【建設業】人工代の請求書の書き方を解説!ミスを防ぐ注意点も
本記事では、一人親方や建設業で人工代を請求する場合の請求書の書き方を解説します。
請求書の書き方や内容に間違いがあると、書き直し・再送付の手間や取引先に対するお詫びなどが必要になるほか、支払いでトラブルが発生する可能性もあるため注意が必要です。
こちらの記事では、人工代とは?という基本的な部分から、実際の経験をもとにした請求書発行の際の注意点まで解説しています。
人工代の書き方や請求の記載方法にお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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人工代とは
人工代(にんくだい)とは、現場作業員の労働に対する対価として請求する費用です。
「1人工」は、1人の作業員の1日の人件費を指します。
たとえば、2人の作業員がその施工現場で1日作業をおこなった場合には、2人工ですね。
3日間の作業であれば2人×3日となるため、請求書に記載するのは6人工ということになります。
建設業界以外ではあまり見かけない単位のため、見慣れないという方もいるかもしれませんね。
人工代の請求書の書き方【記載項目】
人工代を請求する際に請求書に記載すべき項目は、以下の通りです。
取引先事業者の名称等
発行事業者の氏名等
請求年月日
支払期日
現場名
作業年月日
人工代項目・人数・単価等
消費税額
合計金額
振込先情報
備考
その他(インボイス番号など)
それぞれの項目の記載方法や注意点等については、以下の各項目で解説しています。
項目名だけではどのように記載すべきかわからないという場合は、ぜひ参考にしていただければと思います。
取引先事業者の名称等
請求書の左上あたりに、請求書を受ける事業者、つまり取引先の会社名等を記載します。
相手の名称を記載する際には、敬称をつけましょう。
敬称は、会社等の団体であれば「御中」、個人名であれば「様」が適しています。
名称や「株式会社」等の位置にミスがあると失礼にあたります。ありがちなのが、「株式会社○○」が正式名称であるのに対し「○○株式会社御中」などと記載してしまうことです。
このようなミスがあった場合、請求書の再発行が必要になるためしっかりと確認しましょう。
発行事業者の氏名等
請求書を発行する事業者、つまり自分・自社の情報を記載します。
具体的には、以下の内容を記載するとよいでしょう。
発行者の氏名もしくは名称
住所
連絡先(電話番号・メールアドレス等)
支払いを受ける事業者の連絡先情報は、何かトラブルがあった際にも役立ちます。
できる限り記載しておくとよいでしょう。
請求年月日
請求書を発行する際には、請求年月日を記載します。
請求年月日は、請求書の発行日ではなく、基本的には相手と取り決めた請求日を記載することがほとんどです。
たとえば、「7月末請求」ということであれば、請求書の作成日や提出日が「7月28日」であっても、請求年月日の項目には「7月31日」と記載します。
一方で、取引をおこなった日を請求年月日として記載するケースもありますので、取引先と確認したうえで日付を記載しましょう。
支払期日
請求書を作成する際には、支払期日の記載も必要です。
支払期日は、請求書に記載の報酬を支払う期限です。
支払期限日については取引先と認識を合わせてから記載する必要があります。
とくに何も言われていないという場合でも、トラブルを避けるためにも支払期限は確認しておくことが重要です。
たとえば、7月分の請求に対して翌月末払いということであれば、8月31日を支払期限として記載します。
現場名
建設業や一人親方が請求書を発行する場合、現場名を記載することで取引内容がわかりやすくなります。
同じ元請けから複数の現場の作業を請け負っている際にひとまとめにして請求してしまうと、相手方もわかりづらいですよね。
そのため、現場Aと現場Bで作業をおこなった場合は、それぞれ大項目として「現場A」「現場B」と記載し、その中に作業年月日や人工代をまとめていくとよいでしょう。
例(金額等は一例です):
現場名 |
日付 |
項目名 |
数量 |
単位 |
単価 |
金額 |
---|---|---|---|---|---|---|
現場A |
2024/7/10 |
作業員 |
2 |
人工 |
20,000 |
40,000 |
機械代 |
1 |
式 |
30,000 |
30,000 |
||
回送費 |
1 |
式 |
30,000 |
30,000 |
||
2024/7/11 |
作業員 |
2 |
人工 |
20,000 |
40,000 |
|
機械代 |
1 |
式 |
30,000 |
30,000 |
||
回送費 |
1 |
式 |
30,000 |
30,000 |
||
現場B |
2024/7/15 |
作業員 |
3 |
人工 |
20,000 |
40,000 |
作業年月日
施工作業をおこなった日付を記載します。
まとめて記載する場合はその月の末日などを記載することもありますが、細かく作業年月日を記載する場合もあるでしょう。
取引先がどのように記載してほしいかという状況にもよりますので、あらかじめ確認したうえで項目を記載していくのがおすすめです。
人工代項目・人数・単価等
取引内容を記載します。
今回は人工代の請求ですので、項目に「作業員」などの記載をおこない、人数や単位、単価等の記載が必要です。
人工費の単位は、たとえば3人であれば「3人工」となります。
その他にも、機械代や材料代等をあわせて記載する必要がある場合は他の項目として書きます。
単位は「台」「式」「t(トン)」「㎥(リューベ・りゅうべい)」など、該当の項目に合わせて記載するとよいでしょう。
残業代等が発生している場合は、取引先と認識を合わせたうえで忘れずに記載します。
消費税額
請求書には、消費税をあわせて記載します。
現在は消費税に8%のものと10%のものが混在していますが、基本的に、建設業・一人親方が請求書を発行する場合は、消費税金額は10%となります。
合計金額には消費税を込みで記載しますが、消費税額についても明確に記載しておきましょう。
合計金額
請求書には、税込の請求合計金額を記載します。
合計金額は、わかりやすいように「ご請求金額:○○円」といった形で記載するとよいでしょう。
また、文字が目立つよう、太字や少し大きいサイズの字で記載することで、相手が金額を見間違えることなく把握することができます。
合計金額を記載する際は、計算に誤りがないかチェックするのがおすすめです。
パソコンを使ってエクセル等で請求書を作成する際にも、数式による自動計算だからと確認を怠らないようにしましょう。
場合によっては、項目の追加によって自動計算の範囲に収まっておらず、加算されていないというケースもあるためです。
振込先情報
請求した代金を振り込むための口座等を記載します。
銀行等の金融機関名
支店
口座番号
口座種別
口座名義(カタカナ)
また、支店コードなどもあわせて記載することで、相手にとってさらにわかりやすくなります。
備考
取引における伝達事項や特記事項等がある場合は記載します。
たとえば、振込手数料の負担に関する内容を記載することや、取引先と取り決めた内容の覚書として使うこともあります。
とくに記載すべき内容がない場合は、空白でも問題ありません。
その他(インボイス登録番号など)
本項目では請求書にその他に記載すべき内容等について紹介しています。
源泉徴収額
インボイス登録番号
押印
請求書番号
源泉徴収額
一人親方の場合、取引先との契約形態によっては、源泉徴収が必要になる可能性があります。
外注として仕事を請け負う場合には不要な項目ですが、雇用契約として扱われる場合には源泉徴収が必要です。
取引先と確認し、源泉徴収が必要な場合は記載しましょう。
インボイス登録番号
課税事業者でありインボイス制度に対応して適格請求書発行事業者として登録している場合には、登録番号も記載します。
登録番号は、Tから始まる13桁の数字です。
登録番号を記載する場合、たとえば、「T1234567890123」というような表記になります。
押印
請求書に印鑑は必須ではありませんが、押印を求める企業もあるほか、偽造等のトラブルの防止にもなります。
そのため、あらかじめ押しておいたほうが無難といえるでしょう。
法人であれば請求書に角印を押すことが多いのですが、一人親方などの場合は認印でも問題ありません。もちろん、事業用の印鑑を作成している場合は、そちらを押してもよいでしょう。
請求書データをメールなどで送付する場合、電子印鑑の利用も可能です。
請求書番号
請求書には、管理用の請求書番号を記載するケースもあります。
請求書番号は必ずしも記載する必要があるわけではないのですが、自分で請求書を管理するときに役立ちます。
そのほかにも、請求関連で確認事項が発生した際に取引先に確認を取る場合でも、該当の請求書を番号で正確に伝えられるため便利です。
請求書の管理番号の振り方としては、
自分で振り分けた取引先番号
請求発行年月日
その日に発行した請求書の番号(その取引先に対し、その日の最初に請求した場合は001など)
といった数字を組み合わせることがあります。
上記は一例ですので、自分の管理しやすい番号をつけておくとよいでしょう。
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請求書の作成方法
請求書の作成方法としては、以下のようなものが挙げられます。
手書き
エクセル等
取引先のフォーマットを使う
請求書作成ツールや会計ソフトを使用する など
それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、詳しくは以下の項目をご覧ください。
手書き
人工代請求書は手書きで作成しても問題ありません。
市販の書式を購入して作成することもできるほか、インターネットから請求書テンプレートを入手して印刷し、そちらに取引内容を手書きでペン記入してもよいでしょう。
手書きのメリットは手軽に記入できることですが、書き損じてしまうとやり直すことができません。
二重線を引いて訂正すればよいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、請求書は証憑書類(取引を証明する書類)のため、基本的に再発行しなければならないのです。
取引先名や請求項目など、請求書に記載しなければならない内容はかなり多いので、新しい用紙に一から書き直す労力は意外にも大きくなります。
取引先のフォーマットを使う
取引先によっては、その取引先が用意したフォーマットを使って請求書を作成してほしいと依頼されるケースもあります。
このような場合には、用意されたフォーマットに従って請求内容を記載していきましょう。
項目を記載していて不明な点があった場合には、自己判断で記載するのではなく取引先の担当者に問い合わせて解決します。
エクセル等
パソコンがある場合は、エクセルやGoogleスプレッドシート等を用いて請求書を作成することも可能です。
エクセル等で請求書を作成する場合、一からレイアウトを作ることもできます。しかし、インターネットでテンプレートを探すのが手軽でおすすめです。
エクセル等で請求書を作る一番のメリットは、ミスをしてもすぐに直せることですね。
また、セルに数式を入れておけば自動的に金額の計算をおこなってくれるため、請求書作成作業の負担が減ります。
一方で、数式でエラーが起きてしまったり、印刷の際にレイアウトが崩れてしまったりと、あまりパソコンに慣れていない場合には対処しづらいトラブルが起こることもあります。
請求書作成ツールや会計ソフトを使用する
パソコンを利用する場合には、エクセルの他に請求書作成ツールや会計ソフトを使って請求書を作るという方法もあります。
これらのツールを利用すれば、テンプレートを探したりレイアウトを作成しなくとも、必要項目を入力するだけで請求書が完成するため便利です。インボイス制度にも対応しているツールが多いため、適格請求書発行事業者として請求書を発行したいという場合にも役立ちます。
一方で、ツールで作成する請求書はあらかじめ書式が定まっているため、必要な項目が用意されているツールがない場合は他の方法を使う必要があります。
請求書の送付方法はおもに2つ
請求書を送付する際には、おもに以下の方法が使われることが大半です。
郵便
メール
その他にも、近年ではシステムに請求書をアップロードする方法などを採用している企業もありますが、一般的な送付方法としては上記の2つが挙げられます。
郵便
郵送で請求書を作成する場合には、請求書のほかに送付状をつけて送りましょう。
送付状には、あいさつ文とあわせて、同封した書類の内容と部数を記載します。
封筒には以下の項目を記載しましょう。
あて先+敬称(御中・様 など)
発行者氏名または名称、住所
「請求書在中」の文字やスタンプ
また、封をした閉じ目部分に「〆」「封」「緘」といった封緘の記載またはスタンプなどを押すとよいでしょう。
メール
取引先が了承していれば、請求書をメールで送付することも可能です。
メールで請求書データを送付する場合は、エクセルなどで作成していてもPDFファイルに変換してから送付しましょう。
なぜなら、簡単に編集できるエクセルファイルの状態で送付すると、改ざん等のトラブルが発生する可能性もあるためです。
件名は「○月分請求書送付のご案内(発行者の名称)」といった形式で送るとわかりやすくなります。
請求書の添付し忘れや、内容に誤りがないかに注意して送信しましょう。
建設業等で人工代を請求する際の注意点
建設業等で人工代を請求書に記載する場合の注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
実績との違いに注意
人工代のまとめ方に注意
現場の混同に注意
請求内容にミスがあるとトラブルに発展するため、注意点を参考にあらかじめミスを減らす対策をおこなうのがおすすめです。
実績との違いに注意
一人親方や建設業等での勤務で人工代の請求書を発行する場合は、請求内容と実績に相違が出ないよう注意が必要です。
ここでの実績というのは、実際にその日に発生した労働のことを指します。
筆者の経験上、請求書原本を発送する前に、この実績をFAXやメールなどで送付し、取引先とお互いの認識が合っているか確認することがあります。
とはいえ、一人親方の場合は自分が作業に行っているので、請求内容を間違えるということはあまりないかもしれません。
一方、建設業の事務などで請求書の発行を担当しており作業員や現場が多い場合は、ミスが発生することもあるため注意が必要です。
人工代のまとめ方に注意
さまざまなサイトでは、請求書内に複数日の人工代がまとめて記載されている例もありますが、管理や実績の提出の際には日ごとにまとめるのもおすすめです。
なぜなら、予定ではこの日はあったが実際は中止になっている、早出や残業が発生していた、などもあり、請求書が間違っていることでトラブルになるケースも多いためです。
人工代を日毎にまとめることで、先程の項目で説明した「実績」の確認もしやすくなります。
もちろん、取引先からまとめて記載するように指示がある場合はこの限りではありません。
現場の混同に注意
人工代を請求する際に確認が必要なのが、現場の混同です。
現場を地域名等で通称している場合、時折異なる現場であるのにもかかわらず同様の現場名が複数混在してしまうことがあります。
とくに、エクセル等を使い手作業で管理をおこなっている場合は、現場名が同じになってしまっていることにより請求の際にミスが発生する可能性もあるでしょう。
このような場合は、正式名称などを用いた現場名で記録しておく、担当作業員の違いによって現場を把握するなど、ミスを減らすような配慮が必要です。
建設業・一人親方の請求書はミスなく記載しよう
今回は、建設業・一人親方に向けた人工代の請求書の書き方について解説しました。
請求書の内容に誤りがあると、基本的に再発行が必要になります。
そのため、あらかじめ発行前に作業内容や機材の数量などの認識を取引先と確認して、正しい請求書の発行を心がけると安心です。
その他にも、金額や相手先名称など、誤りがないか複数回チェックした上で提出するとよいでしょう。
一人親方が請求書を作成する際にも、テンプレートやツールなどを利用すると負担やミスを減らせるため、おすすめです。
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