国民健康保険は海外在住者も加入できる?一時帰国中の保険事情を解説

「日本に一時帰国している間に、病気やケガをしたらどうしよう」
「国民健康保険って海外在住者が一時帰国する時にも加入できるの?」
「保険に入らないと帰国できない?」
こんな疑問をお持ちの方には、この記事が参考になるでしょう。
日本には国民皆保険制度があるため、医療費の1割〜3割を負担することで高度な医療が受けられます。ただ、基本的に日本に住民票がある方向けの制度であり、非居住者は対象外です。
本記事では、国外で生活している方や海外赴任中の方向けに、一時帰国した際に加入できる健康保険について解説します。保険に加入していれば、病気やケガの際も慌てずに済むため、一時帰国時にも安心ですよ。ぜひ参考にしてください。
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国民健康保険は海外在住者の一時帰国時にも加入できる?

日本企業に在籍しながら海外で働いている方は、被用者保険の対象です。海外赴任中も、会社の健康保険に加入している状態は変わりません。一時帰国時は健康保険証や資格確認書、マイナンバーカードを持参すれば3割負担で受診できます。
一方、自営業者やフリーランス、そして外国籍の企業で働く方を対象とするのが国民健康保険です。厚生労働省によると、国民健康保険に加入できる条件は次のとおりです。
日本国内に住所を有する
他の医療保険(被用者保険、後期高齢者医療制度)に加入していない
生活保護を受けていない
短期滞在在留外国人でない
一時帰国者にとってのポイントは、「日本国内に住所を有する」という点です。詳しく見ていきましょう。
参考:国民健康保険の加入資格
一時帰国の期間が短いと国民健康保険には加入しづらい
海外赴任期間が1年を超える方は、出国前に国外転出届を提出しているはずです。すると日本に住所を持たない「非居住者」という扱いになり、住民登録がなくなっています。そのため一時帰国の際は「日本国内に住所を有する」という要件を満たしていないため、国民健康保険には加入できません。
非居住者が国民健康保険に加入するためには、まず役所に転入届を提出して住民登録をする必要があります。ただし日本での滞在期間が1年未満の場合、多くの自治体が転入届を受け付けていません。つまり一時帰国が数日〜数ヵ月という短期間では、転入届が受理されず、国民健康保険にも加入できないケースが多いのです。
1年未満で国外転出すると資格取消になるケースも
転入届を提出する際に、自治体によっては滞在期間の聞き取りがあります。もし聞き取りがない場合は、短期間の一時帰国ということを申告しないまま転入届を出すことができるかもしれません。転入届が受理されれば、そのまま国民健康保険に加入することも可能です。
ただし一度は転入届が受理されても、1年未満で再び海外転出した場合は、加入資格を取り消される可能性があります。この場合、支払った保険料は返金されますが、それまでの受診費用は全額請求されるため、リスクが高い方法といえるでしょう。
一方で自治体のなかには、一時帰国が短期間でも転入届を受け付けてくれるところもあります。まずは最寄りの役所に確認してみるとよいですね。
海外赴任自体が1年未満であれば住民票を抜く必要はない
海外赴任が1年を超える場合は、日本に住民票を残しておくことができません。出国前に国外転出届を出し、「非居住者」となる必要があります。
反対に海外赴任が1年未満の場合は、住民票を日本に残しておくことも可能です。住民票が残っていれば「居住者」として扱われるため、海外滞在中・一時帰国中に関わらず、国民健康保険の被保険者となります。ただ、海外滞在中も保険料の支払いは継続しなければなりません。
あわせて読みたい:【海外赴任が決まった方】住民票・転出届・郵便物・必要な手続きを解説
国民健康保険に加入する場合は納税義務も発生する
一時帰国の期間が1年以上になる場合は、転入届を提出し、国民健康保険に加入することができます。そうすると医療費負担が3割になるため、病気やケガの際に受診しやすくなりますね。
一方で国民健康保険に加入するということは、日本の「居住者」になるということ。つまり国民健康保険に加入する権利と同時に、国民年金に加入する義務や、住民税や所得税を支払う義務も発生するのです。就学年齢の児童がいる場合は、就学もさせなければなりません。
住民税については、前年に国内で得た収入が少なければ納税額が少なくなります。国民年金の支払いは避けられないため、準備しておきましょう。
一時帰国中の国民健康保険への加入に必要な手続き
一時帰国中に国民健康保険に加入する場合は、帰国してから14日以内に手続きを行います。まずは役所の市民課で転入届を提出してから、健康保険課で国民健康保険への加入手続きをしてください。
必要な持ち物は、以下のとおりです。
パスポート
印鑑
住民票
マイナンバーカード
身分証明書
無事に手続きが済めば、その場で健康保険証を発行してもらえます。一時帰国中に病院を受診する際は、忘れずに持って行きましょう。
一時帰国が1年未満なら国民健康保険以外の保険もおすすめ

一時帰国の期間は1年未満となることが多いため、国民健康保険には加入できないケースが多いでしょう。かといって無保険状態のままにしていると、一時帰国中の医療費が高額になってしまうかもしれません。
そんな時は、国民健康保険ではなく民間保険に加入するのもおすすめです。ここでは、一時帰国中の方におすすめの保険を3種類ご紹介します。
①駐在保険の一時帰国中保障特約
駐在保険は海外赴任者向けの保険で、現地での病気やケガ、生活用動産の盗難など、幅広く補償しています。現地で安心して生活するために、駐在保険に入っている方も多いでしょう。
そして駐在保険のなかには、一時帰国中の傷害死亡、疾病治療などを補償する「一時帰国中補償特約」を付けられるものもあります。補償期間は、帰国日から最大30日間というケースがほとんど。一時帰国の期間が短い方にはおすすめです。
ただし駐在保険は、出国前に加入手続きをしなければなりません。特約についても事前に加入しておく必要があるので、日本にいる間に手続きを済ませましょう。
②逆海外旅行保険
逆海外旅行保険は、一時帰国者や訪日外国人向けの保険です。通常の海外旅行保険は日本人に対して海外旅行中のトラブル等を補償するものですが、逆海外旅行保険の補償対象は非居住者です。一時帰国した日本人や日本滞在中の外国人に対して、日本で起きたトラブル等を補償します。
逆海外旅行保険に加入していれば、もし日本で病院を受診することがあっても、保険適用となるので安心です。インターネットから申し込めるものが多く、急な一時帰国が決まった時にも使いやすいのも魅力的ですね。
ただ歯科治療は対象外ですし、持病があると加入できない場合もあります。さらに滞在期間によってプランが変わるため、よく確認してから申し込みましょう。
③現地のクレジットカードに付帯している海外旅行保険
クレジットカードのなかには、海外旅行保険が付帯しているものもあります。自動付帯のものを選べば、特に手続きをしなくても保険を利用できるうえ、別途保険料を支払う必要もありません。補償内容が手厚いわけではないものの、手続きを簡単に済ませたい方や、コストを抑えたい方には向いています。
注意すべきは、海外でクレジットカードを発行するのが難しいという点。使用言語も異なりますし、その国での支払い履歴などがなく審査に通りにくいためです。
海外旅行保険を目的として新たにクレジットカードを作成するよりも、すでにクレジットカードを持っている方が一時帰国時の保険として利用するほうがよいですね。
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海外赴任に関して気になる疑問

最後に海外赴任に関して、気になる疑問にお答えしていきます。保険だけでなく、税金や郵便物に関する手続きなども確認しておきましょう。
Q1)一時帰国中に保険加入していないとどうなる?
日本では全国民に保険加入が義務付けられているため、無保険の状態では不安になる方もいるでしょう。ただ、非居住者の保険加入は義務でないため、無保険状態でも特に問題はありません。
とはいえ無保険状態のままでは、医療機関でかかった費用が全額自己負担になってしまいます。普段の3倍以上の医療費を払う必要が出てくるため、気軽に受診しづらくなるかもしれません。一時帰国中に保険加入する義務はないものの、加入しておくことで得られる安心感は大きいといえます。
Q2)税金の支払いはどうなる?
上述のとおり国民健康保険に加入すると、同時に納税義務が発生します。そして日本の居住者は、国内だけでなく、世界中で得た収入に対して所得税等を納める必要があります。確定申告を行い、納付忘れのないようにしましょう。
さらに国民健康保険に加入できない「非居住者」であっても、税金の扱いには注意が必要です。日本の土地を売った、日本の不動産を貸与しているなど国内源泉所得があれば、非居住者も確定申告をしなければなりません。
自分で納税や確定申告をするのが難しい場合は、納税管理人を立てるとよいでしょう。家族や知り合いに頼んでもよいですが、税理士や納税管理人サービスなどを利用するとより安心ですよ。
Q3)日本に届いた郵便物はどうすればいい?
海外赴任に伴って家を引き払う、あるいはリロケーションを行う場合は、郵便物の転送手続きが必要です。役所に海外転出届を出しても郵便物は届き続けるため、手続きを怠っていると郵便物がポストから溢れる、重要な郵便物を見逃す、他者に見られるといったリスクがあります。
郵便局の転送サービスを使えば、郵便物を無料で1年間転送してくれます。e転居なら、インターネット上で手続きが完了するためお手軽ですよ。ただし海外転送ができず、郵便物の確認に時間がかかる点がデメリットです。
自分で郵便物を管理したい方には、クラウド私書箱サービスがおすすめです。郵便物がデータとして届くため、スマホから郵便物の確認が可能。海外にいても問題なく利用できます。
クラウド私書箱とは?
クラウド私書箱とは、日本で自分宛に届く郵便物をスマホやパソコンで海外からデジタル確認・管理できるサービスのことです。
海外在住中に自分宛に届く郵便物をきちんと管理した人や、役所からの税金関連郵便物や保険などの郵便物の見逃しを避けたい方にぴったりなサービスです。

クラウド私書箱MailMateでは、海外在住者に嬉しいサービスを沢山提供しており、海外に住んでいる方から絶大な支持をえています。
郵便物の電子化とクラウド管理:転居届を利用しメールメイト住所に届いたお客様の郵便物はスキャンされ、PDF形式でクラウドに保存、スマホやパソコンからいつでもどこでも確認可能!
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あわせて読みたい:海外赴任から帰国後、所得税はいつから?年末調整・住民税・申告の注意点も解説
一時帰国中は国民健康保険の加入は難しい!状況に合った保険を選ぼう

本記事では一時帰国を考えている海外在住者に向けて、日本滞在中に加入できる保険について解説しました。1年未満の滞在の場合、自治体によっては国民健康保険の加入を断られる可能性があります。そのため長期で帰国する場合を除いて、国民健康保険は海外在住者の一時帰国におすすめはできません。
一時帰国が1年未満になる場合は、駐在保険の特約や逆海外旅行保険、クレジットカード付帯の海外旅行保険も活用できます。滞在期間や補償内容などを比較して、安心して利用できるものを選びましょう。
また海外赴任の際は、税金や郵便物の管理も重要です。メールメイトには納税管理人やクラウド私書箱のサービスがあるため、ぜひ活用してくださいね。
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