と、住所のある自治体に納める「住民税」です。

所得税は、1年間の売上から必要な経費などを差し引いた「所得」をもとに計算します。日本の居住者であれば、原則として日本国内だけでなく、海外で得た所得も含めて税金を計算します。

確定申告では、1月から12月までの1年間の所得を、翌年の2月16日から3月15日までに申告・納税します。期限が土日にあたる年は翌日以降にずれ、令和8年分(2026年1〜12月の所得)の期限は2027年3月15日です。

また、所得から差し引ける「基礎控除」は、令和7年と令和8年の税制改正で引き上げられました。令和8年分は、合計所得金額が2,350万円以下の人なら62万円以上で、所得が少ない人ほど多く、最大104万円です。ただし、非居住者の基礎控除は62万円までとなります。

事業の内容や売上高によっては「個人事業税」や「消費税」がかかる場合もあります。消費税は、原則として基準期間(個人事業主の場合は前々年)の課税売上高が1,000万円を超える場合などに納税義務が生じます。

なお、海外を拠点に働く場合は、日本の「居住者」か「非居住者」かによって税金の扱いが変わるため注意が必要です。単に海外にいる期間だけで決まるわけではなく、生活の拠点などを含めて判断されます。

参考:No.2010 納税義務者となる個人|国税庁/No.1199 基礎控除|国税庁/主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日|国税庁/No.6501 納税義務の免除|国税庁

海外ノマドの確定申告で考えるべきポイント4つ


海外ノマドの確定申告先は居住地や状況によって異なります。

考えるべきポイントを簡単にまとめると、以下のとおりです。

  • 日本の居住者なら日本で確定申告する

  • 非居住者の場合は国内源泉所得の有無により異なる

  • 日本での確定申告が不要でも現地での納税が必要な可能性がある

  • 現地での納税ができない場合は日本で確定申告する

とはいえ、その居住者というのがよくわからない……という人もいるかもしれません。

居住者・非居住者の基準や、非居住者の場合の国内源泉所得とは?という点については、以下の項目でわかりやすく解説しています。

関連記事:国税局から郵便物が届いた!なぜ届くのか・どう対処すべきか解説

日本の居住者なら日本で確定申告する


日本の居住者なら日本で確定申告する

海外ノマドとして働いているけれど日本に住民票がある、日本の居住者である場合は国内での確定申告が必要です。

ただし、日本に住民票はあるがほぼ完全に海外に移住しているという場合、非居住者という扱いになる可能性があります。

非居住者かどうかは日本にいる頻度や資産の所在地なども影響するため、単純に住民票の有無で判断できるものではありません。

居住者・非居住者の基準とは?

居住者・非居住者の基準は、国内法では「日本を生活の本拠にしている、または現在まで引き続き1年以上日本に居住している」かどうかで定められています。

具体的には、以下のような部分から総合的に判断されるようです。

  • 住民票の有無

  • 滞在日数

  • 国籍

  • 職業

  • 家族が住んでいる場所

  • 資産がある場所 など

このように、居住者・非居住者の基準は生活の本拠がどこにあるかなど、さまざまな客観的事実によって判断されるため、一概には断言できません。

居住者・非居住者の違いについて、詳しくは以下の国税庁のページに記載があります。

参考:No.2875 居住者と非居住者の区分|国税庁

非居住者の場合は状況により異なる【国内源泉所得とは】


非居住者の場合は状況により異なる【国内源泉所得とは】

日本の居住者に該当しない「非居住者」の場合、日本で納税義務があるのは国内源泉所得のみとなります。

国内源泉所得というのは、日本の国内から発生した所得のことを指します。

具体的には、以下のような場合は国内源泉所得とみなされます。(一例です)

  • 日本国内の事業所を通じて得る収入

  • 日本の国債や地方債、内国法人が発行する債券の利子

  • 日本国内の不動産の収入

  • 日本国内の営業所の預貯金の利子

  • 著作権の使用料またはその譲渡の対価 など

また、日本国内に事務所や事業所など事業を行う一定の場所(恒久的施設:PE)がある場合は、そのPEに帰せられる事業の所得も国内源泉所得となり、確定申告(申告納税)が原則となります。PEに当たるかどうかは、建物があるかどうかではなく、その場所で事業を行っているかどうかで判断されます。

海外に住んでいても、日本国内の不動産を貸して家賃収入を得ている場合は、その賃料が国内源泉所得となり、確定申告が必要になります。

参考:No.2878 国内源泉所得の範囲|国税庁/No.2883 恒久的施設(PE)|国税庁/No.1926 海外勤務中に不動産所得などがある場合|国税庁

国内源泉所得になるケース・ならないケースの例

とはいえ、だいたいの海外ノマドワーカーであれば海外に居住しているため、恒久的施設は現地の居住地になると思います。

たとえば、そういったフリーランスが海外ノマドとして日本からの仕事を請け負う場合、国内源泉所得にはならないケースが多いです。

海外で行った作業(役務の提供)の対価は、原則として国内源泉所得に当たらないためです。ただし、イラストや文章などの著作権の使用料のうち日本国内の業務に係るものを日本の企業から受け取る場合は国内源泉所得となり、支払いの際に20.42%の税率で源泉徴収されることがあります(租税条約により軽減・免除される場合もあります)。

一方、海外でネットショップを運営しているが国内にオフィスがあるといったような場合は、その物件が恒久的施設となり、納税の義務があります。

国内源泉所得でも確定申告が不要な場合もある

国内源泉所得には、確定申告が必要な場合とそうでない場合があります。

国内源泉所得のうち、すでに源泉徴収されており源泉分離課税にあたるものは確定申告は必要ありません。

源泉分離課税というのは、源泉徴収のみで課税関係が完結する課税方式です。

「所得をもらう際にすでに税金を引いているから、この分については確定申告しなくていいよ」ということですね。

このように、非居住者の場合は国内源泉所得に対して納税が必要であり、さらに課税方式によっては確定申告が必要な場合とそうでない場合があります。

ただし、職業や租税条約の関係などで見解が異なるため、自身の状況が分かりづらいという場合は専門家に相談するのがおすすめです。

参考:No.2873 非居住者等に対する課税のしくみ|国税庁

参考:我が国の租税条約等の一覧

関連記事:ノマドの郵便物・住民票はどうする?おすすめの受け取り方法とデジタル管理術を紹介!

日本での確定申告が不要でも現地での納税が必要な可能性がある


非居住者であり国内源泉所得にあたる収入がないという場合でも、現地での納税が必要な可能性が高いです。

これは海外ノマドとしてどのような暮らしをしているかや国の法律等によっても異なりますので、滞在する国の情報を調べておくのがおすすめです。

現地での納税ができない場合は日本で確定申告する


海外ノマドとして旅するように暮らす場合、複数の国を放浪しているなどの事情がある時は、日本の居住者と考えられる可能性が高くなります。

また、納税者番号などが発行されず現地で納税することが難しいというケースもあるようです。

このような場合は、日本で確定申告をする必要があります。

複数の滞在地がある人の場合の居住者・非居住者の判定については、以下の国税庁のサイトでチェックすることが可能です。

参考:No.2012 居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)|国税庁

海外ノマドワーカーの税金で知っておきたい注意点


ここからは、海外ノマドワーカーの税金で特に誤解されやすいポイントを、住民票・住民税、居住地の判定、二重課税、働き方別の扱い、経費の順に解説します。

滞在期間別|住民票・住民税・確定申告の早見表


海外での滞在期間と拠点の置き方ごとに、日本での扱いの目安をまとめると次のとおりです。

滞在のしかた

所得税法上の扱い(目安)

日本での確定申告

住民票・住民税

国民健康保険・国民年金

短期(数週間〜3ヶ月程度で日本に戻る)

居住者

必要な場合は、国内・国外の全世界所得を申告

住民票はそのまま。住民税も通常どおり課税

加入を継続

中期(3ヶ月以上1年未満、生活の本拠は日本)

原則として居住者

同上(海外で納めた税金は外国税額控除で調整)

住民票を残すのが一般的。住民税も課税。3ヶ月以上の滞在なら現地の在外公館へ在留届を提出

加入を継続

長期(1年以上の予定で海外移住・海外に生活拠点)

原則として非居住者

国内源泉所得がある場合のみ(納税管理人を選任)

海外転出届を提出。翌年1月1日に日本に住所がなければ、翌年度の住民税はかからない

国保は脱退。国民年金は任意加入

拠点を定めず複数の国を移動

生活の本拠しだい(日本の居住者と判断されやすい)

日本の居住者なら全世界所得を申告

住民票を残していれば住民税も課税

住民票があれば加入を継続

※あくまで目安です。国税庁は、居住者かどうかは滞在日数だけでなく、住居・職業・資産の所在・親族の居住状況・国籍などの客観的事実から「生活の本拠」がどこにあるかで判断するとしています。

参考:No.2012 居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)|国税庁/No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収|国税庁/在留届|外務省

住民票と住民税は「1月1日時点の住所」で決まる


住民税は、その年の1月1日時点で住所がある市区町村で、前年1年間の所得をもとに課税されます。

そのため、住民票を残したまま海外で暮らしている場合は、日本にいなくても住民税を納める必要があります。一方、海外転出届を出して12月31日までに出国すれば、翌年1月1日時点で日本に住所がないため、翌年度の住民税(出国した年の所得にかかる分)は原則としてかかりません。反対に、1月2日以降に出国した場合は、その年の1月1日時点では日本に住所があるため、その年度の住民税(前年の所得にかかる分)を納めます。出国後に納付期限が来る分は、市区町村に納税管理人を届け出るか、出国前にまとめて納めるなどの対応が必要です。

住民税は、所得に応じた所得割(標準税率10%)と、定額の均等割からなります。海外転出後の住民税の払い方や、払わないとどうなるかは、専用の記事で詳しく解説しています。

参考:個人住民税|総務省

「183日ルール」だけで日本の居住地は決まらない


日本の税法には「海外に183日以上いれば非居住者になる」というルールはありません。

国税庁は、居住者・非居住者の判定(居住者判定)について、住居・職業・資産の所在・親族の居住状況・国籍などの客観的事実で「生活の本拠」がどこにあるかを判断し、滞在日数のみで判断するものではないと説明しています。

そのため、外国に183日以上滞在していても、日本に住居や家族があり、主な収入源が日本の取引先であるといった場合は、日本の居住者と判定されることがあります。

183日という数字がよく出てくるのは、多くの国が自国の居住者判定に滞在日数の基準を設けていたり、租税条約の「短期滞在者免税」(給与所得の免税)で183日が基準として使われていたりするためです。

183日は「日本の居住者でなくなる基準」ではなく、「滞在先の国で課税される可能性がある目安」として意識しておくのが安全です。滞在日数の数え方や基準は国ごとに異なるため、滞在先の税務当局の公式情報も確認しましょう。

参考:No.2012 居住者・非居住者の判定(複数の滞在地がある人の場合)|国税庁/短期滞在者免税の要件である滞在日数の計算|国税庁

二重課税を防ぐ租税条約と外国税額控除


日本の居住者が滞在先の国でも税金を納めた場合は、日本の確定申告で「外国税額控除」を受けることで二重課税を調整できます。

居住者は全世界所得に課税されるため、同じ所得に滞在先の国でも課税されると二重課税が生じます。

外国税額控除は、外国の法令で納めた所得税に相当する税額を、一定の限度額(その年分の所得税額×調整国外所得金額÷所得総額)の範囲で日本の所得税額から差し引く制度です。

国外源泉所得などの国外所得にかかった税額が対象で、確定申告書に「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」と、外国で税金を納めたことを証明する書類(外国の申告書の写しや納付証明書など)を添付します。

また、日本は各国と租税条約を結び、どちらの国が課税するかのルールや、両国で居住者とされた場合の振り分け方法などを定めています。

財務省によると、2026年9月1日現在、二重課税の除去などを主な内容とする租税条約は78本・81か国・地域と結ばれています(租税条約ネットワーク全体では91条約等・157か国・地域)。

滞在先の国と日本の間に租税条約があるかは、「我が国の租税条約等の一覧」で確認できます。

海外移住するフリーランスの場合の外国税額控除の考え方は、フリーランスが海外移住する際の税金事情でも解説しています。

参考:No.1240 居住者に係る外国税額控除|国税庁/租税条約に関する資料|財務省

働き方別:会社員(従業員)として海外からリモートワークする場合


日本企業に雇用されたまま海外からリモートワークする場合、税金の扱いは「日本の居住者のままか、非居住者になるか」で大きく変わります。

  • 居住者のまま(短期の滞在で生活の本拠が日本):給与はこれまでどおり会社で源泉徴収・年末調整されます。副業の所得などがあれば、フリーランスと同じく確定申告が必要です。

  • 非居住者になる(1年以上の予定で海外に住む):国税庁によると、非居住者となった従業員(使用人)の海外での勤務に対する給与は国内源泉所得に当たらず、日本での源泉徴収は不要です。一方、一時帰国などで日本国内で勤務した期間に対応する給与や、内国法人の役員として受ける報酬は国内源泉所得となり、20.42%の税率で源泉徴収されます。

非居住者の場合、海外勤務分の給与は滞在先の国で課税される可能性があります。また、滞在先で働くには就労が認められるビザが必要な国も多く、企業側にも現地で納税義務が発生する可能性があるため、海外からの勤務を始める前に雇用契約や就業規則、会社の方針を確認しておきましょう。

参考:No.2517 海外に転勤する人の年末調整と転勤後の源泉徴収|国税庁

日本で申告する海外ノマドの経費と青色申告


日本の居住者として確定申告する海外ノマド(個人事業主・フリーランス)は、事業に直接必要な支出を経費に計上でき、漏れなく計上することで税負担を適正に抑えられます。

たとえば、仕事で使う通信費(インターネット・スマホ・Wi-Fiルーター)、パソコンやソフトウェア、コワーキングスペースの利用料、打ち合わせや取材など業務目的の移動費などが該当します。

私用と兼ねる支出は仕事で使った割合で按分し、観光を兼ねた旅費や生活費は経費にできません。税務申告の際に説明できるよう、現地の領収書や利用明細、予約記録などの証拠書類を保存しておきましょう。

また、青色申告をすると、複式簿記で記帳し貸借対照表・損益計算書を添付することで55万円、さらにe-Taxで申告するか電子帳簿保存を行うことで最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。

なお、財務省「令和8年度税制改正の大綱」では、令和9年分以後、65万円控除の要件にe-Taxでの提出を加え、一定の電子帳簿保存を行う場合は控除額を75万円に引き上げるとされています。個人事業主の青色申告の節税メリットや、海外でも使える経費管理アプリもあわせて確認しておくとよいでしょう。

参考:No.2210 必要経費の知識|国税庁/No.2072 青色申告特別控除|国税庁/令和8年度税制改正の大綱|財務省

海外ノマドが確定申告するには?


海外ノマドが確定申告するには?

海外ノマドとして生活する人が日本で確定申告する場合、おおまかにわけて以下の二つのケースがあります。

  • 日本の居住者の場合はオンラインで確定申告できる

  • 非居住者の場合は納税管理人を定める必要がある

それぞれのケースについては、以下の項目で具体的に解説しています。

日本の居住者の場合はオンラインで確定申告できる


日本の居住者であり、マイナンバーカードを持っている場合、オンラインで確定申告することができます。

オンラインでの確定申告は「e-Tax」を使って行います。

e-Taxを使うには、パソコンやスマホ、マイナンバーカード、ICカードリーダーまたはマイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォンなどが必要です(スマートフォンに搭載したマイナンバーカードも利用できます)。

参考:【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス), マイナンバーカード方式について|e-Tax

国外転出後もマイナンバーカードでe-Taxを使える?


2024年5月27日から、日本国籍の人は国外に転出した後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになり、海外から確定申告をe-Taxで行える場合があります。

継続利用するには、国外転出予定日までに住所地の市区町村でマイナンバーカードを提示して手続きします。券面に転出日が追記され、国外転出者向けの電子証明書が発行される仕組みで、自治体の案内でも国外からe-Taxによる確定申告などが可能になるとされています。手続きの流れは国外転出後のマイナンバーカードの使い方でも解説しています。

ただし、非居住者が日本で申告する必要がある場合、国税通則法では原則として日本国内に住む納税管理人を定めることとされています。e-Taxで本人が申告する場合の納税管理人の要否や手続きは、事前に納税地の税務署へ確認しておくと安心です。

参考:マイナンバーカードを国外で利用する|マイナンバーカード総合サイト/国外転出の予定がある方へ|宮崎市/国税通則法(第117条 納税管理人)|e-Gov法令検索

非居住者の場合は納税管理人を定める必要がある


日本の非居住者と判断される場合で、海外転出届を提出していてかつ国外転出者向けのマイナンバーカードを持っていない場合は、本人がマイナンバーカードを使ってe-Taxでオンライン申告することはできません。

この場合、「納税管理人」を定めることで確定申告を行うことができます。

納税管理人には、日本を居住地とする個人または法人を選ぶことが可能です。

たとえば、日本にいる家族や、税理士などに依頼する人も多いようですね。

納税管理人を定める際には、非居住者の納税地の税務署に届出書を提出する必要があります。

届出書は、納税管理人を定めたとき、または出国の日までに提出します。e-Taxでも書面(持参・送付)でも提出可能です。

書式については、以下の国税庁のサイトに掲載されています。

参考:A1-7 所得税・消費税の納税管理人の届出手続|国税庁

納税管理人は何をするの?

納税管理人は基本的に居住地が日本であれば誰でもなれますが、何をする役割なのか?税金に関することだけど家族に任せて大丈夫なの?と疑問に思う方もいるかもしれません。

納税管理人は、納税者本人に代わって確定申告書を提出したり、税金関連の書類を受け取ったりします。

ただし、確定申告書の作成も依頼したいという場合は注意が必要です。

確定申告書の作成は、税理士の資格がない人に依頼すると税理士法違反になってしまいます。

そのため、余裕のある方は納税管理人を税理士に依頼すると安心といえるでしょう。

また、納税管理人と聞くと納税者の税金について責任があるように感じる人もいるかもしれませんが、たとえば滞納があったからといって連帯責任を負うことはありません。

おすすめ記事:【無料】フリーランス向け請求書テンプレート5選|作成方法も解説

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海外ノマドの確定申告に関するよくある質問


海外ノマドの確定申告に関するよくある質問

こちらの項目では、海外ノマドの確定申告に関連して疑問に思われがちな質問に回答しています。

  • 海外ノマドの国民健康保険はどうなるの?

  • 海外ノマドは海外転出届を出すべき?

  • 海外ノマドワーカーの年金はどうなるの?

  • デジタルノマドビザを取れば日本の税金はかからなくなる?

  • 日本国内を移動するノマドワーカーの税金はどうなる?

  • 海外にいる間、税務署や市区町村からの郵便物はどうすればいい?

それぞれの質問については、以下の項目で詳しく解説しています。

海外ノマドの国民健康保険はどうなるの?


海外ノマドとして暮らす場合、海外転出届を提出しなければ国民健康保険は利用可能です。

一方で、現地に長期滞在となり海外転出届を提出する場合には、同時に国民健康保険を強制脱退となります。

そのため、海外転出届を出したら、一時的に帰国しても国民健康保険を利用することはできません。

なお、従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が終了しており、現在は医療機関・薬局でマイナ保険証(健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード)か資格確認書を提示して受診します。海外転出届を出さずに国民健康保険に加入し続けている場合も、一時帰国中の受診に備えて、マイナ保険証か資格確認書を用意しておきましょう。

参考:マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について|厚生労働省/資格確認書について|厚生労働省

関連記事:海外赴任には駐在保険があると安心|メリットや選び方を詳しく解説

海外ノマドは海外転出届を出すべき?


海外ノマドが海外転出届を出すべきかどうかの判断は、滞在期間によります。

海外ノマドとして国外に滞在する期間が1年以上となる場合は、海外転出届を提出する必要があります。

海外転出届を提出すると住民税などの支払いは不要となりますが、住民票は除票され国民健康保険も利用できなくなるので注意が必要です。

一方で、海外転出届を一年未満で提出していたとしても、海外に転出して一年未満であれば居住者ということになります。さらに、海外転出届を提出していても、国内源泉所得税がある場合は居住地に関わらず日本での確定申告は必要になります。(ただし、出国した年の1月1日時点で日本に住所があった場合は、その年度の住民税(前年の所得にかかる分)は納める必要があります。)

一方で、税法上の居住者・非居住者は、海外転出届を出したかどうかだけで決まるわけではありません。たとえば1年未満で帰国する予定で出国した場合は、海外転出届を提出していても、生活の本拠が日本にあるとして居住者と判断されることがあります。さらに、海外転出届を提出して非居住者となった場合でも、国内源泉所得(源泉分離課税で課税が完結するものを除く)がある場合は、日本での確定申告が必要になります。

海外転出届や住民票についてもっと詳しく知りたいという方は、「【海外赴任が決まった方】住民票・転出届・郵便物・必要な手続きを解説 」もあわせてご覧ください。

関連記事:海外赴任で住民票は実家に移せる?抜かないとどうなる?判断ポイントを解説

海外ノマドワーカーの年金はどうなるの?


海外ノマドワーカーの年金は、日本で年金を納めているかによって将来もらえる金額が変わります。

日本の居住者として海外ノマド生活をする場合、年金を納入する義務があります。

一方で、海外転出届を提出して非居住者となる場合、年金の支払いは任意になるのです。

そのため、非居住者であれば必ずしも年金を払う必要はないのですが、その分将来もらえる年金額は減ります。

なお、海外に住む20歳以上65歳未満の日本国籍の方は、国民年金に任意加入できます。任意加入の手続きは、出国前であればお住まいの市区町村の窓口、出国後は日本国内に協力者がいれば最後の住所地の市区町村窓口、いなければ最後の住所地を管轄する年金事務所などで行います。

さらに詳しく:海外移住後も年金の受け取りは可能!必要な手続きをケース別に解説

参考:国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)|日本年金機構

確実な情報は国税局電話相談センターへ!


海外で自由に拠点を跨ぎ働く海外ノマドを消費税や国民年金保険料などの問題に悩まされることなく楽しみたい方は、確定申告の有無や納税義務などについて明確に理解したいですよね。

海外ノマドの税金は次の順で確認すると整理しやすくなります。

  • 生活の本拠がどこにあるかで、日本の居住者か非居住者かを確認する(183日、などの日数だけでは決まらない)

  • 居住者なら、全世界所得を日本で確定申告し、海外で納めた税金は外国税額控除で調整する

  • 非居住者なら、国内源泉所得の有無を確認し、申告が必要なら納税管理人を定める

  • 住民税は1月1日時点の住所で決まるため、出国のタイミングと住民票の扱いをあわせて考える

海外ノマドワーカーの納税事情は、その人の滞在する国や状況によりますので、確実な情報を得るためには、国税局電話相談センターへご相談することを強くおすすめいたします。

国際税務に詳しい専門家(税理士)への相談も検討しよう


複数の国での居住者判定や租税条約の適用、外国税額控除の計算などの国際税務は、個別の事情によって結論が変わりやすい分野です。国税局電話相談センターでは一般的な税の質問に答えてもらえますが、自分のケースに合わせた申告書の作成や税務代理を依頼できるのは税理士に限られます。滞在国が多い場合や、海外にも収入源がある場合は、国際税務に詳しい税理士への相談も検討しましょう。

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